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クスコからプーノへ、豪華列車アンデアン・エクスプローラーの旅

旅行もいよいよ折り返し地点です。
朝7時半集合、8時出発のクスコ発プーノ行きの、ペルーレイル社が誇る豪華鉄道のひとつ、Andean Explorer(アンデアン・エクスプローラー)に乗る日がやって来ました。



クスコからプーノへは、長距離バスで行くか、この豪華列車に乗るか、もしくはプライベートバンなどの個人ツアーを組むか。いずれも移動時間は8時間ほど、どれをとっても長丁場であります。



高地だし、8時間だし。これはやはり、多少高くとも列車の旅を選ぼう!と家族会議の末に決定。実際、お値段は張ります。だって、食事つきの豪華展望列車だもの。長距離バスの倍以上する。でもね、その価値はあったと私は思います。個人的に、この列車、かーなーり楽しめましたから。今回の旅の中で一、二を争うベストな思い出になったかも…。



さて、ホテルから駅まではタクシーで移動。街の中の、え、これが駅ですか?ってな場所にプーノ行きのワンチャック駅があります。マチュピチュ行きとは違う駅なので要注意。


ロビーに入ると、高貴そうな旅行者の方々(具体的には、欧米系のお金持ちそうな熟年カップルなどなど)がいっぱい…。素敵な金髪のおばあさまコンビもいて、うわ〜、我が家的にはちょっと場違いか??って気もしなくもない…。そしてロビーではいきなり、ペルー音楽の生演奏バンドが…。いきなり優雅だ…。


列車は定刻通りに出発。スバラシイ。


車内の座席については、ネット決済時に自分で選ぶことが出来ず、適当に割り振られていて、その通りだと家族4人バラバラだったの。でも、チェックインの時にお姉さんが気を利かせて4人席に代えてくれてラッキー♪


これにまつわるちょっとした混乱が車内では起きていて、特に一人旅の方々が、あちこち移動をお願いされておりました。ちょっと気の毒だったなぁ。オンラインで飛行機みたいに席が自由に選べるようにならないとダメだと思うなぁ。


列車がゆっくり走り出すと、街並みはクスコの郊外の庶民的な生活エリアに変わり… サルバドールの郊外あたりとあまり変わらないなぁ、などと感じたり。


そのうち車内ではドリンクの注文を取りに来て(これは有料)、素敵なカフェオレスタイルのドリンクを飲んでシャレてみた(笑)


こんな豪華列車は初めてなので、その空間にいるだけでなんだかワクワク。子供たちもその異空間さは伝わっているようで、周りの人々の高貴さも伝わっているようで。さっきロビーで見かけた金髪の素敵な、そしてやや気難しそうなおばあさまコンビが、こともあろうに私たちのすぐ後ろの席だし!
ほらほら、周りの皆さんに迷惑をかけないように。静かにお話しするんだよ!ケンカは絶対ダメだよ!



…と、こんな呼びかけも、普段なら右から左へスルーされるところだが、さすがにこの素敵環境では、自分たちの行動もかなりしっかりせねば!と思ったみたいで。二人とも(とりあえず)大声を出すことはなかった。ホッ。小競り合いはもちろんあったけども。



ほどなくして、車内アナウンスが入った。
「後方の展望デッキ前ロビーにて、アルパカ製品のファッションショーを行いますので皆さんどうぞお越しください」とのこと。
そうなのか、イベントごとは一般車両ではなく、デッキ前ロビーで行われるのね。いそいそとみんなで移動。



ここではその後、アンデス音楽の生演奏があったり、ペルーの代表的カクテルであるピスコサワーの作り方実演会があったり。長い列車の旅も飽きさせない、っていうのは本当でしたよ。


でも、それより何より、私が一番長い時間を過ごしたのは、最後部の展望車両。オープンエアになっていて、つまりは窓がないから、アンデスの絶景がダイレクトに楽しめるし、なんてったって写真を撮るのに最高!

だだっ広い草原にポツンと立っている農家の家とか…



汽車に向かって手を振る兄妹とか…


水鏡に移る美しいアンデスの山々とか…


リャマの群れと、リャマ追いのお年寄りとか…


もうね、とにかく、移りゆく風景のすべてが素晴らしいの。



途中、ラ・ラヤという、道中で最高峰の地点を通るのだけれども、ここは確かに一段と空気が薄かったなぁ…
でも言われるまでここが最高地点とは気付かなかったかも。
ここではお土産売りが観光客を待ち受けていて。誰もが素朴なキャラで。私も思わずここでお買い上げ…かねてより欲しかったアルパキータ(小さいアルパカちゃん♪)のお人形を!!


可愛すぎでしょ。


列車が走るルートは、ほとんどが人里離れた大平原なのだけど。
一か所だけ、街の中を通過します。
フリアカという、空港もあるそこそこ大きな町。中心部から離れた場所には次々にビル(といっても低層の、せいぜい4階建て程度)が建ち、発展著しい街という印象です。



ここのすごいところは…
線路の上で市場を開いている人がいること!


線路の両脇がそもそもガラクタ市場みたいな状態なんだけど(風連式に言うと、雑品屋の集まり)、驚くことには、線路上に古本を並べて売ってるの〜。
そりゃね、週に数回、一日1回の列車通過かも知れないけどさ、わざわざ線路上を選んで店開きする意味がどこにあるのか…
とことん謎のフリアカであります。


そんなフリアカの美容院の看板には、わがブラジルが誇るサッカー選手の星・ネイマールのモヒカン頭が…
すごいな。ペルーでもネイマールは人気なのか。
もちろん、看板を発見したのは、ほかならぬ、コイであります。


サッカーと言えば、街の中のなかなか立派な練習場で試合をしている少年たちがいましたよ。観客席には父兄の皆さんも。やはり南米はどこへ行ってもサッカーが盛んですなぁ。

大自然を眺めるのはもちろん楽しいけど、途中の小さい街を通過するときに、小学校やサッカー場を眺めるのはもっと楽しい!
人の営みが感じられる旅って、なんとも言えない良さがあるよね。



街(しかも、たいして大きくもない村)から離れた場所で、家族以外誰もいないような広大な土地に暮らす人々の姿…特に、走り行く列車を見ては遠くから手を振る姉妹の姿に、もう私はほとんど泣きそうになっていました。


その姉妹の姿に、自分の幼少時を重ねてしまってね…。
私の実家も人里はなれた田舎にあり、そりゃあペルーのこのあたりとは比べ物にならないけれども、公共交通機関がない、車にもまだ乗れない、自力ではどこにも行くことが出来ないという意味では、私の幼少時もここペルーも同じ。



私たち姉妹も、たまーにどこからかやってくるバスの音を聞いては走って家の外に飛び出し、バスに向かって手を振ったものだったなぁ。
自分の知らないどこかからやって来る人たちは、一体どんな風なんだろう…ってワクワク想像しながら。その頃の気持ちが、今の旅行好き・好奇心のカタマリな私を形作っているかも知れないな、なんて。


まさか日本から遠く離れたペルーの田舎で、自分のふるさとを思って涙が出そうになるとはなぁ。誰も信じられないだろうけれども(笑)
そして密かに、小さく見えるペルーの子供たちに、「みんなも大人になったら世界中を旅するようになるかも知れないよ。がんばれ〜」と心の中でエールを贈っていた… なんか、昔の自分にエールを贈ってるような気分でね。

そんなこんなで、私にとっては8時間の長旅もあっという間。
読書の一つもする暇なく、ブログ記事の一つも書く暇なく、とにかく周辺ウオッチングで淡々と時が過ぎて行ったのでした…。
本当にね、かーなーり、楽しかったなぁ。
バス旅では味わえない、地元民との交流気分が味わえましたよ。かなりオススメ!!!

プーノに着いた頃には雲が空を覆い始め、なんだか怪しい夕焼け空に…

駅についた途端、なんと土砂降りに!!ここに来てついに雨季、本番か???(って、昨日のクスコの夜にも言ってたけど・笑)
それにしても。明日からのチチカカ湖巡りはどうなることやら?という感じ。
でも、まあ、とりあえずホテルへとタクシーで向かいます…。



ホテルは中心街から少し離れた、一応、ランク的には上位にあるSonesta (ソネスタ)を予約。なんたって高地ですからね、何かあった時に最良のサービスが期待できるレベルの宿をとりましたよ。このあたり、ケチっちゃダメですよ。



部屋はチチカカ湖ビュー♪素晴らしい♪
ホテル自体もしっかりしてます。レストランもなかなか美味しいのです。


が、私はここに来て、初めて強めの頭痛に見舞われましてね…
これが高山病ですかね?
高級列車で振る舞われた非常に美味しいピスコサワーを調子にのって飲み干したのがいけなかったのでしょうかね?
とにかく、頭が痛くてたまらない〜。
ここに来て、初めてバファリンのお世話になりましたよ。
私の調べによりますと(笑)、頭痛にはとりあえずバファリンです。高山病対策の薬というより、対処療法でバファリン。それでいいんだそうです。



確かに、バファリン効果で少し楽になり、夜はよく眠れました。
ちなみに、私以外はみんな元気そのもの。強いなぁ!