~私の好きなもの、好きなこと、興味のあることをあれこれと綴るブログです~

ガンバレ日本、で広告代理店に呼ばれる


なんのこっちゃ?なタイトルですが…



今朝、日本語レッスンの最中に、見知らぬ番号から携帯に電話が入った。
とりあえず出てみたら、ホベルタさんという女性から。
うーん、ホベルトは知ってるけどホベルタという知り合いはいないなぁ…と思って話を聞くと。



なんちゃらコミュニケーションとか言う会社の社員だそうで、何やら、漢字の知識のある人を探していて私に辿り着いたとのこと。
一応、ホベルタさん自身が漢字を調べて日本語の文章を書いたのだが、それが正しいかどうか見てほしい、というお願いだった。



なんだかよくわかりませんが、会社の場所は我が家からそう遠くないし、今日は時間に余裕が少しあったので、すぐに行ってあげることにした。
なんだろう、翻訳みたいなことをさせられるのかなぁ。
だとしたらちゃんとお代をいただかないと。しかし翻訳の相場というのもよく調べてないからわからんぞ…
と、その時は、なんのことだか全然わかってなかったから、今思えばチンプンカンプンな気持ちでそこに向かった。



で、行ってみたら、ビルの上のほうの階にある小さな広告代理店のオフィスにホベルタさんがいた。まだ20代半ばと思われる、快活な感じのいい娘さん。
なんでも、独学だかオンライン学習だかで、何年も日本語を勉強しているんだという。会話が全然ダメなんですけど…と照れながら言う。
なるほど。だから「みんなの日本語(外国人が日本語を学ぶためのテキストの定番)」を持ってるわけね。
さらに、ポル語→日本語の辞書を全ページコピーしたものまで持っていた!すごい!
そうだよね、辞書本体を入手するのは、サンパウロにいてもそう簡単なことではないものね。



そして彼女が確認したい漢字とは、
ポルトガル語の「solidariedade(ソリダリエダージ)」を日本語訳したものだった。



ソリダリエダージって…
ごめん…
かれこれ5年ほどブラジルに住み、それなりにポル語の勉強をしてきたつもりだったけど、ごめん、その単語をバッチリ日本語にするのって…
うーん、わかんないなぁ。
聞いたことはあるけど、たぶん、1回か2回くらいしか聞いたことない言葉、だと思う。



彼女はすでに、自らのコピー辞書で日本語訳を調べていて、
「連帯」「団結」「共同」「協力」との漢字を出してきた。



うーーーん。
連帯、団結、共同、協力。それぞれニュアンスが微妙に違うじゃない?




で、ところで、その漢字を調べてどこにどのように書くわけ?何かのポスターとかに、さまざまな言語で書いたりするような、あれ?
と、ここでようやく主旨を質問。遅いね、私も(笑)



そしたらなんと、今回の日本の大災害に対する応援メッセージだと言う。
会社のサイトや、ソーシャルネットワークなどに掲載し、キャンペーンを呼びかけたいんだと言う。




そ、そういうことだったのか!
それならなおのこと、連帯とか団結とか共同とか、違うし。違うよね。
要するに、サルヴァドールに住む私たちブラジル人も、日本のみなさんのことを思っていますよ、ということを言いたいのだと。
うーんうーんうーん。
しばし考える。



で、それはやっぱり、月並みだけど、ガンバレ!がいいんじゃないかということに落ち着く。
そして、ガンバレなら、カタカナかひらがなの記載で十分OKだと私は思うんだけど、彼女はどうしても漢字にこだわっている(苦笑)
彼女のパソコンでは日本語が打てなかったので、私が帰宅して、自宅から「頑張れ」の文字を画像ファイルにして彼女にメールで送ることにした。



突然降ってわいた、初対面のホベルタさんとのこんなやりとり。
こんな遠いサルヴァドールにも、こんな動きがあるんですよ。なんだか嬉しくてね。涙出そうになった。



家に帰って改めて別の辞書で調べたら、ソリダリエダージには「相互扶助」の意味もあった。
それが一番近いかな。
でも、ブラジルのサイトでいきなり「相互扶助」なんて文字が漢字で現れたら、日本の人、びっくりするよね(笑)



結果的に、どんなデザインの、どんな文言がサイトに並ぶのか。もうちょっと時間がかかるかも知れないけど、完成したら、ここでまたお知らせしますね。
ちょっと楽しみ。
そして、それがきっかけとなって、いい感じでキャンペーンが広がりますように。



今日は震災以外の話を書こうと思ったのだけれども(覚書しておかねばならないネタがあれこれと)、この出会いはちょっと嬉しかったので。




神様、できることなら、いま東北に降らせている雪を、まだまだ蒸し暑いサルヴァドール上空にぜひ持ってきて下さい。雪、熱烈歓迎。