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国民的歌手イヴェッチ・サンガーロの記者会見潜入レポート


セントロのシネマ・ウニバンコで行われたIvete Sangaloイヴェッチ・サンガーロのマスコミ向け記者会見に、なんと!なぜか!出席することが出来ました。


もちろん、日本人で出席したのは私だけ。でも、特に奇異な目で見られることもなく(いや、見られてたのかもしれないけど私がにぶいだけ?)、一人の記者として扱ってもらえたのはありがたいことでした。


主催者(イヴェッチの所属事務所「Caco da Telha」)から届いた招待状メールをしっかり印刷し持参し、開始時間の午後3時ちょうどに会場ビルに着いたら、カメラやビデオを持った取材陣でごった返していました。どうやらエレベータで上ったところが会見場所らしいんだけど、まだ準備が出来てないと言うことで、ロビーでみんな待たされている模様…。

そこには、ミニワンピース姿のキレイ系お嬢さんたちもたくさんいて、どう見てもマスコミの人じゃないよなぁ???と思っていたら、テレビカメラの前で突然「Na Base do Beijo」(今年のイヴェッチのカルナヴァルテーマソング)を踊りだすではないですか!
聞くと、彼女たちはファンクラブのメンバーだそうで。しかも、地元サルヴァドールの子ではなく、クリチバやらゴイアニア(それぞれサルヴァドールから飛行機で2〜3時間)といった地方都市から来ているのだそうです。ま、まさか今日の会見のために来たの?と聞いたら、いえいえカルナヴァルが終わるまでずっと滞在するんですよ〜とのこと。
すでにカルナヴァルモード満開のブラジル人たちであります。


さていよいよエレベータで5階へ。さすがにファンクラブの人たちはここまでは入れません。
受付で名前をチェックされ、報道資料やおみやげ(しっかりしたメモ帳1冊でした)を受け取り、会見会場へ入ります。


会場は150人ほど収容できそうな小ホール。すでにテレビカメラが10数台ずらりと並び、カメラマンや記者もざっと50人はいたでしょうかね。私は端の席を陣取り、イヴェッチの登場を待ちます。


開始予定から45分ほど遅れ、ようやく会見スタート。まずは、事務所の所長がステージに立ち、今年のカルナヴァルの概要について短く紹介。大型モニターに映像を映しながらの、10分ほどのスピーチでした。


ほどなくして、いきなり会場後方入口からイヴェッチ登場!
私のすぐそばに立ち(たまたま通路側に座っていたのでね)、にわかにポーズを決めています…。こういう登場の仕方がイヴェッチらしいと言うか何と言うか(笑)


今日の衣装は真赤なミニに網タイツ、というかハーフ丈のだから網スパッツ?!
ここまで間近に見ると、やっぱりまだ産後だわね…と思ってしまいますねぇ(し、失礼?!)。


そして会見場のイスに座り、足を組みながら、リラックスした感じで記者たちの質問に答えて行きます。たぶん、最初の数人は、すでに予約された質問なのでしょう。「グローボの○○です」「SBTの○○です」といった具合に、質問者は社名と名前を告げてから質問します。


今日の会見のテーマは、いよいよ来週に迫ったカルナヴァルについて。
当日配られた報道資料には、
「今年、カルナヴァルでイヴェッチは動物になる!」と書かれておりまして。記者からは、「何の動物になるのか」「O Lobo Mau(悪いオオカミの意味、イヴェッチの曲の一つ)を歌うのか」など、関連した質問が出ておりましたよ。


どうやら、オンサ(ブラジルのヒョウ)、パッサロ(鳥)、ズィーブラ(シマウマ)、カヴァーロ(馬)やボルボレッタ(蝶)に扮するようですよ。山車のデザインも自然や森をイメージしたものにするそうで、環境を考え、フルアルミボディの軽量車、少ない燃料(ディーゼル)で走れ、排気ガスの少ないタイプのトレーラーを使うんだとか。


特別ゲストとしては、アルバムPode Entrarで共演しているアーティストのほとんどが登場するそうです。マルセロ・カメーロ、ルル・サントス、マリア・ベターニア、カルリーニョス・ブラウンなどなど…。ヴァネッサ・ダ・マッタも。楽しみですねぇ。
(アヴィアォンス・ヂ・フォホーと、バンダ・エヴァのサウロは、それぞれのトリオで出演するから共演は難しいのかなぁ?)


続いて話題は、10日にサルヴァドールで行われるビヨンセのコンサートについて。
ここでも、どういう衣装なのか、ビヨンセは10回衣装替えするそうだけどイヴェッチはどうなのか、といった衣装の話が… そんなに着るものが気になるんですかね。
ちなみにイヴェッチは着替えはしないそうですよ。ステージはビヨンセのためにデザインされているんだから、私はあくまでも前座だから…と謙虚です。


このほか、twitterの話とか(彼女のつぶやきは大人気、フォロワー60万人を超えている)、産後の話など、カルナヴァルから離れた話題も次々に登場。


同じ出産経験者として興味深かったのは、やはり、産後のボディのこと。女性記者からの質問でしたけどね、「産後のトレーニングはどうしてますか?体重は戻りましたか?」と…
それにもしっかり数字を出して返答するイヴェッチ。
なんと。
24キロ増えて、現在16キロ減りました、ですって…。
24キロ増なんて、日本じゃ絶対許されませんぜ、イヴェッチ姐さん!!!
しかも、まだ8キロも多いのね…。ま、まだ産後4か月ですもの、これからでっせ、姐さん!!!


そして、ヒオ・グランヂ・ド・スウ州(ブラジル最南端の州、ポルト・アレグリのある州)からの女性記者からは、「わが州のファンは、息子さんを一目見たいと切望しています、ぜひ見せて下さい!」と。


それに対するイヴェッチの答えは、非常に真摯な態度で語られた。
「赤ちゃんを見せる気は毛頭ありません。母親が有名人であるということで、他の子とはすでに違うんです。それに、子どもと歌は関係ないし。お見せする必要はないと思ってます」ときっぱり。
このあたり、イヴェッチより1年前に出産したクラウヂア・レイチとは全く態度が異なりますね。興味深い。クラウヂアは、出産した年に、とある雑誌の母の日特集で、息子と自分のグラビア写真を見開きで堂々と公表してましたからね…。
ま、赤ちゃんは見てみたいですけど、イヴェッチの考え方はその通りだと私も思います。


ある程度質問が出そろったあたりで、いったんマイクは主催者側に戻され、お、今度は何が起こるのか???と思ったら、イヴェッチの背景部分におもむろにカーテンが下がってきました。(手動ですけどね)
カーテンには「TAM」の文字。
TAMとは、いまやブラジルナンバーワンに成長した航空会社。国内線の充実ぶりはピカイチで、国際線も飛ばしてます。


同時に、TAMの広報担当者だという女性がイヴェッチの隣に座り、広報トークを始めました。
今年1月〜来年3月にかけて、TAMがイヴェッチのスポンサーになる、という一大発表なのでした。
これだけの長期、そして広報予算の規模も、ブラジル一だとか…。
機体にイヴェッチの顔をペイントするとか…。
非常に興味深いですねぇ。


さらに、TAMでは、今年9月4日にニューヨークのマジソン・スクエア・ガーデンで行われる、イヴェッチのDVD収録ライブ鑑賞ツアーを企画・販売するとのこと。すでに予約開始しているそうで、9月3日の金曜発、7日火曜(ブラジル独立記念日で祝日)の4泊5日のパックだそうです。で、気になるお値段は発表されませんでしたが。行きたいぞ。


そんなこんなで、話題満載の会見…
後半は、誰でも手を挙げて良さそうな雰囲気だったので、私も勇気を出して手を挙げましたよ!
でも… 多くの記者に埋もれて、当ててもらえないまま、会見終了。とほほ。残念。



私が言いたかったことは、これだけ。
「いまや日本にもイヴェッチのファンクラブが存在するほど、人気が高まっています。カルナヴァルに参加したくても、遠すぎて来られない日本のファンに一言メッセージをお願いします!」
この答えを、公式の場で語ってもらいたかったなぁ。もっとアピールすれば良かったなぁ。
…と、ちょっと後悔。


さて、私の本日の任務は、まだまだ終わっておりません。


そもそもイヴェッチの会見にたどりつけたのは、日本でブラジル音楽を語らせたら彼の右に出るものはいない!と断言できる、音楽ライターのWillie Wooperさん(こういう名前ですけどバリバリの日本人ですよ)の存在があったから。
最初にイヴェッチの事務所にコンタクトを取ったのは、ウィリーさんの著書

ムジカ・モデルナ

ムジカ・モデルナ

を、著者よりイヴェッチに進呈したい…というお願いメールを送ったのが始まりでした。
ウィリーさんは9月と12月にサルヴァドールを訪れていて、そのたびにイヴェッチと面会するチャンスを伺って、何度も何度も事務所にお願いメールをし続けていたのです。が、タイミングが合わず、全然会わせてはもらえなかったのでした。


いつかイヴェッチに会えたらぜひ渡して…と、私が著書やプレゼント品、それに日本のファンクラブTシャツを預かっていた次第です。
これは何としてもイヴェッチに接近せねば!サルヴァドールに住む者としてのメンツをかけてでも、絶対、手渡ししてやるぅ!!!と、日ごろからタイミングを伺っていたのであります。


そんな中に目にした記者会見の情報。これは!と思い、事務所に参加希望メールを出したところ、無事、OKをもらえたというわけです。


会見終了後、イヴェッチは、別室に移動し、なぜかテレビカメラだけが取材を許可されるという不思議な状態になっておりました。なんでテレビカメラだけ?かなり不思議なんですけど…
本の雑誌記者という名目の私は、そこには入れてもらえません。とほほ。
でも、日本のファンクラブから頼まれている品物があるから、どーしても手渡しして写真を撮って日本に送らんとならんのですわ…と事務所の担当者にほとんど泣きついて頼み込む。
すると「私が預かってイヴェッチに渡しておきますから」と来た。
でもイヴェッチはここにいるのに!手渡ししたいんです!!と、私も引き下がらない。このあたり、ブラジルに来てから非常に鍛えられましたからね、って言うか厚かましくなったともう言う(笑)



すると、まぁ仕方ないわね、イヴェッチがここを通る時に声かけてみなさい、もし受け取ってもらえなかったら私の方から渡すから、と一応容認してもらう。
要するに「出待ち」状態。
ファンじゃないのに出待ちなんて…。とほほ…。
でも、私のほかに2人(レシフェの記者と、ポルトアレグリの記者)が同じようにイヴェッチに渡すものがあるらしく、一緒に待っていました。


しばらく待って、ついに目の前にイヴェッチが!
「すみませーん、イヴェッチ、お願いしまーす」と思いっきり日本語で声をかけてまずは気を引く。とにかく時間がないのよ、前後を担当者に囲まれて、すぐそこにはエレベータの入口があるんだから。引き留めて本を渡して写真を撮らないとっ!!!


ひさびさに身が引き締まる瞬間。


優しいイヴェッチは私の呼びかけに足を止めてくれ、本を渡すと、キ・レガウ!と目を輝かせました。
とにかく時間がないので、続いてファンクラブTシャツ(イヴェッチイラスト入り)を渡し、写真を1枚お願いしますっ!とカメラの用意。


イヴェッチは、快く本を手に写真に収まってくれましたよ!

任務完了!!!



と、それだけじゃなく、イヴェッチは「ペライー(ちょっと待って)」と言って、お付きの人に本を渡し、今度はTシャツを手に写真に収まってくれましたよ。頼んでもないのにだよ!

さらに。
すいません日本のファンの皆様。
私、イヴェッチと、右ほほを合わせてしまいましたよ。いわゆるブラジルのあいさつのベイジョですよ!
これも、写真撮影後、いきなり彼女の方からしてくれたこと。決して私がほほを突き出していったわけではありませぬ(笑)



あぁ、なんてシンパチカ(親しみやすい、の意)なんでしょう…。イヴェッチ、いい人や…。



ここにウィリーさんがいなかったことが、悔やんでも悔やみきれませんが…
二人いたら、2ショット写真も撮れたのに…
(ちなみにポルトアレグリの記者も一人だったので、近くにいた会場整理のおねえちゃんに自分のカメラを渡して、イヴェッチとの写真を撮るよう頼んでいたのだが… どさくさにまぎれて消えてしまい、結局、その記者はカメラを失ったようだ。お気の毒に。)


でも、無事に手渡し出来ました。
「日本にはたくさんのファンがいます。日本に来る予定はないですか?」と、慌ただしい中にもひとつだけ質問しました。
そしたら、
「日本は好きよ、ぜひ行きたい」と答えてくれましたよ。リップサービスかも知れないけど、嬉しい一言をいただけて、感激です…



私とのやりとりのあと、イヴェッチはすぐにエレベータに乗り込み、ファンが待つ出口へと向かいました。
ファンの熱気のすごかったこと。
今日び、かなりの人がデジカメやカメラ付ケータイを持っているブラジル。一瞬でも、1枚でも撮ろうとみんな必死…。イヴェッチがバンに乗り込むまでの数メートルが勝負、と、すごいことになってました。


近くにいた男の子に「写真撮れた?」と聞いたら、サインもらっちゃったよ〜と手帳を見せてくれました。そ、そんな余裕がどこにあったんだ、イヴェッチよ?あのもみくちゃな中で、サインしてたなんて驚き。
どこまでもシンパチカなんだなぁ、彼女。



そんな喧騒を過ぎて。
わずか1分ほどの時間だったけど、ブラジルを代表するスーパースターに会えて、話が出来て、私だけの写真が撮れたってことは。よく考えたらすごいことをしたもんだと、帰り道になって、急にドキドキしてきちゃいました。
会見中は、いち記者としての自分がいて、緊張感を持ってたから、そんな風に感じることはなかったんだけど(むしろ久々の会見場の雰囲気が懐かしくて、嬉しくて)、会場を出たらファンの一人になっちゃったみたいで。



あ〜、イヴェッチのほっぺ、すべすべで気持ち良かったなぁ。なんて、じわじわと余韻に浸ってしまった帰り道でした。


さて、イヴェッチファンクラブ日本では、会員募集中です!
彼女のファンクラブ事務所に、正式に登録される団体です。人数が増えたら、みんなでイヴェッチTシャツ着て写真を撮って、イヴェッチに見せたいですね〜
ブラジル国外では、スペインやウルグアイ、アルゼンチンなどにはファンクラブが存在しますが、日本のは初めてです。ご興味がある方、ぜひご連絡ください。日本の隊長は、もちろん、Willieさんです。Willieさんのblogはこちらmixiこちらです。


昨日のイヴェッチ記者会見に関する新聞などの記事はこちら。


私も写ってる会見場の写真はここ
イヴェッチ公式サイトによるニュース記事はここ
地元の新聞A TARDEの記事
同じく地元紙 Correiosの記事。(TARDEより庶民層に読まれている。字が大きくて記事が短いので私向き)


最後に、あらためて、今日のきっかけを作って下さったWillieさんに心から感謝します。今日の私には、Willieさんの魂が乗り移っていましたね、間違いなく(笑)