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初!イヴェッチのブロッコ「Coruja」に参加


本当は、あの喧騒と暑さと感動の余韻にどっぷり浸りながらレポートを書きたかったんですが…なんせ、カルナヴァル最終日の火曜日、燃え尽きまして(笑)
ぼやぼやしてたらもう3月に入っちゃったんですが、写真を見ると今でもクッキリと思いだせるあの日のイヴェッチ。
今年、私の中では最大で最高のカルナヴァルイベントだったイヴェッチのブロッコについて、遅まきながら記録しておこうと思います。



さて前日は家族でカマロッチに入り、月曜夜→火曜早朝までフィーバーしていた私たち。
で、朝帰りで多少仮眠して、また出発ですよ。まるでカルナヴァル命!のブラジル人みたいな行動パターンです、ええ。


火曜日、カルナヴァルの最終日であります。この日はビッグネームが続々とカンポ・グランヂ会場に集結する日。
私たちが参加するIvete SangaloのブロッコCoruja(コルージャ:フクロウの意味)は、太陽さんさんと降りそそぐ…なんてそんな可愛い表現じゃ甘いよ!ってくらいの、ギンギンにまぶしくて暑い正午過ぎが集合時間。
去年、同じ会場で、同じような時間帯にCaludia Leitteのブロッコに参加したけど、その時は曇っててねぇ。むしろ雨が心配だったのよ。
今年はどこからどう見ても雨が降らなさそうな青空、バイーア晴れ!


そんな中、張り切って集合時間ちょうどにイヴェッチのトリオ付近に集まりましたよ。
これこれ、フロント部分がトラになっているのがイヴェッチのトリオ(トレーラー舞台)。こういう写真はお約束でしょう。
トラがどれだけ巨大かおわかりですね?

周囲には同じ服を来た参加者が続々と集まります。
場外(ロープで区切られた外側の一般エリア)にもすごい数のイヴェッチファンが!
こうやって手書きのメッセージボードを掲げ、イヴェッチに一目見てもらおうとみなさん必死…。
ちなみにこのおばさん、サルヴァドール在住で大のイベッチファン。「イヴェッチが行くところはどこへでも行くのよ」だそうです。

なるべく日陰日陰…と直射日光を避けつつイヴェッチの登場を待つ。トレーラーの脇にぴったりくっついてると日陰になるので助かるわ。
このトレーラーがご自慢の「Demolidor(デモリドール)」。総アルミボディの軽量さがポイントで、ディーゼル燃料の使用量も少なめなんだそう。軽いから道路に与える負担も少なく、エコなんだそうですよ〜。
(というのは先日の記者会見http://d.hatena.ne.jp/calorina/20100204#p1で聞いた話、それが現実に目の前にあると思うと感動もひとしおよ)
そしてこのボディ、装飾が緑の森をイメージしてるんだけど、グリーンの素材がもこもこと綿入りで。触れていて気持ちいいトレーラーなんて初めてよ。


さて賑やかになってきたと思ったら、ついにトリオの真上にイヴェッチ登場。


まさに真下から真上を見上げる格好…なのでこの角度。ごごごめんねイヴェッチ、スカートの中が見えまくりよ、ってピタピタミニなのでほとんどパンツは見えませんが。



今日の動物衣装は「Borboleta Azul(ボルボレッタ・アズウ:青い蝶)」。さきほどのおばさんが掲げていた看板に書かれていた「イヴェッチはブラジル一美しい青蝶よ!」というのもまんざらでもないなぁ…。落ち着いた青と黒をあしらった蝶ルック、とてもきれいです。


そして、そろりそろりとトレーラーが動き出します。
私はトレーラー脇をキープしつつ、真上を見上げつつ、前進。
どんどん周りに人が増えていって大変だけど、頑張って前進あるのみ!!


このコースは、海沿いのバッハ・オンジーナに比べて道路幅が狭いので、とにかくきついのよね。特に出発直後の前半部分がね、結構しんどいの。
しかも太陽ギラギラだし。
でも、大好きなイヴェッチと一緒だもの、そんなの全然平気。イヴェッチこそ、さえぎるものの何もないトリオの上で、ギラギラの陽を浴びて輝いている。
私たちも頑張るわよー。


きつきつだけど、それでも踊れるスペース(=そこまでぎゅうぎゅうじゃない部分)を探して、それなりに快適に進みます。



しばらく行くと、コース右側にテレビ・ラジオ各社の中継スポットがあり、どのブロッコもそこでしばし停止して歌います。リアルタイムでお茶の間でテレビを見ているファンのために、歌手はいろんなサービスをここで繰り出します。
イヴェッチの場合は、特別ゲストを何人も招いて盛りあがりました。

まずはBanda Evaのボーカル、サウロ!
もちろんこの日、自分のバンドも参加するんだけど、その前に仲良しのイヴェッチを盛り上げるために駆けつけてくれました。二人でバンダ・エヴァ時代のヒット曲を歌ってくれましたよ。


そして毎年おなじみのカルリーニョス・ブラウンも。


さらに今年は、イヴェッチのツイッター上で募集があった歌唱コンテンストの優勝者(マセイオ出身の女性)もトリオに上り、堂々と歌を披露していましたよ。きゃしゃな可愛い金髪娘さんでした。
彼女は最後までトリオにいて、出たり入ったりを繰り返してました。



Band Foliaから表彰されるシーンも…。
今年のカルナヴァルのベストソングに選ばれたようで。そしてバンダ・エヴァはベストバンドに選ばれたようで、サウロとともに受賞し、二人で大喜びです。

さてこのマスコミエリアを過ぎると、あとはもうどんどん進み、踊るのみ。
このコースは海辺ルートと違い、一般客がお金を払って見学する桟敷席(カマロッチ)が少ないことが特徴。もともと立っているマンションや商業ビルの窓から、そこの住民(とその友人知人?)が顔を出して見物するというスタイル。
だから割と淡々と(いや、大音量でノリノリで進むから、事実上は淡々ではないけどさ)、パレードは進んで行くのであります。



そんな中で突然のサプライズ!
なんと、イヴェッチがトリオの上から降りてきた!!!

たまたまイヴェッチが下りた側にいた私たち、そりゃもう狂喜乱舞して、客席とのやりとりをしっかり見届けましたよ。
ここで歌ったのは、今年のカルナヴァルソングは実はNa Base do Beijoじゃなくてこっちかも?と言えそうなくらい何度も歌われていたLobo Mau(ロボ・マウ)。これは、赤ずきんちゃんに出てくる悪いオオカミを歌った歌なのね。
オリジナルはHarmonia do Sambaだ、と言ってたブラジル人がいたけど、本当はO Báckというバンドの曲?(歌詞はこちら
とにかくお客さんにも大人気のこの曲。イヴェッチもかなり気に入ってるみたいで、そりゃもう何度も何度も歌ってたわ。この日一日で軽く5回は歌ってた気がする…



この曲を歌い始める前に、イヴェッチが小芝居をしかけてくるんだけど、みんなもそれが大好き。
イヴェッチ:Quem São vocês?(ケン・サォン・ヴォセス?おまえたちはだれだー?)
観客:Chapeuzinho vermelho---!(シャペウジーニョ・ヴェルメーリョ!赤ずきんちゃんです)
イヴェッチ:Chapeuzinho vermeilho.Bom.(赤ずきんちゃん。よし。)
Se vocês são chapeuzinho vermelho...(おまえたちが赤ずきんちゃんなら…)


ここから歌に入るの。
♪Eu sou o lobo mau, hau hau...(私は悪いオオカミだぞ、アウアウ!)
♪Vou te comer,vou te comer,vou te comer...(おまえを食べちゃうぞ、食べちゃうぞ…)


と、まぁ、こんなセリフのやりとりが毎回あるわけです。
観客の中には、赤ずきん風の赤マントを身に付けた人も数多く…。男性でも赤ずきんちゃんですから笑っちゃいます。(写真右端の人)

この1曲だけ、観客の近くに下りて歌ってくれました。そして客席からオオカミ帽をかぶった男性3人が参加。うんうん、こういう姿の参加者も結構いたなぁ。暑いだろうよ。

さて、パレードはひたすら続きます。
途中、ビルにでかでかとRevolationのパランゴレー写真が貼られたところを通ったり…

歴史地区への入口にあたるCastro Alves広場は、もう、ものすごい数の人でごった返してました。無料で見物する人たちのこのエネルギーが本当にすごいのよ。
ここでしばらく止まって歌います。


その間、私たちはパレードを抜け、仮設トイレエリアに向かいます。ちょうどここでの停止タイムがトイレタイムにぴったりなんだよね。去年、学習した。
そこにいた可愛い少女二人組と記念撮影。


それにしてもイヴェッチはすごい。これだけの観衆を魅了して、ぐぐっと引きつけてるんだもの。
そして休むことなく約5時間、トリオの上で歌い続けるんだもの。なんて体力なんだ、イヴェッチ母さんよ。私、同い年なんですけどね、このパワーの足元にも及ばないわ…。


ところで後半は日が沈みかけて、ビルによる日陰も結構出来て、参加者的には非常に快適に進めました。真昼間のパレードではあるけれど、居場所さえ選べば、案外日陰もあるものです。炎天下で5時間というわけではないからご安心くださいませ。
そして、そこかしこに水売り、ビール売り、カクテル売りがいますから、適宜、うまく水分補給をして。なんなら頭からペットボトルの水をかけて涼んでも。
しかし飲みすぎは注意。だってトイレにいきたくなるから。


私、今回初めて目撃しましたよ、群衆の中で放尿するオトコノヒトを。二人も!!!!!
いや〜噂には聞いてたけど、ほ、ほんとにいるのね…。
一人はビールの空き缶に、もう一人はペットボトルの中にしようとしてた。っていうか、頼むからこぼさないでおくれよ私のスニーカーの上にっ!って、ほんと、ひやひやした…
これだからカルナヴァルはもうなんでもアリの世界なのよね…。日本じゃ絶対ありえない光景を軽〜く拝めますからねぇ。ほんと、野生の王国。


さて、ついにゴール地点に到着したころには、すっかり日は落ちて夕暮れのセンチメンタルな時間(6時過ぎ)になってましてね。
最後、Muito obrigada Axéという名曲、アルバムPode Entrarでマリア・ベターニアと共演したあの曲を情感たっぷりに歌い上げてフィニッシュしたイヴェッチ。
まずその選曲にグッと来てしまった私ですが、この後に続いたイヴェッチのしめのトークには、完全に泣かされました。


今日はみなさんありがとう…みたいに最後のコメントを述べるわけですが、イヴェッチがね、もう、涙声になってるの。
カルナヴァルの最終日、最後のステージを終えて、感極まっちゃったみたいでね。
わかる、わかるなぁ、今の気持ち。私は単に同い年で、イヴェッチ同様、出産経験があるってことしか共通点はないけれど。なんか、気持ちが伝わって来ちゃってね。


彼女が言っていたのは、
「去年の10月に出産し、母になり、いろんな環境が変わった上での初めての今年のカルナヴァル…」
そう、そこんとこすごくわかるよ。
出産ってね、簡単に言うけど、実は母親になった女性の体・精神面ってすごくすごく変化するものなの。いくらアマゾネス級にパワフルなイヴェッチ姐さんであっても、5日間、連日5時間というステージを、産後の体で本当にやり遂げることが出来るんだろうかワタシ…っていう不安は、絶対どこかにあったに違いない、と思うし。
だからこそ素晴らしいフィニッシュを迎えられて、本当に本当に嬉しかっただろうし。
なんだかんだいって、家に残してきた愛息子のことは、ショーの最中でも頭をよぎるだろうし。
なんかね、涙が止まらなかった。イヴェッチだけじゃなく、私も。
いやもう。感動をありがとうイヴェッチ姐さん!本当に今日は最高の一日でした。


もうここまで来たら、せっかくだからイヴェッチが出てくるまで「出待ち」しちゃおうか、とも思ったんだけど、周辺の雰囲気がだんだん悪くなってきた…。
ロープ内はお金を払っている参加者・ロープ外は無料の見物人、っていうカテゴリ分けは、もうこの時点では存在しておらず。つまり、いかにも悪さをしそうな悪ガキたちがその辺にうようよいるのが感じられたわけ。
こりゃせっかく撮った写真入りデジカメをやられちゃ元も子もないぜ、と思っていそいそとその場を去ろうとしたら…


うぎゃ、やられてしまいました。
ダンナのキャップ、そしてキャップの上に乗せておいたサングラスが、一瞬のうちに何者かに奪われてしまっておりましたー。
こんなことはもちろん想定内、なのでキャップもサングラスも500円の安物だったからまぁまだ良かったんだけど。
ポケットにも手が突っ込まれて来たけど、すいませんね、そっちには小銭すら入ってないのよ〜


と、アフターカルナヴァルには十分ご注意ください、皆さま。



頑張ってダンナが撮影したイヴェッチ写真が無事で本当に何より。ちなみに今回持参したデジカメは、私のソトメシ用愛機、フジのFinePix F31fd。もうずいぶん古くなって、ソトメシ以外で活躍する場面はほとんどなくなり、完全なサブマシンと化していたけど、今回はずいぶん頑張ってくれましたね。
ズームはあまり効かないけど、こうやってブログにアップしてみると、なかなかキレイじゃないですか。
(初日のチンバラーダブロッコの時、あまりに撮影しにくかったので、今回はオリンパスはやめてこっちにして正解だったわ)



いやホント、イヴェッチのブロッコは最高でした。参加費がメチャクチャ高いけど、本当のファンなら、元は絶対取れますね。
今まで参加したどのブロッコより、比べ物にならないくらい良かった。楽しかった。全然疲れを感じないままゴールできた!



ではここで、来年参加してみようかな〜と思っている方にブロッコ・カマロッチ選びのツボを少々。

≪ブロッコかカマロッチか迷う〜という方へ≫
★とにかく馬鹿騒ぎしてみたい!ノリノリブラジル人と一緒に自分も馬鹿になってみたい!という人には迷わずブロッコをおすすめします。体力は必要だけどね、楽しいです。
★具体的なブロッコなら火曜日のイヴェッチがナンバーワン。イヴェッチ以外でも、最終日・火曜日のカンポ・グランジコースを行くブロッコは大物ぞろいなので、どれもおすすめ。
★海沿い、中心街、どっちのルートがおすすめかと言われれば、断然カンポ・グランジがおすすめ。海沿いのバッハ・オンジーナは距離があるうえ、桟敷席ごとに停止する時間が加算されるので、とにかくロングランなマラソン感覚を覚悟すべし。


≪カマロッチ選びで困ってる〜という方へ≫
★もし好きなアーティストが決まってるなら、それらのアーティストのおひざ元カマロッチを迷わず選ぼう。
イヴェッチ=Cerveja & Cia、ダニエラ・メルクリ=Camarote Contigo!,Camarote Daniela Mercury、ジャミウ=Skol、シクレッチ・コン・バナナ=Camarote Nana などなど。
★ビール代を気にせず楽しみたいなら、オール・インクルーシブスタイルを選ぼう。結構高いけどね、飲み放題です。
★子連れなら、Camarote Othonか、Via Foliaなら保護者同伴で入場OK。
★夜遅いのが苦手なら、スタート地点に近いカマロッチを選ぼう。


カルナヴァルについてのご相談があれば、個人的にいつでもご連絡下さい。3回の参加で、だいぶ、かなり、詳しくなった、つもりです。