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日本の地震・津波、バイーア地元紙や全国週刊誌Vejaに掲載


何をしていても何を見ていても、こんなに遠く離れるブラジルに住んでいても、常に日本の状況が気になってどうしようもない。
私が気にしたところでどうにもならないし、もう起こってしまったことはどうすることも出来ないのだけれど。



自然災害は、ここブラジルでもよく発生する。地震こそほとんどないものの、大雨による地すべり、集落崩壊は、それこそ毎年必ずといっていいほど、ブラジル各地で発生している。
そのたびに、どうして毎年起こることがわかっているのに、政府も自治体も大雨対策を取れないのだろう…?と思う。
対策を取らない、というより、取れないんだろうな、とも思う。
それだけ広い国で、災害に弱い地域も多いのだろうから。
そしてそもそも、「事前策をとる」ということをしない国民性なのがブラジル人。いつどこで起こるかわからないことに対して「備える」ということをあまりしないものだ。



それの対極にいるのが日本人。
いつも、先々を見て準備し、行動し、最善を尽くすのが私たち日本人。



その日本人の国民性を、各メディアとも、今回の津波災害にあたり、とても高く評価している。



地震発生から、ブラジル時間で言うとまだ1日半しか経っていないのに、バイーアの地方新聞「A Tarde」と「Correio」のみならず、毎週日曜日発行のブラジル最大の週刊誌である「Veja」誌の表紙を、日本の津波現場の写真が飾った。




日曜日発行の週刊誌が、昨日のことを、こんなに早く掲載できることにまず驚き…
こんなに大々的に掲載されていることに驚いた。
報道特集、17ページ。




表紙には「ショックから立ち上がる日本」
「自然災害への備えをどこよりもしている国・日本が、なぜ、津波に襲撃されたのか」との文言だけが書かれている。



日本の特集は、なんとサンバクイーン紹介のカラーページの直後に掲載されているのですが(あわてて記事を差し替えたのでしょうな)、国会議事堂で揺れを感じ天井を見上げる菅首相の様子がまず大きく掲載され…



何度見ても衝撃的過ぎる、津波に押し流された船や家や車、それに立ち上る煙と炎の写真。
右上には顔写真入りで、東京在住21年のエジソン・ミネキさんによる体験談。



次のページには、おそらく書店であろう場所にいたお客さんが、崩れ落ちる天井を避け抱き合う様子。右下には、やはり日本在住13年のエリカ・タムラさんのコメントが。
本文見出しには、
「日本の歴史上最大となった今回の地震は、ハイチ地震の900倍の威力であった。しかし、犠牲者の数はハイチと比べ物にならないほど最小限に抑えた。そして、復興はすでに始まった」とある。(だいたいの訳ですが)
本文には、日本が地形的に地震が起こりやすいこと、そのために対策を取っていること、にもかかわらず今回の惨事が発生してしまったこと。震源地付近である仙台の東京からの距離、地震の規模、津波の高さ、速度などのデータ。



続いて図解入りで状況を説明。最近の地震による被害データなども掲載されている。
それによると史上最大は2004年のスマトラ、M9.1、犠牲者22万7898人。
続いてマグニチュード順に、2008年の中国(M7.9,8万7587人)、2005年のパキスタン(M7.6,8万6000人)、1990年のイラン(M7.4,5万人)、2010年のハイチ(M7.0,22万2570人)。
犠牲者数が万単位、10万単位であることに改めて今驚いている。去年のハイチは、22万人もの人の命が奪われたのか。
表紙の文言は、この数値から来ているのだ。
(この数値、NHKで報道されていたものよりずいぶん低いけれど、Ritcherと言う基準による数値をVejaは書いているらしい)


次のページには避難中の人々の写真。
娘の手をしっかり握り締める母の姿。
首都東京の公園で、支えあう女性たちの姿。ここには、「東京における物的損害は激しかったが、犠牲者はわずか2名であった」と書かれている。
自治体から支給された毛布にくるまるお年寄りの様子。
浦安で割れた道路を渡ろうとしている人々。ここには、「強盗や暴力事件の報告はない」とのコメントもある。
ブラジルらしいな、と思う。ブラジルではこういう災害時、残念なことに、盗みなどが多発するらしいからね。


次のページには水浸しの滑走路の写真。
そして、福島原発の被災前の写真。原子力事故の危険性についての記事がある。



他の新聞でも、同じような写真が、同じような説明文とともに掲載されている。共同通信提供のものらしい。



印象的なデザインで伝えてきたcorreio紙。



A Tarde紙には、毎日、有名人によるTwitterのコメントが6人分ピックアップされて掲載されるコーナーがあるんだけれど、そこには、歌手のJorge Bem Jor(ジョルジ・ベンジョー)氏による日本へのメッセージコメントがあった。

「わが友人たち、そして日本のすべての皆様へ、祈り、ポジティブシンキング、慈愛そして支援を」と。



サッカー日本代表ジーコ氏も、公式サイトで日本へのメッセージを寄せている。


現在日本在住の、元バイーア選手ジョルジ・ワグナーさんは「ここ日本の状況はひどい。停止中の列車に2時間もいる」とコメントをしている。
そうなんだよね、日系人の方々のほかに、サッカー選手として日本に住んでいるブラジル人もかなりいるはず。


ブラジルのみんなも、遠く日本に向けて、祈りと願いを送っています。
どうかどうか、少しでもパワーが届きますように!