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ウルバンバからオリャンタイタンボへ


何の予定も立てていなかったウルバンバでの一日。天気と相談しながら、出たとこ勝負で適当に過ごそうか…と話していた。一応、ホテルに入っているツアーデスクで、近郊のオプショナルツアーについて聞いたら、値段がものすごく高かったので(いや、夫婦二人ならまだ納得いくのだが、子ども二人分を料金プラスされるとね…そりゃもう大変な金額に)、そういうのはやめておこう、と。適当に自力で近辺を回ろう、ということにしていた。



昨夜はマチュピチュ疲れで、晩御飯も食べずに早寝してしまったため、朝はだいぶ早くに目が覚めた。まだ5時台。庭に出るとまだ薄暗い、けど、遠くの山を見ると光が差している!きれい!!



ちょうど日の出の時間だったみたい。気持ちがいいので、テラスから外へ出て、敷地内をぐるっと一周、散策してみた。


ウルバンバ川がすぐそばを流れていて、静かで、自然がいっぱいの宿。やっぱり素敵だ、ここは。



ホテルの朝食ビュッフェをゆっくりといただく。内容充実、味もバッチリの素晴らしい朝食だ。ここがペルーの山の中だなんて信じられなくなるね。



そして身支度をし、今日はオリャンタイタンボの遺跡を見に行くことにする。ホテルのコンシェルジュに行き方を聞いたら、ホテル前からモトタクシーに乗りバスターミナルに行き、そこからコレクティーボ(10人乗りくらいの乗り合いバン)で行けるという。その通りにやってみた。



モトタクシーは、ペルーの田舎町でよく見られる乗り物。屋根つきの三輪バイクみたいなもので、後部座席に頑張れば私たち家族4人がギリギリ座れるっていうサイズ。もちろんタクシーメーターなんてなくて、言い値で交渉の世界。まぁ、交渉って言ったって、このへんの移動ならだいたい1ソルで行ってくれるからすごい。1ソルって30円ですよ。安いよなぁ〜。



バスターミナルに着いたら、ちょうど、大声で「オリャンタ!オリャンタ!」と客寄せをしているオジサンがいた。すぐさま私も大声で「オリャンタ!クアトロ・ペルソーナス!」と叫び、すぐにバンに乗せてもらった。ぎゅうぎゅう詰めのバンは、通常座席に加え、板を渡したベンチがあって、おそらく18人くらいが乗っていたと思う。定員オーバーも甚だしい(笑)
これもびっくりするほど安い運賃だった。乗っているのは、学生さんらしき女の子、赤ちゃん連れのお母さん、土木作業に行くという雰囲気のオジサンなどなど…。観光客らしい人は、ゼロ!地元度100%のバンであったよ。一応、メーカーはトヨタ。頭に行先が一応書いてありますねぇ。

道路はそう悪くもなく、ものの30分ちょっとで目的地に到着した。着いたバスターミナルも庶民度満点で、風呂敷広げながら野菜を並べて売っているおばちゃんがいたり。でもここには観光客がいっぱいいる。大きな遺跡があるからね。



小さな町だけど、一応、インフォメーションセンターにて地図をもらってから歩き始めた。



場所を確認するために、広場のベンチに座って地図を見ていたら、大きな荷物を背負ったおばあちゃんが近づいてきた。何やら手工芸品を売りたいらしい。編み込みのミサンガだ。いろんな色があって確かに可愛い。ひとつくらい買おうかな〜と思って値段を聞いたらなんとっ!10ソルと来た。驚くべき高価なミサンガである。無理無理〜と断ったら、いきなり5ソルまで下げてきた。それでも高いよ。いらないいらない、と断ったら、2ソルになった。恐るべき値下げ率である。ちなみに後でわかったことだけど、相場はだいたい1〜2ソルである。時にはこれが10ソルで売れちゃうこともあるのかなぁ
。あるんだろうなぁ。



さてさて。遺跡は町のすぐそばにあって、とても便利。だけど、かなり大きな段々畑のある、堂々たる遺跡だ。そして、お値段も堂々たるものだった。1週間有効で複数遺跡を巡れるパスポート的なものを勧められて買ったんだけど、ランチ3回分くらいの高価なものだったなぁ…。でも遺跡の維持保全のために、資金集めは大事だよね。



さてさて、遺跡見学というものは、いつでも体力が必要だ。ここも、上る上る。石の階段を上る上る。太陽の近く、つまり高いところに重要な建造物があるのがインカ帝国の常。なので、とにかく、上へ上へと進むのだ…。


ここにも英語ガイドさんがいたけれど、我が家は完全フリーで気ままに歩いた。でも、本音を言うと、ガイドさんの説明を聞いてみたかったなぁと思う。マチュピチュと違って、この遺跡に関する日本語での資料はあまりないから。



ま、説明を聞かずとも、とにかくここは景色が素晴らしいので、もうそれだけで十分という気もするのだ。そもそも、文字を持たないインカの人々のことは、とにかく、想像するしかないと思うし。仮説もいろいろあるけど、実際のところはどうなんだろうね〜と、謎めいた世界に思いをはせながら、当時と変わらぬ山の風景を眺める。そんな楽しみ方でもいいんじゃないかな、遺跡めぐりは。なんて思ったりして。


道中、結構コワイ道も歩きますよ。みんなかがみこんで下を見ているのは、ここには手すりも何もなく、なのに下はもう崖だから!落ちたら大変なことに…。




それにしても、石の建築物は本当にスゴイのだ。こんな巨石の芸術を見せられたらもう、説明なんかなくたって、それだけで迫力十分。トラックもクレーンもない時代に、何トンもの石をどうやって切って、どうやって組み合わせたのか。ここなんて、巨石と巨石の間に、細長い石を組ませているんだよ。この技術、恐るべし!
(このワザは、マチュピチュの遺跡には見られないもの)




昔から続く水の流れには本当にロマンを感じるし。
しかし、進入禁止のロープが張ってあるにもかかわらず、その水で頭を洗うペルー人の学生たちって一体…
行動がブラジル人みたいなんですけど…。




そう、ここにはずいぶん多くの学生グループが来ていたなぁ。修学旅行生みたいな感じの。引率の先生が子連れだったり、思いっきり集団行動からはずれてずっと私たちにくっついて来て質問攻めする女の子たちがいたり。なんだかペルーの学校生活ってのも自由な感じなのね〜。

遺跡のふもとにはお土産物の市場があって、定番の毛糸の帽子やバッグなんかが売られていた。でも後から思えば、あそこで売っていたものは、リマにもクスコにもあったなぁ。この地域ならでは、というものは特になかったような気がするなぁ。



さて遺跡歩きでお腹がペコペコになったので、遺跡のすぐそばにある素朴な小さいペルー料理のレストランでランチ。ここもトリップアドバイザーの評価が良かったので入ったんだけど、うん、美味しかった。チリ人のオーナーが料理も作っているみたい。感じのいい人だったなぁ。名前はPuca Rumi(プカルミ)。アヒ・デ・ガリーニャ(黄色いトウガラシとチキンの煮込み)とか、ロモ・サルタード(牛肉とフライドポテトとカラーピーマンを炒めた、ほのかな醤油風味の料理)などなど、ペルーの伝統料理をいくつか食べました。


最後に腹ごなしも兼ねて、旧市街を散策。まぁ小さい町なので旧市街も何もないんだけれど、一応、インカ帝国の末えいの人々が今も住んでいる唯一の町がこのエリアなんだそうで。昔ながらの石壁の家と、生活用水を引くための水路が、今も当時のままに残っていて、そのまま使われているんだそうです。


確かに、味わい深い、古い小路… そこに住む子供たちは、立派な、日本の私立学校みたいな制服を着て学校に通っているのねぇ。なんか面白い!


そこかしこに可愛い犬たちがいて、もう、カメラを向けずにはいられません…。インカの時代から、犬は人間のパートナーだったんだね、きっと。




帰りはまた乗合バンで…と思ったけれど、実はもう一か所行ってみたいところがあったので、そこを経由してウルバンバまで帰ってくれるタクシーがないかなぁ…と探してみた。すると、いるいる。ウルバンバどころか、クスコまで載せていくよ〜と呼び込みしている運転手さんまでいる。聞くと、値段はそこそこするけれど、移動距離と時間を考えたらやっぱり安い。すごく安い。


私たちの条件をのんでくれるいい運転手さんがすぐに見つかったので、交渉成立!雨もパラついてきたので、いそいそと車に乗り込み、次の目的地「マラスの塩田」へ向かいます…。