~私の好きなもの、好きなこと、興味のあることをあれこれと綴るブログです~

持つべきものは友…異国にて


ブラジル在住の友達が、つい先日、大手術をした。
大手術。
だって、自分の臓器を一つ取ってしまったんだもの。大変なことだ。
話を聞くと、そそそれって医療過誤ってやつじゃないの?
訴えた方がいいんじゃないの?
と言わずにはいられない状況。


けれど、当の本人は、こちらの予想とは裏腹に、がっくり落ち込むこともなく、明るく言い放つ。
「だって、訴えても、元通りになるわけじゃなし。前を向いて行くしかないよね。イテテ…」と。


イテテ…って軽く言うけどね。
臓器を一つ取った痛み。ごめん、私、経験がないからわからない。想像がつかない。
想像がつかない痛み…どんなだろう、と思う。
帝王切開の100倍痛い、と言っているけど、うーん、普通分娩の何倍くらいに相当するだろう。
と、想像もつかないけど想像してみたりする。


彼女は日本からブラジルに嫁いできた。
義理のご両親は既に他界している。
文字通りの核家族、しかもアレックスと同い年の男の子と、まだ9カ月の女の子がいる。
近くに実家がない。ちょっと頼むよ〜、と気軽に頼める身内がいない。
そんな中での緊急手術。
どんなに大変だっただろう。大変なんて言葉じゃ片づけられないだろう。彼女本人も、男手ひとつで子どもを世話し会社に行きフルで頑張ったご主人も、ママなしで頑張った子どもたちも…どんなにか怒涛の日々だっただろうと思う。


そして今も、大変な日が続いている。なんせ、痛くて痛くて、トイレに立つのも死ぬ思いって言うんだから!
聞けば、お昼もろくに食べてないと言う。だって買い物にも行けないし、家に食べ物あまり残ってないし…って。


な・ん・て・こ・と!


同じブラジルとは言え、彼女が住む町と私の町とは、何百キロも離れている。飛行機で軽く3時間の旅。
お手伝いに行くには遠すぎる…。
何にも出来ないなんて。友が辛い思いをしているのに何にも出来ないなんて。
悶々…


で、取り急ぎ、彼女が住む町にいる、私たちの共通の友達に電話して、状況を話してみた。
もし時間があれば、ちょっと食材を調達して欲しいと。いや、調達じゃなくて、食品店からの宅配でいいから、そちらからオーダーしてもらえないだろうか、と。
ここにいて出来ること。恥ずかしながら、そんな食べ物がらみのことしか思いつけなくて(苦笑)。
でも、食べ物は大事!(キッパリ)


私の電話を受けた彼女、これまたナイスな友達で、
なんとなんと、その日の夜すぐに、大量の食材を届けに行ってくれたんだって。
なんてフットワーク軽いの!
8か月の赤ちゃん抱えてるのに!
…よほど私のお願いが切羽詰まって切実に聞こえたのだろうか(笑


なんだかそんなふうに、友達のネットワークって、すごいなぁ、と。
異国にぽつんと核家族で住んでいると、本当に本当に、友達のありがたさを強く強く感じる。
実家が近くにない心細さ。身内の大人がダンナしかいないという淋しさ。
そんなことは、言い出したらきりがない。そんなこと全部ひっくるめて納得して、ここ、ブラジルに来て住んでいるのだから。


けど。
そういう淋しさや心細さより、友達のありがたさ、人とつながっていることのありがたさを、もっと強く感じることができる異国暮らしである。


ということで、私からもありがとう、Kちゃん!!!


たまにはサルバドールの写真を…
というか、うちのマンションの窓2か所から移した外の景色ですけど。赤いブーゲンビリアの花は、うちの窓辺に咲いているものです。
今日も青空です。