赤い服でキメる日は…
今日は久々に歯医者の予約を入れていたので、久々にセントロ(旧市街)方面へと出かけた。暑いし面倒だし(ここのところなんとなく出不精気味でね)、行くのやだなぁ…と重い腰を上げて。
それなのに!
予約が入ってないと言う(涙)
正確には、「今日は歯科医が来ない日だ」と言う。矯正のちょっとした調整ならば助手の私がやりますけど、今日は先生じゃないとだめな処置(リンペーザ:お掃除)ですねぇ…だと。
えーーー。前回、かなりしつこく確認したのに。この日は先生が来る日だよね?Com certeza,ne?って。
ま、そんなもんです、ブラジルの予約なんて。過去にも何度も同じように振られてますから、いいんです、もう慣れてます…
と、とぼとぼと足取り重く歯医者の入っているビルの階段を下り…まぁせっかくここまで来たからペロウリーニョまで歩くか、散歩散歩!
気を取り直してずんずん歩き始めた。
歯医者のある通りからペロウリーニョまでは、途中、バホキーニャのバスターミナルを抜けて、真っ赤な建物が印象的なCorpo de Bombeiro(コルポ・ジ・ボンベイロ:消防署)の脇を通って行くんだけど…
なんだか今日はすれ違う人々がみな、赤い服を身につけているよ。なんだ?!
赤い人々は、消防署が近づくほどに増え…
なんかパレード状態の群衆までもがやって来るんですけど…
12月だからサンタの赤かな?
とはさすがに思わなかったんだけど。
赤い色って… 何の神様だっけ… 青と白ならイエマンジャだよなぁ、あれはボンフィン祭りだしなぁ…
そのうち歌声が聞こえてきた。花に包まれた神輿?…何て呼べばいいのかわからないけど、赤と白の花々で埋め尽くされた台の上に女の神様の像が乗っていて、それをみんなで担いでいるよう。周りにはテレビカメラもいたりしてすごい賑わいっぷり。沿道にも赤い服の人がびっしりいて、女神様に熱い視線を送っているようだ。
近くにいた赤い服のおばさんに聞いたら、
「今日はサンタ・バーバラのお祭りだよ。消防署までパレードしてるんだよ。」とのこと。
そうか、これがサンタ・バーバラのお祭り。そういえば名前は聞いたことがあったなぁ。12月4日がその日だったんだ。全然知らなかったよ。
ちょっとした鼓笛隊のようなバンドが、花台と神様の後ろで演奏していただけで、派手なパフォーマンスなどはなし。純粋に女神さまを信じる人たちが、神聖な気持ちで行進しているように見えた
その足でペロウリーニョに向かったら、まぁまぁものすごい人出!!ちょうど正午近くになったんだけど、ジョルジ・アマードの家の前にはまたもや即席ステージが建てられ、多くの屋台が出て、人々がお祭り騒ぎをしていた。みんな赤い服来ているもんだから迫力満点!
水売りのおじさんに「どうして赤なの?」と聞いたら、
「この神様はカンドンブレで稲妻と嵐のシンボルなんだよ」との答え。…カンドンブレ?
サンタ・バーバラってカトリックの神様じゃないのか???
っていうか、稲妻と嵐って赤なんだ?!
と、なんだかわけがわからないまま、ビッグイベントに遭遇しちゃったわけです。こんなことなら一眼持って来れば良かった〜。さすがに歯医者に行くのに一眼は持ちません。
古いフジのコンパクトでかろうじて撮影。色が色だけに鮮やかでキレイな景色だったわ。
バイアーナのドレスも今日は赤白ベースで。若くて可愛いバイアーナ姉さんがいたので注目したら、なんと、そのドレスの柄がまた注目に値するものでしたよ。
漢字をちりばめた珍しい生地…
思わず生地をアップでまず撮影したら、
「あら私じゃなくてドレスを写すのね♪」と姉さんの一言。いやいやもちろん、可愛いカップルも撮らせてもらいますよ〜
ふだんペロウリーニョで貫録ばっちりで立っているバイアーナおばさんと違って、この娘さんは特にチップなどは要求せず、とても爽やかでありました。今日はお祭りだから特別かしら。
なんとなく紅白カラーに囲まれると安心するのは、私が赤が好きだから?それとも日の丸カラーだからかしら?(笑)
さて、サンタ・バーバラのことが気になったので、帰宅してからwikipediaで調べたら、
確かに「消防署の守り神」であり「商業の神」であるそうです。そしてカトリックの神でありながら、カンドンブレの神(オリシャ)の一員で、稲妻と嵐のシンボルですって。
どうやら、カルルー(バイーアの郷土料理の一つ)が信者たちにふるまわれたようです。その様子も見てみたかったわ。
歯医者がキャンセルになったおかげで、たまたま出会ったこのお祭りは、サルバドールの黒人文化行事の中でも大事なイベントだったよう。本当に全然知らずに来たから、これはもう、ラッキーな遭遇だったわ。
たまには街に出るもんだわね。