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臨月イベッチのパワフルライブ


サルヴァドールが誇る「国民的大スター」と言っても過言ではない、我が家も大好きなIvete Sangalo(イベッチ・サンガーロ)姐さんの、出産前最後のライブが行われると言うので駆け付けた。
イベッチ姐さん…そう、敢えて「姐さん」と呼びたいのは、その貫禄、その風貌、パワフルさ。すべてひっくるめて「姐さん」なんだよね。
年は同じなんだけどね、私と。ん、彼女が一つ下だったか。


その彼女、妊娠がわかってからも精力的にステージをこなし、私が日本一時帰国中の8月にもサルヴァドールで大規模なライブをやっていたのだ。くぅぅ、行けなくて残念!と唇をかむ私を横目に、ダンナはしっかり見に行って、それがすごく良かったんだと…
そのときのイベッチもかなりふっくらしてて、太った感じだったよ〜とダンナ。
太った感じって…そりゃそうよ、その時点ですでに妊娠7カ月後半だったはず。


しかし、いまはもう9カ月。予定日まであと2週間であると、当日のステージ上で本人が言っていた、らしい。(そのときは聞き取れなかったんだけど:あぁ悲しい私のポル語力…後日、ライブについての雑誌記事にそう書いてあった)


このイベントは、サルヴァドールから2時間ほどの場所にあるCosta do Sauipe(コスタ・ド・サウイッピ)という巨大リゾート地を会場に行われる、カルナヴァルのトリオ状態のショウ。Sauipe Folia 2009と言って、毎年恒例のものらしいよ。3夜連続で、一日2アーティストずつ登場するのだ。
イベッチは2日目の金曜夜に登場。
私たちは、サルヴァドール市内から出る専用バスに乗り込んで出かけた。


このバスの中がもう…これぞブラジル…。
すでに酔っぱらってハイテンションになった男女(注:ほとんどが初対面同士!)たちが、大声で歌い叫び、どんちゃん騒ぎ状態。
うるさすぎ。
こういう騒ぎのノリ、嫌いじゃないけど、それにしてもうるさすぎ。音量マックス。
私はこの先長く続くであろう夜に備えて静かに睡眠をとりたかったのにっ!それどころじゃないよっ!!
こんな恐ろしくうるさいバスは、ブラジルに来て初めてだ。いったいどうなってんだイベッチファンたちよ!!!


さて会場に着いて、エビの串刺しなどをつまみながら開始を待つ。もちろん時間通りになんて始まらない。9時開始という主催者の案内だが、始まったのは11時だよっ。


それにしてもイベッチ。
いきなり、臨月腹丸出しでステージ(巨大トレーラーの上部を改装した、いわゆるカルナヴァルのトリオ・エレトリコと呼ばれる移動型ステージ)に登場したときはもうびっくりだよ。
この日に限って私、デジカメを忘れたの。っていうか、あえて持参しなかったの。ものすごい群衆で写真なんか撮れない&盗難の恐れあり、と予想したから。
しかし実際はそれほどものすごい群衆ではなく、ほどよくスペースを保ちながらのパレードだったから、「あぁ、今日こそデジカメ持参に最適なショウだったのにっ」と悔しがったのであります…


その時の写真は各種サイト場にも出回っているので、ちょっと拝借するとして。
(雑誌Quemのサイトから。)




す、すごいでしょ?
マタニティウェアで登場じゃないんだよ!おなか全開!
しかも、なんかもう赤ちゃん下がって来てませんか?これ、いつ生まれてもおかしくない状態じゃありませんか???
元妊婦経験者としては、なんかもう、気になって心配でどうしようもないんですけど〜


でもイベッチ姐さん本人はいたって元気で。
がんがん腰を回して踊ってて。
「まだまだ踊れるわよ〜 Dança da baleia(ダンサ・ダ・バレイア…くじら踊り)よ〜」と、ノリノリである
なんてタフ!!!
臨月のショウだから、私、てっきり椅子に腰をおろしてしっとり歌い上げるのか…と想像していたが(というか、心配だからそうしておくれ)、いえいえどうして。いつも通りのパワフルライブが展開されたのでありました。
ま、本人がそんなんだから、よっしゃ、私たちも遠慮なく盛り上がらせてもらうぜ!って感じで、みんないつも通りノリノリ。
しつこいけど、元妊婦経験者の私としては、どーしてもお腹に目が行ってしまいましたけどね…
あぁこのお腹の中で赤ちゃんも頑張っているんだと思うと、なんとなく泣けてきた。
すごい母さんの中で育っているよ、キミは。(ブラジル人にしては珍しく、イベッチは赤ちゃんの性別を聞いてないのだそうだ。)


大好きな最新アルバム「Pode Entrar」の1曲目からショウは始まり、ダリラに続き、過去のヒット曲もほとんど網羅してくれた。イベッチの曲ならだいたい知ってるから、どの曲が流れても楽しい。
途中、ファンからのリクエストを募る場面があって。
イベッチ本人は、しっとり系の「Meus Segredos(メウス・セグレードス…私の秘密)」を歌いたかったらしいんだけど、会場からの声は「フォホー!!!」…
結局、ファンの声を尊重し、アルバム内ではAvião de Forró(アヴィアォン・ジ・フォホー…フォルタレーザの人気フォホー男女デュオ)と共演したイベッチには珍しいフォホーの曲を歌った。一人で。


終盤には、やはりバイーアの人気アーティストであるTomate(トマチ…男性ボーカリスト)や、Banda EvaのSauloも友情出演し、大好きな曲「Vale Mais」を歌ってくれた。生で大好きな曲を聞ける嬉しさ。たまんないねぇ。


延々、なんと3時間ものステージを休憩なしぶっ続けでこなしたイベッチ。そのエネルギーは一体どこから来るのでしょうか。すごすぎます。
だって臨月の妊婦なんだよ。
少なくとも6キロは増えている重い体を支えて歩くだけでも、いや、立っているだけでも辛いのに、歌いっぱなし、動きっぱなしの3時間。
日本のアーティストにはありえないでしょう。いや、日本のみならず、他の国のアーティストでもこうはいかないえしょう。そもそも臨月妊婦をステージに立たせて歌わせていいのか?という気がしないでもないですが、きっと本人が歌いたいんでしょうし、たぶん「ステージ上で生まれてもいいわっ!」と思いながらの登場でしょう…
だから、これもアリなのでしょう…。
私には絶対マネできないけど!


パレードについて歩いた3時間、それは観客である私にもキツくてね。
次のステージはBanda Evaだったし、これまた大好きなバンドなんだけれども、小休止せざるを得なかったわ。
サウイッピ内の飲食施設でスパゲッティを食べ(深夜2時ですけど、えぇ)、ビールを飲み、遠巻きからサウロの美声を聞いていたのでありました。


そしてバンダ・エヴァが終わったのがなななんと5時…。空も明るくなり始めるって頃。
帰りのバスは、ステージ終了後30分に出発するという…。
疲れ果てた私は、バス到着後まもなく車中に乗り込み、寝てましたけどね。


さて、そんなイベッチ姐さんでありますが、あれから2週間(これを書いているのが2週間と3日目なんだけど)経ってもまだ出産のニュースを聞きません。
まだ生まれないのかな〜。
そろそろ出産のニュースが聞こえてきても良さそうですが。楽しみ。どっちかな〜
(私は男の子と予想している:あのお腹のカタチから)