~私の好きなもの、好きなこと、興味のあることをあれこれと綴るブログです~

写真家・秋山庄太郎さんに超共感し、花見山へといざなわれる

わたしが写真を撮ることが好きになったのは、まだ入社4年目くらいの20代の若かりし頃。勤務先のテレビ局とその系列の新聞社が「交換研修」なる制度を設けていて、新米テレビ記者だったわたしは研修生に選ばれ、1年間だけ、新聞記者として仕事をする機会をいただいたのでした。

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わたしの担当は市政で、市役所内の記者クラブに席をいただき、主に街ネタと呼ばれる「緊急性は高くないけれど、街の中で起こるちょっといい話や小ネタ」を担当していた。「取り置き」とされるネタも多かった。もちろんそういう取材ばかりではなく、硬派なものもたまにはやらせていただいた。あの時の仕事から私が得たものはとても大きくて、写真撮影もその一つ。

 

一眼レフを初めて持たせてもらい、カメラマンが同行しない小さな話題の取材は記者が自分で撮影をしていた。撮影のコツは、カメラマンの方が教えてくださった。強調したい対象を手前において大きく映すとか、サッカーの撮影はボールが画面に入っていること、とか。今となっては当たり前のようなことだけれど、全くそれまで撮影ということを仕事としてとらえたことがなかった私には、目からうろこのことばかり。そのアドバイスを活かして、地域の子供サッカーの取材でボール込みの躍動感ある写真が撮れた時は嬉しかったなぁ~と、今でも思い出す。

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そんなわけで私の写真好きは結構なもので、特に梅や桜やバラなどの美しい花や、空や海や緑と言った風景を撮るのが大好き。きれいなものが単純に好きなんですよね。みんなもそうだと思うけれど。

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前置きが長くなりましたが、写真好きではあるけれど、写真家の方の展覧会というものにはしばらく行ってなかったなぁ…と。それこそ取材でアマチュアの方の写真展は何度もお邪魔したけれど、プロの写真家の展覧会は実はほとんどないかも?と、先日、千葉県の佐倉市で行われていた秋山庄太郎展に行ったときにふと思ったのでした。

 

そう、秋山庄太郎さんという偉大な写真家の存在を、私はつい最近まで存じ上げませんでした。このきっかけも本当に偶然で。大好きな音楽家中村由利子さんのニューイヤーコンサートに出かけた際、いただいた招待券が秋山庄太郎展だったのです。実はその時も全然ピンと来てなくて、秋山さん?初耳だわ?という感じ…

 

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開催も佐倉市で遠いし、行くことはないかも…くらいに軽くスルーしていたら、同じコンサートに行っていた夫が3月に入ってからぽつりと「そういえば秋山庄太郎展の招待券はどうした?」と言い出した。なんと彼は秋山さんの写真を知っていて、3月の会期中までに行くと心に決めていたらしい。そうだったのか!

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そういうわけで、開催中さいごの土曜日に、佐倉市までプチトリップしてきた。「美しきをより美しく。」と名付けられた、秋山庄太郎展だけのために。これがもう、私の写真好きにさらに火をつける素晴らしい機会になったのであります。

 

秋山さんの写真は、モノクロの人物写真が有名で、昭和を代表する女優さんや作家シリーズがよく知られている。これが相当素晴らしくて、白と黒のバランスとか、白く立ち上る煙とか、絵画みたいに美しく、でも人間臭さもしっかりと出ていて。写真展の作品の大半がこの人物シリーズだった。

 

そして後半の展示は、なんと私の大好きな「花」を題材にした写真たちであった。秋山さんも晩年のライフワークは花がテーマだったんですって!自然の中で見つけた可憐な花の背景にダークカラーを置いたり、お花屋さんで気に入った花を買ってスタジオでセッティングして、これまた絵画のように作り出す作風も、すごくオリジナルで面白いの!

こちらのサイトにて、作品を見ることが出来ます。背景の色で、花はこんなに違って見える。本当に絵に描いたみたい、だけど、写真なんですよね~。

秋山庄太郎作品ギャラリー | 秋山写真工房

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中村由利子さんとのご縁で言うと、由利子さんのアルバムで最近の私のお気に入りであるこちらのジャケット写真が、秋山先生の作品なのです。

 

こんな風に花を撮るという発想はなかったわ…

花も人物も、モデルさんだよね。そんな風に私には見えて。美しいものをより美しく、という秋山さんのコンセプトに、とてもとても共感したのであります。

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そんな秋山さんが、花を求めて足しげく通い、「福島に桃源郷あり」といわしめた公園が「花見山公園」だと言う。

 

展示会では、秋山さんが花の写真を撮影しに行く様子が映像で紹介されていたのだけれど、そこに映る花見山の様子や、秋山さんの花への想いは本当に言葉では言い表せないほど素敵で。花好き・写真好きにはもうたまりません…。

花見山。花を撮り続けた秋山さんがそんなに言うなら!行くしかないでしょう!

 

ということで今、やまびこの中にいます。

福島で降りて、花見山に行きます。

写真展の時に「絶対行く!」と決めて、本当に行っちゃう自分の行動の速さには目を見張るものがあります(笑)

 

でもね。梅の偕楽園の時にも書いたけど、花の旬は年に一度だけ。来年の自分なんて、誰にもわからない。それは、がんになったとかそういうのは関係なく、誰しも、来年の自分なんてわからないんですよ。だったら、今年。いま。行けるときに行くってものでしょう。だって人生一度きりだし、今年の春は今年にしか来ないんだし!

 

今日はもう、朝からワクワクが止まりません!