(5)車でめぐるパタゴニア、絵葉書のような風景
乗馬の他にホテル側が用意しているアクティビティとしては、
・トレッキング(いわゆる山歩き。半日コースとか1日コースとか、インストラクターと一緒に行くもの)
・車でめぐるビューポイントツアー(やはり半日、一日コースあり)
の2点がある。
トレッキングはねぇ、さすがに無理でしょ。
夫婦ふたりなら間違いなく参加しますけどね、子連れだからね…。
ということで車で巡るツアーに2つ参加しました。
これはもうラクチン。バンに乗ってるだけで、ホテル専属の現地ガイドさんが英語であれこれ説明してくれ、途中にグアナコの群れがいたらそこで止まり、コンドルを見つけたらそこで止まり。
写真スポットではしばらく散策し、1日コースではサンドイッチのお弁当まで用意されている…というもの。
大名コースである。
半日コースでは、ラゴ・アズールに行った。
青い湖ごしに見えるラス・トーレス(3本塔)が見事…。
それにしてもこの青。すっごくきれい。カンクンのビーチ並みに綺麗なのよ。
湖なのに信じられない。
一日コースは「フル・パイネ」という名前。パイネのすべて見せます、ということで、距離にして70キロくらいありそうな国立公園内の道路を走り、途中に現れる湖や山々を見るのだ。
これも素晴らしい。
万年雪を冠する、堂々たる姿のパイネ・グランデ。標高は4000メートルに満たないけれど、このあたりで一番高い山。
今まで見ていた3本塔は雪のないとがった岩山だったので、この白とグレーのコントラストの巨山はとても新鮮だったよ。
エメラルドグリーンが美しいペオエ湖。
公園内にはたくさんの湖があるけれど、どれもこれも色が違うのよ。氷河のとけた水を含む湖はきれいな青で、塩水湖は黒っぽくて。
なんだか不思議。
そしてフラミンゴは塩水湖にしかいないそう。
途中、大きな滝もある。サルト・グランデという。
高低差は14メートルくらいしかない、それほど大きい滝ではないけれど、いやいやどうして迫力ありまっせ〜。
滝越しの険しい山々も素敵。
3つの地層が隆起して山になったと言い、山の色が3色アイスみたいに段々に色が違っている…。おもしろいね。
お昼は、湖のほとりでピクニック気分で♪
チリのサンドイッチは大きな丸いパンにハムやチーズやチキンや牛肉が大胆に挟まっている。そこに、タッパーに入れて持参したレタスとトマトを挟み、塩をかけて食べる。
パンの大きさは、アレックスの顔面くらいのサイズである。ほんとにでっかい!
湖を渡る風は冷たくて、ややふるえながらのピクニックだったけれど、なんだか楽しい♪
っていうか、パイネ、やっぱり寒いです。
天気が良くても、風がね。厳しいんだよね。ウインドブレーカー、必携です。
1日コース最後の見学スポットは、グレイ湖と、その先にあるグレイ氷河まで行く観光船…
だったんだけど、観光船は定員いっぱいでこの日は乗れず。
いや、それ以前に、風が強すぎて波も大きすぎて、船が無事に氷河までたどり着けるかは微妙な天気だったので…仕方なかったかも。
ホステリア・ラゴ・グレイというホテルがあって、そこの展望コーナーから氷河を眺めた。ちょっと遠くにあるけど、結構な大きさなんだろう。
まぁやっぱりアルゼンチンの氷河には規模も迫力も負けるけどね。チリにしてみればご自慢の氷河ですから、ここは。
強風にあおられながら、しばし氷河を眺め、車に乗って一路、宿を目指した。
途中に広がる風景にまた圧倒されながら。来た道と同じはずなのに、空の表情が、太陽の高さが変わると、また風景が違って見えるから自然はおもしろい。
グアナコの群れも、もう見飽きるほどに現れる。
ふと、ガイド氏と運転手が群れを見て何やらつぶやいている。
「ほら、群れのみんなが同じ方向を見ているよ。しかも、耳をピンとそばだてて、集中してみている」
「あの視線の先にはきっとピューマがいる。ピューマがグアナコを狙っている。だから警戒しているんだよ、彼ら」
なぬー。ピューマ!!!
スポーツブランドのpumaのロゴの、あのプーマのマークのピューマですよ!
このあたりにはたくさんいるらしいが、夜行性なので、普段は旅行者が目にすることはほとんどないらしい。
でももしかしたら今、近くにいるのかも!
しばらく粘ってみたけど、さすがに現れず。残念。
でも、グアナコたちの様子は明らかにいつもと違ってた。誰ひとり、のんきに草を食べることはしなかった。
きっと、いたんだろうな、ピューマ…。