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ボンフィン祭り(Lavagem do Bonfim)

1月の第2木曜日に毎年行われる伝統行事の「ボンフィン洗い」にコイと参加してきました。
市内で最も有名な教会のひとつ、ボンフィン教会(カラフルなミサンガ・リボンでおなじみ)を、白い民族衣装のドレスを着たバイアーナたちが清掃する…というのが本来の目的なのですが、
今では、地元のパーカッショングループやミュージシャン、カポエイラ団体、政治団体、趣味の団体などなどがパレードを繰り広げる、一つの大きな祭りとして知られているようです。


さてこのイベント、有名な割には初心者にはイマイチわかりにくく…。
一体、朝の何時から始まって、どうなるのか?何が起こるのか?
カルナヴァルみたいな大騒ぎだよ、と言われてもよくわからんぞ。だってカルナヴァルの大騒ぎってホントにものすごいんだから。
一応、宗教的な行事なのに、大騒ぎってどういうことよ???


で、事前にサルバドール観光局に電話して聞いてみた。すると「9時頃、シダーヂ・バイシャのノッサセニョーラコンセイサォンダプライアを出発して、8キロの道のりを行進して、昼ごろボンフィンに到着して教会洗いをする」とのお返事。
むーーーん。これも何やらよくわからん。


なお宿のなおやさんに出場時間をたずねるも、「たぶんお昼頃に出発」というお返事。
9時頃出発する集団と、お昼頃の集団と…いろいろいるってことか?!
集団が五月雨式に続くと言うことか?


そもそもコイが炎天下8キロも歩けるのか。
ゴール地点に先回りして、パレードの到着を待っている方が現実的か。
しかしこの日は朝7時半を過ぎると周辺への車の乗り入れが禁止される。ってことは超早起きして現地にたどり着かねばならない??


いろいろ考えたけれど。
ミクシィつながりのブラジリアのお友達が、なんと女性だけのパーカッショングループに参加していて、わざわざブラジリアから演奏のために来ているのだ。とにかく彼女たちのパレードは見逃せない。
で、彼女たちのスタートは9時頃だという。それに間に合うように、私たちもスタート地点に向かうことにした。住んでいる地域からタクシーで向かった。セントロに近づくと道は渋滞し始め、徒歩でスタート地点に向かう白い服装の市民も増えてきた。


スタート地点は下町だけど、そこには車は入れない。なので上町のエレバドール・ラセルダ前で降りることに…
っと、エレバドールがものすごい行列になってる。ありえない行列。これじゃいつまでたっても降りられないよ!
困っていると、タクシーの運ちゃん、「あの道を降りればいいよ。なぁに、パレードの群衆もみんな歩いて降りるんだから、危なくないさ」と。


そう、その道こそ、地球の歩き方の地図に注意書きが書かれている「この道キケン。通らないこと」の道…
い、いいのか…。


でも大丈夫だった。確かにパレード状態で賑やかで怖くないし。まぁ、建物はやっぱり壊れたままで危なげだったけれど。普段はやっぱり通らない方がいいと思うけど。(というか、普通は通る必要がない道だ。)


スタート地点はいろんなグループでごった返していた。うん、確かにこれはカルナヴァル状態に近いと言えるかもね。ひと・ひと・ひと…。
すぐ目に着いたのが、白いバイアーナ服の女性軍団。これこそまさに絵にかいたようなボンフィン洗いのメンバーだ。本来のイメージに近いのは「かっぷくのいい肝っ玉母さん風の熟女バイアーナ」だけど、こちらの皆様はうら若き細身の娘さんだったわ。


こちらは、カルナヴァルでも有名なグループ、フィーリョス・ジ・ガンジー。男性ばかりのチームで、白い服に、白と青のジャラジャラネックレスと帽子が象徴的。なぜか彼らだけはトラックの舞台を使い、まさにカルナヴァルみたいにパレードしてた。


スタート地点では、空に向かって平和の象徴の白いハトを飛ばしていた。写真の左上部にいる白いハト、見えるかしら???


教会に供えるための白い花を大きな壺にいれ、しかも頭の上に乗せて8キロ行進します。しかも踊りながら!


太鼓のグループが比較的多いけど、中には馬に乗ったチームとか、


自転車のチームとか。(おじさんの背中、お肉つきすぎ。)


そして念願のブラジリアから来た女性パーカッショングループのBATALA!やっと追いついた〜。
スタート地点に私たちが着いた頃、彼女たちはすでに3キロ先まで進んでいたのだ。なんとかゴールまでに追いつかねば!と、がんがん歩いたのよ〜。
彼女たちのサンバヘギ、カッコ良すぎ!!!
汗でにじんだTシャツも額も美しすぎ!!!
あ〜うらやましい。私も本当は演奏で参加してみたいよ。


途中、テレビカメラなどのマスコミもいっぱいいます。
写真は、新聞社の記者にICレコーダーにてインタビューされているコイ。「楽しんでる?」とか聞かれたらしい。

炎天下(気温35度)、歩くこと約2時間…やっと右前方にゴールのボンフィン教会が見えてきた。感動。


ゴール直前の坂をのぼってくるパーカッション軍団。道幅いっぱい、人で埋め尽くされてる。これはカルナヴァル状態、まさに。


実は、肝心の「教会洗い」の様子は、教会前に陣取られた群衆の頭によって全く目にすることができず…。セレモニー的な部分をちゃんと見たい場合は、お祭りパレードには参加せず、もしくは、トップバッターのグループに付いて行進し、いの一番に教会に到着しなければならないのかもなぁ…。
これはちょっと残念。


教会前には、バイアーナによるお祓いコーナーが。
枝で頭を払い、頭から生米をふりかけ、聖なる香水をふりかけて完了。これで一人2レアルでございました。
コイ、きっとご利益あるよ!


教会を出たところで、カポエイラグループがいた。コイはこの日、とても目立つヘアスタイルをしていたので、思ったとおり声をかけられ、試合の輪の中に引き入れられた。
あ、そういえばこの子、今日はカポエイラの絵が描かれた服を着ているよ…
まだこの子カポエイラ知りませんから〜、お手柔らかに〜と言ったら、手とり足とりカポエイラのまねごとをさせてくれた。
コイも最初は恥ずかしそうだったけど、まんざらでもない様子。やんやの喝さいの中、記念撮影して満足げ。


帰り道はやはり徒歩で。でもさすがに暑くて疲れてきたので、パレードコースから1本海側に入った横道に入って歩いた。
タクシーでも見つかれば…と思って歩いてた。けどなかなか車は通らない。どこまで規制されてるのかな…。


疲れ果てたところでポルキロレストランを発見し、そこでやっとトイレにも入れ、空腹を満たせた。
あ、空腹は、沿道の屋台でそれなりに満たせるけどね。串刺しシュラスコ肉とか、ホットドッグとか、アイスクリームとかポップコーンとかエビとか…。


元気充電後、もう少し歩いたら、タクシーが何台も止まっているエリアに出た。迷わず飛び乗って帰宅。ふー、頑張った頑張った。
8キロ、思ったより近かったし、思ったより楽しかった。地元の人たちのさまざまな表情に会え、自分たちも一緒になって歩いた8キロ。いい経験だったなぁ。


平日だったため、お勤めの人は参加できないのが残念。
っていうか、ブラジル人の皆さんよ、仕事はいいんですか?今日は???
(どうせなら祝日にしちゃえばいいのに、というくらいすごいイベントなんですけどね)


…と思ったら、自宅周辺の中流階級向け住宅エリアは、まったくいつもと変わらぬ平日の午後の様子。盛り上がってるのはボンフィン教会付近のみ。
ハイソな人たちは、こういう地元の歴史的なイベントに興味がないのかしら…お祭り騒ぎは嫌いなのかしら…と思わずにはいられない、この地域格差


うーーーん。サルヴァドールだなぁ…。