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バイーアで車の免許って…

ここ数日、サルバドールの交通局(DETRAN)と自動車学校を行ったり来たりしている。
自動車免許について調べたくなったからだ。
これがもう複雑怪奇で、もう大変。


結論から言うと、
・日本人で
・日本の免許を持っていて、有効期限もまだたっぷりあって
・ブラジルに住んでいて
・過去に日本の免許からブラジルの免許に書き換えた経験があり、現在はそれが有効期限切れになっている人(書き換え初回の有効期限は6か月だけなのよ)


の場合。


なななんと。
ブラジルの自動車学校に、ブラジル人と一緒に「一から」通って、普通に交通局で試験を受けて、合格しなければならない。
…のだそうです。


ちなみに自動車学校の費用は、学校によっても違うけど、だいたいどこも一括払いで650〜700レアル(約26000〜3万円)。
これって結構、大金よ。
いま、ブラジルの最低賃金が、確か約400レアルちょっと。それを超えているよ。


費用もそうだけど、学科受講にかかる時間も大変。
これも学校によって「3か月」だの「8日間」だの「10日間」だのとまちまちなのがさすがブラジルって感じだけれど…
何が楽しくてアナタ、自動車のしくみや交通マナーなど、20年近くも前にみっちり日本で勉強してきたことを今更やんなきゃいけないわけ???
何が楽しくてアナタ、ブラジル人教官を隣に乗せて、いまさら道路を実地訓練で運転しなきゃなんないわけ???


ま、私個人に限ったことで言えば、ブラジルに来てから全く運転していないので、道路の実地訓練はアリだけれど(ペーパードライバー研修ってことでね)。
今まで普通にブラジルで運転していた日本人が皆、いきなり一から教習所に通えって、そんな話アリ?!


…そんな話アリなのが、ここ、ブラジルなのであります…。


自分の覚え書きとして、この話にたどり着いた経緯を書いておきます。(長文:バイーア在住の人以外には参考にならないかも)


まず昨日、ふと思い立ってDETRAN(デトラン:交通局)に行って、いま持っている有効期限切れの最初の書き換え免許を更新するにはどうしたらいいか?と窓口でたずねた。
すると窓口の兄さんは、
「簡単簡単。身分証明書(外国人登録証、RNE)と、自国の免許証を交渉翻訳人が翻訳したものと、CPFと、住所を証明できる郵便物、それに手数料65レアル。それと医師の診断で120レアルかかるよ。それらを揃えて提出してくれたら、10営業日後に免許証が出来ます。」
と、すらすらすらっと説明してくれた。
ついでに、最近申請に来たらしい、とあるイタリア人男性の書類コピーを見せてくれた。ほら、こんな感じですよ、簡単でしょ…と。


ふーーーーん。
そんなわけないぞ。
日本人の免許書き換えが、去年の暮れあたりから急に難しくなったって、サンパウロでは話題騒然なんだぞ。
そう思って、一応、言ってみた。


「あの、日本人の免許書き換えについてのきまりが、最近変わったと聞いてますけど?私、日本人なんですけど、イタリア人と同じで大丈夫ですか?」と。


すると兄さんは、奥の方の窓口に鎮座していた見るからに重鎮のおばさま係員に確認。
重鎮おばさまいわく、
「ああ、日本とか中国とかスペインの免許はダメよ。ブラジルとの協定がないからね。自動車学校で一から勉強よ」。


出た〜。
やっぱりそうなのか。
そうだと思ったよ。兄さん、ぬか喜びさせないでよ!!!
さらに兄さん、ぬか喜びに拍車をかける。
「自動車学校代って高いですよね…」という私の質問に、
「いや〜そんなに高くないはずだよ。前は確か350レアルくらいだったから。」と答えた。
そっか、350レアル(約13500円)くらいだったら、一から勉強でもいいかな…と、ちょっと心が揺らぐ私。
とりあえず自動車学校はたくさんあるから、行ってみてごらん、と言われてその日は帰った。


で、翌日。さっそく近所の自動車学校へ。
聞くと、どこが350レアルじゃーーー!ほとんど倍額じゃないかーーー!!!
窓口のお姉さんに事情を話すと、
「その場合は、一から免許取得じゃなくて、免許更新者用のコースでいいんじゃないのかしら?それだったら2日間、一括払い95レアルよ」
と言う。


でも日本人の免許じゃだめなんですよ…ぶつぶつ…と愚痴るも、姉さんはよくわからない模様。


一応、セカンドオピニオンをってことで、別の自動車学校へも行ってみた。
そこはもうちょっとしっかりしていて、私の話を聞くや、すぐに交通局の担当者に電話して確認。
しかしその電話もあまり意味なし。
「そのお客さんに、直接交通局に来てもらうように言って。事情を直接説明するから。」というのが電話の内容だったから。
ここでブラジル人同士がちゃんとポル語で理解しあって、それから私に伝えてくれればいいのに。また交通局に行かなきゃなんないのかよっ!!!


やや憤慨しつつ、炎天下35度の中を交通局まで歩く。って言っても10分程度だけれども。


そしてまた昨日の窓口だよ。昨日の兄さんだよ。昨日の重鎮おばさんだよ。
さっき電話応対したのも、重鎮おばさんだったらしい。
「だーかーらー、昨日も言ったけどね、一から免許取得なの。更新者用のコースじゃダメなの。ほら、ここに国のリストがあるでしょ。ここに載っていない国の免許証は書き換えできないのっ!」とめんどくさそうに言う。
ふーーーー。理屈はわかるけど。
でも、腑に落ちない。


じゃあ、書き換え出来ない国のリストはいつ更新されたんです?
私、去年サンパウロで書き換えできましたけど???


「これはもうずっと前からの決まりなの!最近変更されたわけでも何でもないの!」
バイーアバイーアの決まりなの!サンパウロは知らないわよっ」
…ですって。


ま、結局、そういうことなんでしょうね。
州が違えば、外国みたいなもん。それがブラジル。
郷に行っては郷に従えで、やれというならやりますよ。一から教習所通い、やりますよ。


って、実際はやらないですけどね。
今回は、単に社会勉強としていろいろと調べてみたまでであって、実際は免許は取らないですよ。自家用車があるわけでもないし、なんたってブラジルの怖い道路事情・荒い運転手だらけの中で、しかもマニュアル車を運転するなんて、よっぽど頼まれでもしない限り嫌ですよ〜
でも本当は免許は持っていたほうがいいとは思うんだけどね。
タクシーの通らないような道で、運転しているダンナがいきなり発作で運転できなくなるとか。そんなことになったらどうするよ?
ま、そんな緊急事態がもし発生したら、免許ナシで運転しちゃうと思うけどね。幸い、運転の仕方は知ってるからね。(日本ではバリバリ運転してたし。)


この件で、じゃあ日本の外国人はどうするんだろう?
ブラジルの免許証を持っているブラジル人が日本に住むとき、やっぱり一から免許取得なわけ???
と思って、ネットで調べてみた。そしたら、たまたま岩見沢市のサイトにその話題が載っていて…
国際運転免許っていうのがあって、よくハワイとかアメリカとかに旅行に行く時にレンタカーするかも…なんて、旅行の直前に免許センターで作ってもらったけど、あれも使える国と使えない国があって。
ブラジルは「使えない国」に入るんだよなぁ。
岩見沢市のサイトにも、
「国際運転免許証と有効期限が切れていない自国の運転免許証を所有していれば、1年間に限り日本で運転できます。1年を超えるときは、日本の運転免許を取得しなければなりません。また、ブラジル、中国、ドイツ、メキシコからの運転免許証は、日本では効力を持ちません。(しかし、大使館か日本自動車連盟の翻訳した免許証とパスポートを持っていれば、ドイツの免許証で1年間日本で運転することができます。)」
と、ブラジルはやはり名指しで登場してました。


そして、日本の免許を取るケースについては、
「自国で取得した運転免許証を提示し、運転技能試験及び筆記試験に合格すれば、日本の運転免許を取得することができます。

さらに, 外国の行政庁発行の有効な免許証を有し、かつ取得後その国に通算して3ヵ月以上滞在していなければなりません。」
だそうで。
でも、すごいな〜と思ったのが次の点。
「筆記試験は、英語、中国語、韓国語、スペイン語ポルトガル語、ペルシヤ語で受けることができます。」


これはすごくうらやましいですな。やるじゃんニッポン。
だって、ブラジルの場合、試験はポルトガル語のみらしいですよ…。
思わず私、言っちゃったもん、窓口で。
「じゃあ、ポル語がわからない外国人はどうするんですか!ブラジルで運転しちゃいけないんですか!!」
そしたらおばちゃん、難しい顔して、黙っちゃったけど…。


さらにさらに、日本の場合、「運転免許試験場にこれらのものを持参すること」の欄に、
・日本語を上手に話せる人
という項目が堂々と存在するんですわ。
すごい。抜かりない…。


ちなみにサンパウロではこれまで、免許取得にまつわるさまざまな裏ワザがあると言われていて、そのやり方も一通りではなかったんだけれど。
ここバイーアにも、そういう裏ワザが存在するのでしょうか。
日本人率が少なすぎるので、そのへんのことを確認するにも、確認できないのがバイーアであります(涙)