娘に戻る日…父さん母さんと札幌雪まつり
もう20年ぶりくらいになるでしょうか。
この冬、札幌雪まつりを見に行きました。
直接の動機は雪まつりじゃなくて、札幌に別件で用事があり、
それがたまたま雪まつりの時期に重なっていたということなんだけれども。
せっかく札幌に行くから、父さん母さんも風連から出てこない?と誘ったら、
喜んで出てきてくれました。
私が両親のもとを離れたのは、高校三年間を終えた18歳の4月。
東京の大学に進学し、一人暮らしを始めた時でした。
私はいま46歳だから、家を出てから28年も経つんだなぁ。
私の両親は、娘とたった18年間しか一緒に暮らせなかったんだなぁ。
離れて暮らしていると、
そして、この年になってみると、
なんだかそういうことが、ものすごく切なく感じるわけです。
だからという訳じゃないけれど、出来るだけ親孝行をしたいと思う今日この頃なのです。
雪まつりを一緒に見ることが果たして親孝行なのか?ということはあるけれど、
結果的に、両親も私もとても楽しい雪まつりで。行って良かったなと思うのです。
昼頃に新千歳空港に着き、快速エアポートで札幌へ。
インバウンド効果がすごいですね札幌は。昔はボックスシートでのんびりローカル線ムードがむんむんしていたエアポートだけれども、今は全車両が通勤列車風になっちゃって。
外国人旅行客が大きなスーツケースを引きながらたくさん乗ってきて。
ずいぶんと風景が変わりましたなぁ。
同じころ、名寄から出てきた両親もJR札幌駅に到着。
札幌駅もそれなりに改札口が多くて、いまどこ?なんて携帯で話しながらなんとか合流し。
落ち着いてランチがしたいね、と、JRタワーホテルの上階の和食レストランに入りました。
野幌の百年記念塔も見渡せる眺めのいいレストランで、2000円の昼定食をいただき、とてもいい気分になり。
久しぶりに会う父母としばし語り合う。
いつまで農家を続けるの、とかね。まだまだ現役で、元気にやってるんですよ。
出来るところまでやりたい、と頼もしい父。だけどやっぱり、身体にはきてるみたいな感じもあり。
無理せず、いい感じで続けて欲しいなぁと願うばかり。
ランチの後は、最近の常宿となっているスーパーホテル札幌すすきのにチェックインし。
3人部屋だけどあまりに狭くて3人で笑っちゃって。私なんて2段ベッドの上だよ!
でも雪まつりのピークシーズンにホテルが取れただけでもこれ幸いなのですよ、本当に。
少し部屋で休憩し、いざ雪まつり会場へ。
まずは、氷の彫刻が見事なすすきの会場です。透き通った氷の美しさに心現れます。
が、写真を撮ったら背景にはススキノのキャバクラ嬢の笑顔が…
これがススキノですから。
続いてメインの大通会場へ。予想通り、ものすごい人ごみであります。
一方通行で、人の流れに乗りながら前進する感じ。
大雪像の前でイベントをやっているから、途中途中でそれを見て。
最近はとにかく、プロジェクションマッピングなんですね。
巨大な白い雪像、しかも立体的な背景だから、そこに投影される映像も生き生きと立体的に輝いています。
最初に見たのが、PMFをテーマにしたもの。
PMFとは、Pacific Musical Festivalの略で、札幌の夏を舞台に、かのバーンスタインが始めた若手音楽家を育成する目的の音楽祭。(っていう説明で合っているかな?)
オペラ歌手の方々による生歌が雪のステージで繰り広げられ、心地よいひとときを過ごしました。
ストックホルムの大聖堂も圧巻でした。西洋建築は雪像によく合いますなぁ。
次は台湾の旧台中駅をモチーフにした大雪像。
おそらく台湾のアイドル?と見られる若手男性グループが、ステージで歌い踊っておりました。
これも美しかったなぁ。
そして今回一番良かったなと思ったのが、奈良・薬師寺の大講堂。
これもプロジェクションマッピングで、ストーリー性豊かな映像が数分間映し出されたのですが、
とても凝った映像で見ごたえ十分でした。
昔よりずいぶん屋台が増えたなぁという印象も強く、
珍しいトマト甘酒とか、
仙鳳趾の牡蠣とか!が出ており、なかなかのグルメ度であります。
寒いから生ビールより熱燗!という気分でしたが。
そういえばホットワインも出てましたね。飲まなかったけれど。
私が小さい頃は、大通会場には大きな雪の滑り台があり、それが楽しみだったのだけれども、
いまは滑り台系は郊外のさとらんど会場に集約された感があります。
もう滑り台という年じゃないのでいいんですけれどね。
それで、札幌雪まつりの魅力とは何だろう?ということなんですが、
とにかくスケールの大きさじゃないかと。
あの大雪像の大きさは、一度見てみる価値はあります。だってね、本当に巨大なんですよ。
高さ15メートルほどの雪像って、ビルの5階くらいのサイズ感なわけです。
それを雪で作っているんですよ。一度目の当たりにして下さい。すごくデッカイよ!
そして一つ一つの雪像が美しいです。
その作られる工程とか、役目を終えて壊されるはかなさとか。想像してみて下さい。
北海道各地で雪まつりは行われているけれど、やはり札幌のは別格です。
事後のニュースでは、今年の札幌雪まつりの人出は今一つだったという話でしたが、
それは地元の人が人ごみを避け、インフルを恐れ、街に出なかったということ。
まぁ、さもありなん、です。
ブラジルでもカーニバル中は地元の人たちは案外街から避難するんですよね。お祭りを避けて。
それと札幌雪まつりも同じかも。
確かに一度見たらしばらくはいいかな~と思ってしまう札幌雪まつりですが(苦笑)
日本を代表する冬の祭典です。一度はぜひ見て頂きたいです。
久しぶりに娘と一緒に雪まつりを見た父母は、見てて可愛いくらいに楽しんでいました。
屋台でたこ焼きをほおばる父の姿。プロジェクションマッピングに見入る母の姿。良いものです。
娘の役割、なかなか離れていると果たせないことが多いけれど、
やはり両親にとって娘は娘なんです。そして自分もいつまでも父母の娘でありたいのです。
だから、ちょくちょく会いに行こう。会いに来てもらおう、と思います。
会うことが親孝行と言えるのなら、会える時に会いたい。
そんな風に思っています。