絶景の朝焼けに迎えられ
只今、2011年8月11日の6時5分。日本時間だと、夕方の6時5分。でももう私はブラジルの上空、アマゾンを少し下ったあたりにいるから、朝の6時5分だ。
日本を10日の夕方4時半に出たコンチネンタル機は、ニューアークを経由して、ついにブラジルまでやって来た。私のブラジル到着も近い。
あと少しで朝食サービスがあり(私の隣でコイがオムレツを早くも切望している→彼は時差ぼけ防止とか言って、あまり寝ていないみたい)、まもなくサンパウロに着陸することになる。
この時間に飛行機に乗っていることはとてもラッキーだ、といつも思う。まだ周りはほとんど寝ているけれど、そっと窓を開けてみると、空の色が恐ろしく美しいことになっている。
地平線?雲と空との間?それが何なのかよくわからないけど、まっすぐな線の下半分は黒で、上半分は、濃いオレンジから始まり徐々に色が薄まり、一瞬白くなって今度は薄いブルーが始まって次第に濃い藍色になるという、世にも見事なグラデーションが空一面に描かれている。
しかも刻々とその色合いが変わっていくから、ただ眺めているだけで飽きない。自然の織り成す色のうち、最も美しい色の一つだと私は思う。ブラジルに戻る便ではいつもこの色に出会える。長旅を締めくくるにふさわしい、素晴らしい天体ショウ。
さて今回の日本滞在では、やはりいつもどおりに慌しかったような、いや案外のんびりさせてもらっていたような。いろんなことがあって全くブログには書ききれていないのだけれど(何せ、家にいないとブログは書けない→そのへんは日本の公共wi-fi事情ってことで詳しく書きたいと思う)、帰り際に思うのは、ああ、もう早、現実の世界に戻るのだなぁということ。
楽しかった日本での日々は非日常であって、私の日常はブラジルなのだなぁ、ということ…。そう思うと、なんとなーく、心が切なくなるのは何故かしら。年を重ねるごとに、切なさが増すような。それはやはり、日本に置いていく両親たちが少しずつ年老いていくことも大きく関係するのかな。
私の切なさとは裏腹に、コイはサルバドールに戻るのが楽しみみたいだ。飛行機がブラジルに近づくにつれ、心もサルバドールに戻るのだろう。新学期が始まったばかりの学校に行き、仲良しの友達と会うのが楽しみみたい。
コイのアメスクは8月新学期で学年も8月に一つ上がる。クラス替えもある。親友のママからはfacebook経由で「また同じクラスだよ!」とメッセージが届いている。そのことも心がはやる要因の一つなんだろうな。
今もコイは私にいきなり話しかけてきた。「ヘナンね、今頃もう車に乗ってるね、いや、まだ少し早いかな」。
ヘナンとは親友の名。今は6時23分だから、まだ学校に行くには早いかな。
そうこうしているうちに、天体ショウは新たな展開を見せ始めた。8月11日の太陽が生まれ始めた。最初は線の少し上に小さく見えるひときわ濃いオレンジのかたまり。それがまたたくまに大きくなり、半円になり、もう肉眼では見えないまぶしさになってきた…。
生まれたての太陽はとても赤くてオレンジできれいだよ。でももうまぶしすぎるから窓は閉めなきゃ。まだ寝ている人がいるからね。
帰りの飛行機も順調で、すべてオンタイムだった。
心配なのは荷物のこと。今回は荷物運がすこぶる悪いからなぁ。
まず私のスーツケースのカギが壊され中身を検査され、スーツケースは再起不能となった。そしてダンナのリモワはブラジルを出た後にロストバゲージとなり(乗り継ぎ地ニューアークのターンテーブルから出てこなかった)、日本に着いて1日待った後に宅急便で実家に届けてもらうことになった。
それだけではなく、そのリモワも開けられ(TSAロック付だったので、スーツケース自体は無事だった、が、外部損傷3ミリとかで、修理業者に送る羽目になった:それは航空会社負担だけど)、なんとお土産に購入したコーヒーが切り裂かれ、粉がスーツケース中に飛び散っていた。チョコレートの箱も切り裂かれ、お土産としては使用不能な状態になっていた。なんてことをするのだアメリカよ!!!おかげで私のメリッサちゃんにもコーヒーが付着したではないか…(Mさんゴメン!コーヒー臭かったね、靴)
それにしても、なんで一目でコーヒーやチョコレートとわかるものをわざわざ切り開いて調べる必要があるのだ?まぁ、危険な粉関係は、たいがい、想像もつかないようなものに入れて持ち運ぶものだけれど(笑)タマネギの中とかって話もあったもんなぁ。
でもねぇ。やられた方はたまったもんじゃないよ。お土産のあてにしていたものが使えなくなるって、結構困るし。しかも、荷物はどれひとつアメリカ国内に留まるものではないのに。
ただ単にアメリカを通過するだけのことなのに、なんでこんなに厳しくチェックされなきゃいかんのよ。もう!!
そして昨日、成田のコンチネンタルカウンター(ビジネス用)でも大変だった。今回私はビジネスクラスということもあり、荷物作りにちょっと油断してたんだよね。多少のオーバーは大丈夫だろうとう、なんとなくの余裕があった。それが全然ダメだった(笑)。大きなスーツケース3点がことごとくNGで、2キロオーバーだの4キロオーバーだの、それはそれは厳密に指摘され、はい、カウンター前で店開きの始まり始まり〜。
…と、書いていても情けなくなるんだけど、毎回厳密に32キロを計って荷造りしていた私がどうして今回に限って計らなかったんだろう(涙)。体が32キロを覚えているはずだったのに、ことごとくそれを超えるって…私の体が強くなったってことか。32キロは持ち上がるギリギリの重さと記憶してたのに、32キロ超を持ち上げていたのか私は。
まぁ、重くなる要因はわかっていたので、荷物の詰め替えはなんとかなった。
重いものといえば書籍。本を減らしてかさばる大物と入れ替えて。敗因の一つはやはり、行きの便で壊されたスーツケース大が減ったこと。あれがあれば、もっとスムーズに荷造り出来たのになぁ。
新調するのも悔しいので、スーツケース一減でやったのがまずかった…。
そして今回はすべてのスーツケースにカギをかけることはやめた。もうスーツケースを失いたくないからね。
ダンボール箱も2点あるんだけど、これについてはカウンターで「万が一中身が破損しても文句は言いません」的な書類に署名させられた。そうなのか、ダンボールも破損する可能性があるのか。
もう何があってもおかしくないアメリカ経由。今後2度と利用するもんか!
ということで、ブラジルまで荷物が無事に着くかどうかが今回の旅の最終ポイントであります。
サンパウロで引き取って、税関をパスすればあとは大丈夫だと思うけどね。でももう一回、サルバドール行きに乗るのだからなぁ。その間、スーツケースが開いてしまいませんように…。