イヴェッチの無料コンサートに10万人!
なんとなくしばらくブログを書けないでいました。
と、気づいたらあのイベントからもう1週間!
3月27日の日曜日の夜、メルカド・モデーロの隣、エレバドール・ラセルダのふもとで、Ivete Sangaloの無料コンサートが行われたのです。
そのニュースを知ったのは、当日の5日ほど前。クルーズのおじさまたちをお迎えにCidade Baixaをタクシーで通った時。ちょうど、舞台を建設中だったんです。で、タクシーの運転手さんが教えてくれたの。イヴェッチがここで日曜日に無料ライブをやるんだよ、って。
言われてみればあちこちに看板が立ってたり、新聞広告にもなってたりしたんだけど、あの時あそこを通らなかったら気付かなかったかも〜
さて、イヴェッチと言えば、ブラジル人として初めてアメリカのマジソン・スクエア・ガーデンでコンサートを決行したほどの、現代ブラジル音楽シーンを代表する偉大な女性歌手ですよ。
日本で言えば…今は誰に相当するんだろう…
昔だったら松田聖子みたいな?!
そんな彼女はサルヴァドールに自宅を持ち、地元愛がとても強い。
このたび、サルヴァドールの誕生日(いわゆる市制施行日っていうのかな?3月29日なんだけども。今年で462歳)を記念して、無料コンサートを実施することに決めたのだという。
松田聖子の無料コンサートですよ?!
無料ですよ?!
普段はコンサートチケット代が安くても4〜5千円、上は数万円までするようなイヴェッチが、無料でライブですよ?!
誰が想像したって、ものすごい混雑になることは目に見えてますね…
無料だもん。誰でも行けるんだもん。
普通、行くよね?!
で、私たちはイヴェッチファンクラブの日本支部メンバーの一員でもあるほどイヴェッチファンですが、それでも、行くのにはちょっと躊躇しましたよ。
だって、無料だもん。
イコール、大混雑の大混乱。泥棒天国。危険極まりない。
ハッキリ言って、カルナヴァルに行くより、怖いよ〜〜〜
なので、ま、行くことは行くけれども、あまりに怖い状況ならば、早々に引き揚げようと決めていた。もしくは、かなり遠くから、最低限、音だけ聞く程度でもいいから行ってみようということにした。
カルナヴァル時以上の軽装でね。もちろん、いいカメラは持たないで。半分壊れかけたような、古いデジカメを持って。
あ、それでも、日本語による応援旗だけは忘れずに持参。前日に見たファンサイトで、「応援グッズがある人は、ぜひ持参してね」と書かれていたのを読んだから…
そして、開始1時間前を目指して、バスで移動。このバスが拍子抜けするくらいにすいていて、あれぇ?ほんとに今日イヴェッチあるの?って感じ…。
道路もガラガラで、なぁんだ、イヴェッチもその程度かね?となかばガッカリしたんだけど。
いやいや。
そんなわけないじゃない。
会場のステージ前には、すでにびっしりと群衆が!
あとでテレビで見て知ったんだけど、午後5時開演のショウなのに、朝からいい場所を陣取ってた人もかなりいるんですって。
しかも、リオやサンパウロ、ミナスなどなど、遠くの州からもずいぶんファンが訪れていたようで。そういう人たちが、特に、頑張っていたようです。
テレビのインタビューで、「ニューヨークまでは行けないけど、サルバドールなら行ける!と思って駆けつけました」と答えている人がいましたよ。確かに。ニューヨークのステージがここに再現されるんですもん、ねぇ。駆けつけますよねぇ。
開演1時間前なんぞに着いた私たちは、ステージからはるか遠い場所で、背伸びして垣間見るしか…。ううう。
そして待つこと約1時間。
1時間ですよ!
あの人ごみの中で1時間待つということ。かなり、体力いります。ええ。
いわんや、朝から最前列で場所取りしている人をや。
開始までに、かなり体力消耗したことだろうよ…。
それでも、バックステージの照明がいよいよきらびやかに輝きだし、1曲目「アセレラ・エー」のイントロが流れ始めると、ぐわっとどよめき立つ観衆たち。
一気にテンションアップです!
遠いけど、なんとか見える。
イヴェッチの姿は豆粒だけど、バックステージの美しさはハッキリ見える。
何より、歌声がバッチリ聞こえる。会場との一体感は十分に感じられる。
やっぱり来て良かった〜〜〜
混雑ぶりはさすがに激しく、前後左右、あまり身動きが取れない感じ。まぁそれでも歌に合わせて多少体を揺らすことは出来る感じ。
十分、野外ライブを楽しめるレベルではあります。
来ている人たちの客層はと言うと、やはり庶民層が多いかな。実は保護されたエリア(カマロッチ)もあって、関係者やお金持ちのコネもちの人たちは、そっちで見ていたみたいです。
カマロッチがあるなんて知らなかったよ〜。
庶民層と言っても、見るからに貧しそうとかいう感じでは全くなく、女の子はきれいにおしゃれして、お化粧して、ハレの日の装いで。その彼女を守るような形で、男の子もりりしく。
肩車に幼い子供たちを乗せて見ているお父さんも結構いたり。
驚くことに、激混みライブハウス(具体的にはMuseu do Ritmo)だとか、大混雑のパゴージイベント(具体的にはWet'n Wildで行われたMuquifestとか)の時に感じたような「危険な香り」を、ほとんど今回は感じなかったのよね。
何て言うんだろう。
会場にいるみんなが、イヴェッチを楽しみ、イヴェッチを尊敬し、純粋にライブを楽しんでいる。
なんか、そんな雰囲気が漂っていたのよ。
このくらいの大混雑イベントになると、たいてい、大柄な男3人組による「体当たりスリ」がやってくるものだけれど、そういうの、なかったなぁ…。
たまたま私の周りにいた人たちが、善良なイヴェッチファンばかりだったのかな?!
そんなわけで、危険度が高ければ途中退出…と思っていたけれど、全くそのような気持ちにはならず、しっかりと最後まで楽しんできましたよ。
途中、少しずつ人をかきわけて、ステージにすこーしだけ近づいて。さっきよりすこーしだけ、イヴェッチを近くに見ることが出来ました。
セウ・ジョルジが応援に駆け付けて共演したり、
アルゼンチン人の男性シンガーとのデュエットではスペイン語を披露したり。
なんと、イヴェッチ本人がピアノの前に座り、弾き語りをしたのには驚いたなぁ…。
実は、マジソン・スクエア・ガーデンでのライブDVDを、まだじっくり見ていないので(さらっと数回流した程度)、どの程度、そのステージが再現されていたのかは語れないのだけれど、曲はかなりかぶっていました。
(CDの方は車の中で毎日聞いているからね♪)
Multishow Ao Vivo: No Madison Square Garden: Live
- アーティスト: Ivete Sangalo
- 出版社/メーカー: Universal Brazil
- 発売日: 2010/12/21
- メディア: CD
- クリック: 1回
- この商品を含むブログ (1件) を見る
それにしても、あのステージのゴージャスぶりは、素晴らしかったなぁ。
衣装も何度も着替えて。
どれもキラキラしていた。
訪れた人の数は、なんと10万人にのぼるそう。
10万人と言えば、埼玉スタジアムの収容人数63000人をはるかに上回る人数です。
ほんとにそんなにいたのかな?
っていうか、どうやって数えたのかな?
出入り口はノーチェックだったんですけどね…
これだけの人を、無料ライブという形で楽しませてくれたイヴェッチは、やっぱり現代ブラジルにおける最高の歌手と言えましょう。
ライブ実現にあたっては、
イヴェッチ本人がサルヴァドール市役所に行って、交渉したそうです。
驚くことに、これだけのステージを実現させた費用のすべてをイヴェッチが自腹でまかなったんですって。
私は、市からの助成金が、少なからず出ているものと思っていた。
でも、自腹なんですって。
イヴェッチのインタビューを読んだら、
「私は今までもずっと、無料ライブをサルヴァドールでやりたいと思っていたけれど、資金面でまだ無理だった。今の私には出来る。だから今回実現出来ました」
「実現にあたり、たとえば市の条例を変えるとか、規則を変えるとか、そういう特別なことはしたくなかった。今の条例内で出来る範囲で、実現させたかった」
…などと語られていました。
市には、無料イベント実現にあたっての警備や、バスルートの変更などについての統制をお願いしたとか。
なんか、スケールが大きいなぁ、イヴェッチ。
一アーティストが、これだけのことを成し遂げるって、やっぱりすごいことだと思います。はい。
やっぱり好きです、イヴェッチ♪
ちなみに、用意した日本語の応援旗、一応出しましたが…はるか遠い場所からだったため、今回はイヴェッチには見えてないだろうなぁ。残念。
でも周りにいたブラジル人ファンたちにはアピールできましたよ。
相変わらず写真を撮られました(笑)
日本は各種イベントが中止になったり、はたまた、公共の公園での花見まで自粛するように公的なリーダーが発言するとか…
そんな中、同じ日本人の私が、イヴェッチのライブなんて不謹慎かしら?
実は、震災発生直後に真っ先に思ったのが、
「カルナヴァルが終わっていて良かった…」ということ。
あんな大災害の直後に、もしカルナヴァルがあったら、絶対に心から楽しむことは出来なかったと断言できます。
私たちがブラジルでカルナヴァルに行こうか行かまいが、被災地の方々の状況が変わるわけでも何でもないのだけれど。
私たちの心情として、やっぱり、カルナヴァルを楽しむのは無理だった。
でも、震災から時が経ち、3週間経ってのイヴェッチライブ。
この時も、もし自分の気持ちがイマイチ乗らなければ、行かないだろうと思っていました。
で、実際、行く前は、あまりノリノリってほどではありませんでした。
やっぱり心のどこかに、震災の映像がひっかかっていたのかな。
だけど、行ってみたら、ノリノリになれました。
楽しかった。
むしろ、行って良かったし、なんか久々に気分がパーッとなった。
イヴェッチからエネルギーをもらった感じで。
だから私は、自粛ムードにはすごく反対です。
自粛自粛と言っている人も、一度、パーッとなってみたら、きっと明日からのエネルギーを充電できると思うんですよね。
もちろん、自らをがんばって奮い立たせないと、イベントには参加できないわ、という人もいると思う。
震災直後の私の気持ちのように、今イベントに参加しても、心から楽しめないに違いないから、行きたくない、と。
それはそれで、人それぞれの感覚なので、いいと思います。
けど、気持ちを切り替えて、自分にエネルギーを充電することはとても大切なので、その気持ちがある人は、自粛しないで、いろいろ楽しめばいいと思います。
イベントの自粛には、仮設トイレ不足とか、警備員不足とかの側面もあるようだけれども、花見や飲み会なんかは、別に全然自粛するものじゃないよねぇ?!
…と、また、地球の裏側から勝手なこと綴って失礼いたしました。
イヴェッチライブの写真は、公式サイトからぜひご覧ください。うちのカメラによる写真は…(涙)
写りがイマイチなカメラは、むしろ、持参しない方が良し、の法則がいまここに誕生…
なお、イヴェッチは現在、同じくニューヨークの舞台を再現するショウを、ブラジル各地で展開中。全国ツアー真っ最中です。さすがに無料ではないけれど、ベロ・オリゾンチやサン・ベルナルド・ド・カンポ、クリチバなどにも行くようですから、お近くの方、ご興味があればぜひイヴェッチパワーを体験にお出かけください!
あ、5月後半には、ポルトガルのリスボンなどでもやるようですよ。ヨーロッパのイヴェッチファンの皆さん、要チェックです。