~私の好きなもの、好きなこと、興味のあることをあれこれと綴るブログです~

コリンのブラジル→日本移動物語(書類編)


ブラジル・サルヴァドールから日本・横浜への引っ越し関連を思い出しながら書いてます。
今回は、愛犬コリンの移動物語…



このブログで過去にも綴ってきたように、犬がブラジルから日本へ行くのは、書類的に手続き的に非常に煩雑であります。
まぁこれは、どの国からの移動でも同じように大変なのだけれども、ブラジルの場合は、ブラジル国内に日本政府認定の血液検査機関が存在しないと言う点が煩雑さアップにつながっているのですねぇ。
狂犬病のワクチンをちゃんと打ったよ、そしてその抗体がちゃんと犬の体の中に定着しているよ、だからこの犬は狂犬病にかかってないよ…という、日本入国に際して最も重要な証拠を事前に持っておかなければなりませぬ。
それが、前回までの「コリンの血清物語」でした。

1.マイクロチップを入れました 
2.コリンの血清物語(超長文覚悟
3.コリンの血清物語(出戻り、そして…) 
4.コリンの血清物語(やっと、完!) 


イギリスまで血清を輸送し、なんとか結果OKのお墨付きをもらって一安心だったのだけれども。
その後、実際に日本への引っ越しが決まり、最後の書類作成をする段になって、またちょっとひと悶着あったのであります。



日本へ犬を輸出するために必要な、ブラジル政府作成の書類。
受け入れる日本政府側の書類。
この二つがやはり必要で、重要なのですが…
(詳しくは日本の検疫所のサイト:ブラジルからの場合は「指定地域外からの輸入」を熟読ください!)



ブラジル政府作成の書類を、サルヴァドールの政府機関にお願いするために、さて、どうしよう。どこに行こう…
まずは前回の血清輸出の際にお世話になった、Aflitos(旧市街の近く)にある政府機関事務所に問い合わせた。すると、動物の輸出関係はサルヴァドール空港内にある事務所で行う、との返事。
空港内の事務所にまずは行ってみた。



今回、私たちの移動スケジュールは、やや複雑。
まずはサルヴァドールを6月18日に出る。そしてサンパウロに3日間滞在し、サンパウロからフランクフルトを経て日本へ向かう。
日本へ向かう出国は、サルヴァドールではなくてサンパウロから、ということになる。



ブラジル政府発行の輸出証明書(CZI、セージーイー、Certificado Zoosanitário Internacional、国際動物輸出証明書?)は、有効期間が決まっているらしい。
私のスケジュールだと、サルヴァドールで作成する場合、日本到着時に有効期限が切れると言う。
だから、サルヴァドールではなく、サンパウロに行ってから作成せよ、と言う返事。



しかしだ。
サンパウロ滞在は、もう本当に最後の最後だし、だから予定もびっしりである。しかも土日にかかる。
事前にサンパウロの政府機関に電話で確認した。出国のタイミングとサルヴァドールを出るタイミング、有効期間の話を説明した。
そしたら、サルヴァドールで作成してもOKと言う。っていうか、むしろサルヴァドールで済ませてくれ、サンパウロは予約制だからそのスケジュールじゃもう間に合わない…とまで言われた。
な・の・に。
肝心のサルヴァドール空港支所では「サンパウロでやってくれ」の一点張り…。



これ以上話しても押し問答になるだけ。それは前回の血清輸出でよーくわかっている。
だから空港支所はそこでサヨナラし、再び、旧市街支所とコンタクトを取ることにした。
事情を話したら、空港ではなく、旧市街支所で対応してくれることになった。ホッ♪



これで準備万端、出国書類はバッチリね♪
と、喜び勇んで、すでに記入し主治医の健康検査OKのサインを入れた書類(日本の検疫所が提供しているフォーマット、Form AとCと言う)を持参し、無事、政府担当者のハンコを押してもらった。
政府担当者のおじさんは、これまでの検査結果や、予防注射カルテと書類記載内容を見比べながら、日付や数値が合致しているかを一応チェックしながらハンコを押していく。
どうやら書類は問題なさそう♪
無事、すべてのページにブラジル政府のハンコをもらうことが出来た〜
これが、サルヴァドール出発3日ほど前の話。



我が家のように遠隔地在住の場合、一般的な推奨日数プラスアルファの日程的猶予が認められるの。
本来、入国日から1週間以内の日付のハンコ…のところ、10日以内でOKと。
なので、余裕を持った日程で書類が整ったわ〜と安心していたところ、なんと書類に記載ミスが発覚!!



誰がミスを発見したかと言うと、成田の検疫所なのですよ。
日本の検疫所は、素晴らしいことに、入国前にメールやファックスで書類を送ると、その時点で書類ミスの有無などをチェックしてくれるの。ANIPAS(アニパス)という専用のサイトがありましてね、そこの記入フォームに自分でどんどん入力していくことで書類作成が出来てしまう素晴らしいシステムを利用するんです。
それをもとに、今度は検疫所の職員の方々とメールでやりとりするんです。
「こんな風に書類作りましたけど、これで大丈夫ですかね?何か足りないものはありますかね?」といったこちらの不安な気持ちに、常にスピーディに対応してくれるんですよ。
これは本当に素晴らしい!
しかもね、メールのお返事が素早いの。日本時間が夜中であっても、夜勤の担当者がすぐにお返事をくれるんですよ。とっても優しい丁寧な口調のお返事を♪
これには救われましたね… 日本人ビバ!って何度も思った。



で、これまでにも何度もやりとりをしていたのだけれど、最後の最後にミスが発覚ですよ…
私も、獣医さんも、政府担当官も気付かなかったミス。
ワクチンの有効期限、1年、2年、3年という選択肢にマルを付けるのだけれど、そのいずれにもマルをつけてなかった…。
マルなしで政府のハンコをもらっちゃった…。



こういった書類のミスを修正することは、可能。
ミス部分を二重線で消し、正しい記載をし、二重線の上に修正者のサインとハンコをもらえばOKなのである。



私の場合、旧市街支所でハンコをもらったので、旧市街支所で修正手続きをするのがベスト。
だけど、もう日程的に時間がない…旧市街支所まで行っていられない〜
そこで、日本側に質問した。別の支所(つまり空港支所)で修正ハンコをもらってもOKか、と。
そしたらOKだとの返事。
じゃあ、空港支所で手続きしよう。空港方面には行けるから…



と、空港支所にこれまでの経緯と事情を説明した。
が。
担当のおじさん。これがもう頑固一徹ブラジルオヤジでさぁ…
「オレのサインとハンコなら修正するけど、他人がしたものに手を加えるわけにはいかない!」の一点張り。
だったら、何でしたら、一から新規作成していただいても構わないんですが…と、方向性を変えてみる。
それならば、と書類を見つめるガンコブラジルオヤジ。
なんと、今回の争点とは全く別の点を指摘し始めた。



狂犬病のワクチンを2回接種しなければならないのだが、1回目から2回目までの期間は最低21日空けなければならない。
で、コリンはしっかり21日空けて受けているから、問題ナッシング、なんだけど…
ガンコオヤジの手元にある、謎のポルトガル語による「日本への輸出に関する手引き」によると、全然違う日数が書かれている…
21日よりずっと長い期間がかかれている。(それが何日間だか覚えていないんだけれども)



つまり。
期間を満たさずに2回目を受けている→輸出証明を出せる条件ではない→書類は書けん… という、なんとも驚くべき状況に陥ってしまった!



ここまで来て、「輸出証明は出せん」ですと???
あ・り・え・な・い…。



もちろん私は、日本語と英語で印刷してあった、日本政府発行の「輸入要件書」をガンコオヤジに見せましたよ。
でも彼、日本語も英語もわからない。
私がポル語で説明しても、自分の手元にある、一体どこの誰が何を翻訳したかもわからない謎のポル語版輸入要件書を信じるばかり。
そっちの方がずっと怪しい書類なのに…
っつうか、マジで、その書類はどこが出所なんだよぅ???



しかしこのガンコオヤジには、もう何を言っても無駄である。
「要件を満たしてない犬に対して、輸出証明を書けるわけがないだろ!」の一点張りなのだから。
実はこのオヤジ、以前、コリンの血清をイギリスに送る際にも、このガンコぶりを発揮して、あやうく血清輸出証明をもらえないところだったのだ。
同じオヤジなのだ。
よりによって、この日はこのオヤジが担当なのだ。
ついてなさすぎる…。



翌日にはサンパウロに経つ、という日の夕方の話である。
サルヴァドールで修正ハンコがもらえない・もしくは新規作成してもらえない限り、もうあとはサンパウロ支所に頼み込むしかない…
書類的には問題ないという自信はあったので(明らかにサルヴァドールのガンコオヤジの認識が間違っている、というのは確実という確信→だって日本の検疫所がそう言ってるし)、サンパウロでの2日間でなんとかなる!なんとかしよう!と思っていた。
もちろん、不安はあるけど、もう明日が出発だから、行くしかないのだー。




そしてサンパウロに移動。夕方、コンゴーニャスに到着した。
よりによって、コンゴーニャスである。国内線メインの空港である。
果たしてそこに輸出書類を作る政府機関があるだろうか… いや、あるわけがない…(涙)
仕方ない、国際空港のグアルーリョスに行くしかない。
しかし、すでに夕方5時を回っている。まだ開いているだろうか?
電話をかけて見る、が、誰も出ない… ってことはもう今日はダメなんだ…。



明日にかけるしかない、と、不安な気持ちを抱えつつサンパウロの一夜を過ごし、朝早くグアルーリョスへ書類を抱えてタクシーで向かう。
時は金なり。タクシーなり。



さて空港についてみると…
ガーーーーン。
輸出書類作成業務は予約制で、しかも書類受け取りは午後2時開始との張り紙が扉にしてある〜
そして扉は閉まっている…
かなり困った展開。まず予約制っていうのがもう無理だし、午後2時って!今はまだ9時だよ。そして午後にははずせない予定があるよ…



しかしここでくじけてはいけない。
扉の貼り紙にかかれている電話番号に、とにかく電話してみる。
「今、扉の前に立っていますが、開けていただけませんでしょうか…緊急のお願いがあります〜」と泣きつく勢いで電話。
すると、扉を開けてもらえることになった!



そうなの。人はいるはずなの。
深夜着、早朝着の便の検疫業務にも対応しているところだから。ずっと人はいるはずなの。
そう思ってたら、やっぱり!
しぶしぶ開けてくれた扉だけど、事情を説明すると、「そんな簡単なことなど朝飯前よ!」とまでは言わないけど(笑)、いとも簡単に、さらっと書類を見ただけで、私が求める訂正印とサインをしてくれたのだ!!!
サルヴァドールのガンコオヤジが指摘した謎のワクチン接種期間については、全く問題視されず。
ほらね、やっぱり。大丈夫じゃん、この書類。これだけのミスじゃん。
最初からこうやって簡単に修正してくれたら、こんなに振り回されずに済むのに〜〜〜と泣きたくなるも、まぁ、なんとか最終書類をゲット出来たので喜ばなければ。



修正ハンコをもらった書類を、また日本の検疫所にファクスで送って確認依頼。空港内のインターネットサービス兼コピー店(確かVivoの店)に入り、日本へのファックス送信を依頼した。
こういうことも出先で出来ちゃうのがすごいなぁ、と改めて思う。ブラジルなのに!
でも届いたかどうか心配なので、日本の検疫所にブラジルスマホから国際電話を入れて到着確認をしてもらい、無事OKとの返事。
そして書類内容もOKというお墨付きを、ファックス後の電話でいただいたのである。
日本時間は深夜に近い時間帯なのに、この素早い対応。本当に本当に頭が下がります…日本の検疫所様。ありがとう。



こうして、やっとやっと、コリンが日本へ入国するための書類が整った次第。
過去にサンパウロから日本へ愛犬を連れて帰った先輩たちからは、同じような苦労話…やはり書類ミスが発覚し、直前に空港に何度も足を運んだとか…を聞いていたので、そのようなことが極力起こらないよう気を付けて書類作成に努めたのだけれど。
はい、こんな風にドタバタしました。



もしかしたら出発までに書類修正が間に合わなくて、コリンと一緒の飛行機に乗れないかも…と一瞬思ったりもしましたよ。
サンパウロのビーグル仲間・花ちゃんちにホームステイか?!と覚悟した瞬間もありました。
が、なんとかなって本当に良かった…。



でも、なんとかならない可能性も十分ありました。本当にオソロシイ、ブラジル政府機関とのやりとり。
相手によって出方が全然違ってくるからね。本当は一つの正解があるはずなのに、正解があってもなお、それを認めようとしない人がいる。
正解を認めさせるために、恐ろしく労力を要することも多々ある。本当にオソロシイけど、実際、そんなことがあるから怖いんだよね、ブラジルの公的機関とのやりとりは…。
身近に専門の業者さんがいる場合は、多少費用がかさんでも、お願いしちゃう方がいいかも知れないね。特にスケジュールが詰まっている場合はね。
個人でやるのは本当に大変でした。
出来ないことではないけれど、大変でした。この一連の犬輸出物語…。



これから同じような道を歩んで日本にやってくる犬たちとその飼い主さんたちが、少しでもストレス軽く、元気に移動できますように!
頑張って!!!と心からエールを送りたいです。
成せばなる!!!

写真は、北海道の我が実家ですっかりくつろぐコリン。
こんな心地よいひだまりでのおひるねが楽しめるのも、長旅を頑張ったからだね、コリン♪