10歳おめでとう
先日テレビ局の取材でインタビューを受け、放映を楽しみにしていた長男コイですが、放送当日、彼のインタビュー部分が見事にカットされており、非常に落ち込んだ次第…(苦笑)
私は自分が取材する側だったので、その状況、痛いほどによーーーくわかりますから、まぁよくあることよ!放送時間の都合でカットは仕方ないんだから!と慰めました。
でも納得いかないよねぇ、グローボに出るんだ〜って友達にも触れ回ってたし、取材日にも周りのみんなに「楽しみだねぇ!」なんて思い切り言われていたからね。
ま、また次があるさ!!
(一応、その他大勢の中の一人としては映りましたがね…。しかもアレックスと私まで一瞬、背景に入り込んでた…)
と、そんな我が家の長男コイですが、3月11日に10歳の誕生日を迎えました。
そう、3月11日なの。
去年からこの日は、日本中のみんなにとって、特別な日になってしまってね。
なんとなく手放しで喜べない日になっちゃったんだけど。
コイ本人もね、「僕の誕生日は、たくさんの人が亡くなった日になっちゃったね」と、それはそれは悲しそうにつぶやくんだけど。
でも、コイの誕生日であることには違いないのでね。
誕生日はおめでたい日!
だからこれからも3月11日はお誕生日のお祝いするよ。
私が初めて母になった記念日でもあるのだから、ね。
さてブラジルでは豊かな家庭の子どもは、盛大な誕生日パーティを開くもの。
学年が上がるにつれ、パーティは減っていくけれど、それでも、10歳になった今でも、周りの友達のパーティがほぼ毎月のようにある。
貸切パーティ会場で、10万円以上かけて、まるで結婚式の二時会的な宴を催すのだ…。
今年は10歳記念だしね、思い切ってうちもついに初のパーティをやろうか?
と、本人に聞いたら、
「やりたくない」と一言。
そ、そうですか。やりたくないんですか。
聞くと、みんなに囲まれて歌を歌われたりするのは恥ずかしいし… 別に今までもやってないんだから、いいよ、だって。
エコノミーな息子で助かったわ(笑)
そんなわけで、今年も家族だけでお祝い。
コイが大好きなアウトバック・ステーキハウスで食事をして、誕生日の人だけに提供されるデザートをいただき。
ここで、希望者には、店内スタッフが集合してのバースデーソング大合唱が捧げられるのだが、コイはそれもお断りしていた。
そういうのが恥ずかしいお年頃なのね♪
帰宅してからは、私が焼いたケーキにロウソクを立てて、家族が歌うパラベンスに合わせて火をフーッ。
毎年続いているこの光景。
写真を撮ってみると、ケーキの向こうにいるコイと、その隣でうらやましそうに眺めるアレックスの顔が、やっぱり毎年少しずつ成長していて…
コイとの付き合いも、もう10年か…と、しみじみ。
10年目の私の気持ちを綴った手紙をコイに渡したらね、珍しく、コイは涙を流していた。
昔は泣き虫だったけど、最近はちょっとやそっとじゃ泣かなくなったコイがね。泣いちゃった。
「10年前、初めての赤ちゃんが生まれたときは、まさかブラジルでこの子と暮らすことになるとは思わなかったよ」
「ブラジルで頑張っているコイを、ママは誇りに思います」
と、このへんが涙を誘ったらしい。
引き続き、外付けHDに保存されている、2002年の3月11日の写真をみんなで眺めた。
新生児のコイ。
新米ママなりたての私。
わ、わかいぜ… 私もダンナも…
(あまりに若くて、アレックスに「このひとだれ?」って聞かれましたが… そ、そこまで違うかね???)
そして自分の赤ちゃん姿を改めて確認し、多くの人に抱かれ、可愛がられる自分の姿を確認して、コイもいろいろと思うところがあった模様。
そうだよ、みんなから大切に思われ、愛されているということ。
時々、こうやって思い出すことはとても大事。
ささやかだけど、大切な節目の10歳の誕生日でした。
これからの10年は、きっともっと激動で。
10年前のあの日、今のこの状態が全く想像できなかったように、10年後の私たちがどこで何をしているのか、今は想像できない。
けれど、どこにいても何をしていても、幸せな3月11日を迎えよう。ね。