雨期のお客様
カルナヴァルが終わり、春分の日が過ぎ…
(ブラジルでは春分の日、3月21日を境に、夏から秋になります。)
どうやらサルヴァドール地方は、早くも雨期に突入したような気配がします。ああ、また今年も雨期。雨の被害の時期…。
このあたりの雨期はというと、日本の梅雨のように連日一日中じめじめしとしとと雨が降り続くというものではなく、たいがい、夜中〜未明にかけてものすごく強く激しい雨が降る。割とまとまった時間。
そのまま夜が明けても雨が降り続いていることもあるし、
やんではいるけれども、今にも大雨が来そうな厚く暗いグレーの雲が空を覆っている…ということもある。
そうかと思えば、「え、夜中に雨、降ったの?」と疑っちゃうような、真っ青の空が朝には広がっていることもある。
ま、いろいろなんだけど、とにかくこの時期は、一日に一回、突然の大雨が来るケースが多くなる。観光客泣かせのシーズンですな。
さて、そんな雨期のはじまりに、日本からお客様が3名いらっしゃった。
そのうちのお一人が、私のサイトをたまたま発見し、ずいぶん早くからメールで個人的に連絡を下さっていた。彼らの旅行は、リオを出発してアマゾン川流域を巡り、最後はカリブ海で締め!という、なんとも素敵なクルーズ船の旅。ブラジルは、サルヴァドールを皮切りに、レシフェやフォルタレーザなどの北東部沿岸都市にも滞在する。
私も乗ってみたいぞ!と心から思う内容のクルーズだ。
で、簡単なガイドをお願いされたので、船が入港する午前8時に港へお三方をお迎えに行った。日本人というだけで簡単に私を認識してくださるだろうとは思ったけれど、一応、現地ガイド風に「○○様」という手書き看板を持って。
と、その時点ですでに空模様はかなり怪しい…。夜半から朝にかけ、大雨が降っていたし、空には太陽のカケラもない。うーん、どうしよう。
でも彼らには今日一日しかないのだ。うーん。と、天に祈る。
そうして無事お会いできたお三方は、なんとなんと、「おじさま3人組」かと思っていたら、おじさまどころか!おじいさまも含まれていてビックリ仰天!!!
上から87、75(推定)、65(推定)といったメンバーでありました。
それにしてもみなさん、お元気!
さすが、地球の裏側ブラジルまで、はるばるいらっしゃるだけあります!
実は私の祖父(現在97歳)や、その兄弟である私の叔父・叔母たちは、今回のお三方を彷彿とさせる「元気な旅好き」で、それこそ80歳を過ぎてもなお、兄弟で海外旅行など、ちょくちょく出かけていた。
さすがにもう100歳近い私の祖父はもう海外には出ないけれど、当時にしては、かなりの旅人であった。
海外駐在歴の長い祖父の弟も、それこそ南米まで旅行するような、かなりの海外派だ。
私が海外に興味を持つようになったのは、そういう叔父や祖父の影響がとても大きいのだけれども。
…と、話がそれましたが。
自分の父親と、祖父二人をサルヴァドール案内しているようなイメージで、この一日、雨の合間を縫ってあちこちと巡りました。
まずはプライア・ド・フォルチへ。
途中、今にもあふれんばかりの川が街の中心部を流れているLauro de Freitas(ラウロ・デ・フレイタス)を通り、みんなで目を丸くし…
(一晩、強烈な雨が降っただけであふれそうになる川って… そしてそこは、去年、住民がボートで避難した地域ですよ。1年経っても、なーんにも状況が変わらないのね、ブラジルって…)
サルヴァドール市内は天気が悪くても、プライア・ド・フォルチは晴れている!の法則(いや、実際あるんです、その法則が♪)を信じて、とにかく運転手さんに車を走らせてもらい…
なんとか到着したころには、かすかに青空がのぞいていた。ほっ。
しかし、道路はこの調子…。大きな水たまりがあちこちに。絶対転びたくない道(笑)
すでにシーズンオフに突入した?と思えるような、とっても静かなビーチ。観光客の姿もまばらで、物売りの数もほとんどなく、ものすごくのんびりできるビーチであった。ちょうど引き潮のピーク時で、天然プールが現れ、磯遊びに最適でありました。
お昼はメインストリートにあるレストランでムケッカなどを。
この時、ものすごい雨が降り出した。さすが雨期。さっきまでなんでもない顔してたのに、いきなり雨ですよ。
それも食事が終った頃にはやんでいたのだけれど。
そしてビーチを後にして、サルヴァドール市内へと戻る。
と、またも強烈な雨が降り出す。
しばらく走ると雨がやむ。
その場所の道路はカラッカラに乾いている。ってことは、このあたりは全く雨が降らかなったということね?
時間によっても、場所によっても、雨の具合が全然違ってくるのね…
これはもう。
観光中に雨にあたるかどうかは、もう、運次第ですな。
市内に戻ってからも空模様は微妙だったけれど、なんとか散策中は大雨に当たらず。ホッ。
ペロウリーニョをゆっくり歩いて、金ぴか教会やペロウリーニョ広場をご案内した。皆さん、金ぴか教会はとても気に入ってくださった。
旅慣れた、世界中を旅した経験のある方々にこの教会を褒められると、私はとても嬉しくなる。世界中を見回しても、これだけの教会は、そうそうないということ。わが町が誇る金ぴか教会なのです。ふふふ。
何度訪れても飽きない、本当に魅力的なこの教会。
今回は、お客様からひとつ教えられました。この女神様(名前を見たらコンセイサォン様でした)の表情がとてもいいね!ということを…
確かに、とても素敵ですね。
まだまだ旅の入り口な皆様。ドル→レアルへの両替は必要だけど、お土産はまだ必要ない、という状況。
ペロウリーニョにある両替所でドルからレアルへ替えたら、1ドル1.60レアルだった。なんだかどんどんドルが安くなってますね…少し前は1.70だった記憶が。空港のほうがレートがいいのかなぁ?(未確認)
ラセルダ・エレベータからの夕日は、雲の関係で残念ながら見られず。
続いて行ったボンフィン教会は、閉館ギリギリで、あまりゆっくり出来ず。それでも、雲間からほんのり漏れる夕日に照らされた丘の家々が、なんともいえず美しかったり。
夕暮れ時にボンフィンに行ったのは私も実は初めてで。また新たな発見が出来たことは、私にとっても収穫です。
この後、ミゲル・サンタナ劇場での伝統芸能舞踊ショー(夜8時から)にご案内するという案もあったんだけれども、さすがに皆様少々お疲れ気味だったので、船にいったんお送りしました。
そうですよね…朝からビーチへ行き、ペロウリーニョの坂道を歩き、一日めいっぱい動いて。若くたって疲れちゃいます。
それにまだブラジル入りして3日程度。時差もあります。
なのに本当に皆さんお元気!
まさに、こちらが逆に元気づけられるような、パワフルなおじさまたちでありました。
お土産に、たくさんのカレーやラーメン、羊羹、甘納豆などを持参してくださいました。これには、私もダンナも子供たちも思わず歓声を上げるほど!
ありがたいことです…。ありがとうございます…。
これから先の旅程も、どうか皆さん健康で、楽しい思い出をたくさん作っていただけますように。そして、なるべく、雨にあたりませんように!