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リマからクスコ、そしてウルバンバへ(兼:高山病対策)


サンパウロを朝早く出た飛行機は、時差も手伝って(ブラジル―ペルー間は、サマータイムの今、3時間の時差がある)、時計の上では約2時間半でリマに到着する。実際のフライト時間は5時間ちょっとなんだけれど、それにしても近いなぁ、と感じる。日本からグアムに行くくらいの感覚で、ペルーまで移動できちゃうんだものなぁ。



リマの空港ですぐにクスコ行きのタカ航空便に乗り換え。空港にはなんとスタバが入っていて、みんなで喜び勇んで一休み。すごいなぁ、リマの空港。ブラジル国内の空港でスタバなんて見たことないよ!



エンブラエル社(ブラジルの飛行機製造会社)製のタカ便は小さいけれど機内設備充実で大好き。エコノミーなのにシートは大きめ、そして良いことには、エコノミーなのにオンデマンドのテレビ画面が一人ひとつついているの。映画、音楽ともにそこそこのラインナップで、楽しめました(特に子供たちが大喜び。だってね、サンパウローリマ間には、一人一つの画面がないのよ。機材がA300だからね。距離が長いのに画面がなくて、国内線の短距離便に画面があるなんてー、と思う…)



わずか1時間半ほどで着いたクスコは青空!
良かった。だって、11月の今はもう雨季に突入している。ペルーのベストシーズンは乾季の6月〜8月頃だと、どのガイドブックを見ても書いてある。ということは今は雨の恐れあり、観光にはイマイチ…ということなのね。それはもちろん承知で訪れたんだけど、予想外にもきれいな青空に迎えられたのでとてもラッキー♪


ところでクスコはもうすでに「高地」であります。
標高3400メートル。富士山が3700メートルですからね、もうほとんど富士山の9合目くらいのところに、いきなり飛行機で降り立ってしまった状態。あ、リマは海の街ですから、ほとんど標高はゼロに近い。そして私たちが住むサルヴァドールも海の街、はい、ゼロですね…。



ゼロの街の人がいきなり3400メートル。途中、ゆるやかに高度を上げることなく、いきなり富士山9合目。これは想像しただけでも非常に心配ですね。


高山病のことは、今回の旅行における一番の心配ごとでした。事前にさまざまな体験談を友人たちから聞いていたので、どれだけ辛いか、そして、いかにして予防するべきかを十分理解しておりました。おかげさまで、旅行の全行程において、辛い高山病には家族のだれも悩まされることなく(予防薬ナシで!)、旅を満喫することが出来た次第です。辛い体験談を語ってくれた皆さん、本当にありがとう!皆さんのおかげです〜〜〜。



ということで、これからの方のために、我が家がとった高山病対策を。


・念のための「予防薬」を持参した:これは、DIAMOX(ダイアモックス、ポル語も同じ表記で、発音はヂアモッキス)という薬で、通常は緑内障の治療薬(眼圧をコントロールする)ものだそう。これを高地入りする数時間前に飲んでおけば、症状が出にくくなると言う話。ネットで調べればいくらでも情報が出てきます。副作用で指先がしびれるなどの症状があるらしいけど、高山病の激しい頭痛よりはマシだとか…。ちなみにブラジルの薬屋で処方箋ナシで簡単に手に入りました。確か、ひとビン13レアル程度、約600円。結局、一度も飲みませんでしたが。


・子供のための「高山病対策薬」をリマの空港で購入した:上記のダイアモックスは、子どもにはあまりふさわしくない…とリマの空港の薬局のおばさんが言うので、トローチタイプの別の薬を購入。症状が出てからなめると、症状が和らぐんだとか。SDカードサイズの四角いトローチで、一錠単位で売っていました。うちの子たちの年齢だと、一回に半分の服用でOKだと。念のため、数日分を購入。これは、コイが標高4300メートル時に頭痛が起こり、その時にだけ半分服用しました。味は甘くてなめやすいそう。あの薬嫌いのコイが味に耐えてましたから♪名前はCoramina(コラミナ)。


写真は、左からコラミナ、中央がダイアモックス、右が酔い止め薬のドラミン。ドラミンは、チチカカ湖で1時間以上船に揺られる人は必須でしょう。



・到着日にどのような行動が大切か、家族全員に理解させ、徹底させた:高山病対策は、高地到着の初日の行動がカギ!と何人もの人が言ってました。初日に、とにかくゆっくりのんびり過ごすこと。お年寄りのように遅く歩く。大声を出すなど、空気を無駄遣いするような行動をとらない。子どもが走り回るなどもってのほか。走り回ってお母さんを怒らせて、お母さんに大声を出させるなどもってのほか!…ということを、特に子供たちにうるさいほど指導。私たちだけでなく、飛行機に乗り合わせた外国人のおじさんおばさんも、同じようなことをうちの子たちに忠告してくれましたからね、彼らもさすがに言うこと聞きます。



・食事内容に気を付け、アルコールを控えること:脂っこいもの、胃にもたれそうなものは避けて。アルコールもダメ。あああ、大好きなビールとしばらくサヨナラ…。でも、高山病で頭痛くて観光が出来なくなるのは絶対に避けたいから、ここは頑張らないと!



・病は気から:上記、いろいろ考えて、頭の中は高山病のことでいっぱいなんだけど、それもあまり良くないと。高山病になる…と思ってたら実際になっちゃうもの。大丈夫大丈夫、気にしない気にしないの精神で行くがよし。そういう意味では、予防薬も「気休め」という意味で効果大かも…。



と、いろいろ事前にとれる対策はあるのですわ。高山病が怖くてペルーに行けるか!って感じで、毅然とした態度で挑みましょう(笑)なんて。



さて降り立ったクスコの空港。やはり、たしかに、これは… 空気の質が違う…。空気が薄いって、うん、こういうことなのだな…、というのが、もうターンテーブルでの荷物待ちの時に感じる。(それは私だけだったけど:私が一番気にしすぎ)
ゆっくりと荷物を取って、バックパックを背中に背負い(今回はスーツケースじゃないのよん)、カメの歩みでタクシー乗り場へ。事前交渉制、メーターなしのペルーのタクシー。ちょっと不安だけど、車と運転手さんの雰囲気が良さそうだったら、すぐ交渉。料金は驚くほどに安いけど、相場を知っておかないと、簡単にぼったくられるので注意は必要。

そして向かったのは昼食をとるためのレストラン。事前に調べて「ココ!」って決めていたんだ。飛行機が空港に着いたのが1時半、レストランには2時前に着いたんだけど、ほとんど店内満席でびっくり…。そして大半が日本人客。す・ご・い!

そう、ここは、歩き方にも載っているお店で、日本人経営のペルー料理店。土曜は日本食が出ることもある、という文言に釣られて入ったんだけど、もう、大正解。どの料理も絶品。

一番おいしかったのが、ニンニクのトマトスープ。Sopa de Ajo(ソパ・デ・アホ)。ぽてっとした陶器に入っているのがペルーらしい。アレックスもこれを気に入っちゃって(辛く見えて辛くないのよ)、がんがん飲んでました…。



アボカドのサラダと、写真奥に見えるのが、コイが頼んだスパゲティグラタン。この、なんの変哲もないメニューがまた、絶品なのだなぁ…。この手のスパゲティで美味しいと感じたことは南米に来てからほとんどないんだけど、ここのは美味しかった。もちろんコイも完食!(って、これ、どっちかというと脂っこくないか???)



ダンナは日本食メニューのちらし寿司セット。これも美味しかった〜。周りの日本人の多くがこれをオーダーしてました。私が食べたのは、チキンダイエットスープというもの。すごい名前だけど、確かにダイエットによさそうな、骨付きチキンとごろごろ野菜のコンソメスープで、薄味で大変美味。これにカレー味をつけたら、札幌のスープカレーだなぁという雰囲気の食べ物でした。お腹に優しい、いいメニューだったなぁ。

飲み物はペルーらしく、マテ茶とインカコーラ。この黄色があまりに人工的でコワいんだけど(笑)、まぁブラジルにおけるガラナのような感覚で、ペルー人に親しまれている炭酸飲料ということで。味はやっぱり人工的で、甘くて、まぁ南米の人ってこういう飲み物好きだよね〜といったところ。滞在中、リピートすることはあまりなかったなぁ、うちは。


さて、このお店から今夜の宿泊先のホテルまでは、ホテルのバンをお願いしておりました。ちょっとリッチに♪タクシー使えばバンの三分の一くらいの値段で実は移動できたんだけどね。初日だし、まだ交通事情がよくわからなかったし、泊まるホテルがホテルなので、ここはバーンと80ドル払ってホテルのバンで。



これがさすが高級ホテルのバン。家族4人貸切で、ゆったりとおよそ3時間のドライブです。そう、3時間もかかるの。結構なドライブなんです。ウルバンバという山間の町は、Vale Sagrado(バレ・サグラード)、日本語だと「インカの聖なる谷」と呼ばれる一帯にあって、大都市クスコとは全く表情が違う、田舎ののんびりした農村地帯なんですね。


途中、牛のいる野原でサッカーをしている少年たちを発見しては「あ、サッカーしてる!」と叫んだりしつつの移動です。のどかだわ〜。



私たちは車内で眠くなることもなく、子供らにいたっては車内でトランプし続けてるし!まぁのんびりと車窓を楽しみながら移動しました。途中、街を見下ろせる展望台があって、記念撮影。そこそこの街でしょ。気候が温暖で、野菜やフルーツもとれる、過ごしやすい街なんだそうですよ、ここUrbambaは。クスコより標高が低く、約2800メートル。600メートル下がっただけで、ずいぶん体は楽な気がします。この街は、クスコの人の保養地としても利用されていて、素敵なリゾートホテルがいくつもあるんですね。


谷に降りたらすぐに私たちのホテルがありました。もっと山奥の、周りに何もないようなところにあるのかと思ったら、結構街の中なのでビックリ。街の中と言うほどの街でもないんだけれども(笑)



ロビーの写真を見ていただけばわかるように、このホテル、とーっても美しく、高級感漂ってます。っていうか、高級です。今回の旅のお楽しみはマチュピチュでありチチカカ湖であるけれど、実はここに泊まること自体がとても楽しみでした。旅の目的の一つと言えます、はい。トリップアドバイザーで知ったんだけど、まさかペルーに、ウルバンバに、こんな素敵な宿があるとは夢にも思いませんでしたよ♪な・ん・と、トリップアドバイザートラベラーズ チョイス アワード 2011 受賞ホテル スパ&リラクゼーション 中南米部門で、堂々の第7位にランクインしているんですよ。(しかしベスト10以内にペルーのホテルが3件も入ってるってすごくないですか?ブラジルやアルゼンチン、チリからはゼロなのに、ですよ)




部屋はひろびろ、クローゼットルームまであって、洗面台も二つ横並びで、もちろんバスタブもついていて。部屋の目の前は迫りくる山々、そこにテラスがあって、朝は鳥の声で目覚める…みたいな。申し分のない山のリゾートです。最高!!!

本当はね、マチュピチュに一番近い、唯一遺跡エリア内にある有名な超高級ホテルにしようかとも思ったの。しかしそこがまた…目が飛び出るくらい高くてね。夫婦二人なら清水の舞台から飛び降りられるかもしれないけど、子連れで二部屋とかって、もう、ありえない金額に。そんな時に探していて見つかったのが今回の宿。もちろんここも5つ星レベルの素敵ホテルなので全然安くはないけれど、内容を考えると、コストパフォーマンスは最高にいいと思います。お金払う価値ありの、納得価格と思えるホテルでしたから。っていうか、今まで自分が泊まった世界各地のホテルを思い出してみても、新婚旅行のケアラニか、カンクン旅行の際のコズメルパレスか、ここか、ってくらい良かった。我が家のベストワンかも。ということで、結果的に、個人的な意見としては、その超高級マチュピチュホテルより、今回のホテル、Tambo del Inkaに泊まる方が、いろんな意味で良かったなぁ〜と思う次第です。その理由はまた翌日のレポートにて。