チチカカ湖2日目、アマンタニ島からタキーレ島へ、そしてアレキパへ
朝は日の出とともに目覚め…
神々しい朝の風景を部屋の窓から堪能。なんとも贅沢な、自然の織り成す色合いに朝から感激しっぱなしですわ。
のんびり帰り支度をしていたら、下から「朝ごはんが出来ましたよー」と呼ぶ声が。テーブルにはすでに、パンケーキとハーブのお茶が並んでおりました。ほんのり甘い、素朴な味のパンケーキ。あったかくて、なんだか嬉しい。
ボリュームも十分。
食べ終わったらもうすぐに出発の時間。なんたって、7時半に港集合ですもの。ここは近いとは言え、15分前には出ないと…。最後にみんなでセルフタイマーで記念撮影をして(狭いし暗いしでいまひとつなんだけど)、お世話になったお母さんと子どもたちにお別れをしました。お父さんは港まで送ってくれるので、一緒に出発です。
っと、来た時には全然気づかなかったけど、家の入り口には可愛い看板がかかっていたのね〜。ちゃんと「posada(民宿)」って書いてある!そうだったのか。ちゃんと民宿だったんだなぁ。
島の上のほうから、他のメンバーも次々に降りてきて、全員集合。そのうち船も到着し、割と時間通りに出発することが出来ました。見送りのおじさん、おばさんたちに手を振ってお別れ。きっともう2度と会うことがないであろう島の人々…みんな素朴でシャイで、いい人たちだったなぁ。
ありがとうアマンタニ島!
さて再び長い航海、いや、航湖です。とにかく大きな湖だからねぇ、別の島って言っても軽く1時間半かかるんですよ。大変。
それにしても今日も天気がいいなぁ。雨季なんてどこへ行ったんだろう?
でも今日は少し船が揺れているような…
たかだか1時間半、昨日の半分だから…と油断して、この日は酔い止めを飲まなかったんだよね。それがたたって後ほどちょっと辛いことに…。
次の島、タキーレ島では、まずはトレッキングから始まりました。
トレッキングって言っていいよね、あれ。
島歩きなんだけど、上りが結構きついよ〜。
高いところに向かうにつれ、湖を見下ろす景色がそりゃ素晴らしいことになっていくんだけど、高いところ=高度上昇、ってことで。
あ、あ、あたまが痛いっす…。
それもそのはず、このあたりは標高4300メートルほどあったらしい。かなり上ったもんなぁ。4300といえば、ラ・ラヤ駅と同じじゃないか。
このとき最もヘロヘロだったのが、何を隠そう、コイである。高山病というより、船酔いがたたったと思うんだけど、島に着くなりトイレに入り、リバース。そして、歩いている最中も、頭が痛い頭が痛いと言うから、ついに、子供用にとリマの空港で買っておいたトローチタイプの高山病薬を飲ませた。この手の薬は大の苦手なコイだけど、このときばかりは素直に飲んだ。それほどに辛かったんだろうねぇ。
私は、ツアーメンバーのおばちゃんがくれたコカの葉をかじって頭痛を和らげた。ま、気休め程度でしたがね。そして、ムニの葉をちぎっては匂いをかいで、は〜〜〜効く〜〜〜♪と言いながら元気付けてました。この時、少しだけ、麻薬に頼る人の気持ちがわかったような…。匂いをかぐだけでね、元気が出るのよ、不思議と。ちなみにムニの葉もコカも、麻薬でもなんでもないんだけどさ。
しかし湖の色があまりにも美しくて…頭痛も吹っ飛ぶよ。
さて、上りきったあとは平坦な道が続き、農家が少しずつ現れ、そのうち小さな広場に出ました。ここには民芸品販売センターがあったり、展望スポットがあったりするんだけど、まぁ、こぢんまりとしてますわ。
面白いのは、ここでは男の人が編み物を一生懸命していること!
泊まったアマンタニ島では、女の人しか編み物してなかったのに、ここはやたらと男性ニット率が高いのよ。しかも、アレックスとそれほど年の変わらない幼い少年までが、棒針編みをしながら歩いているのだ!!!
親や祖父母から教わって、だいたい5歳6歳くらいから編み物を始める子供が多いんだそうですよ。すごいなぁ。文化だなぁ。棒針の号数もかなり小さめだよ。ほとんど針金?ってくらい細い棒で、細かい模様を編んでてすごいのです。男性がかぶる目の細かいニット帽は、赤だと既婚、白だと未婚を表すんだとかで、一つ仕上げるのに3ヶ月くらいかかるんだそうですよ。一日のどのくらいのペースで編むのかはわからないけれど。
民芸品店に並ぶ毛糸の帽子やポシェット、手袋などは、本当に可愛くてクオリティが高くて、見ているだけでうっとり。そのカラフルな色使い、模様のバリエーション、きめ細やかさ。どれもこれも、編み物を一度でもしたことがある人なら、目を奪われてたまらないポイントだらけですよ。この間、一つ帽子を買っちゃったから、もう買わない…と思ってたのに、この島のニットの素晴らしさに、ついつい手袋を購入。だって、ここのは、本当に、他のどこのものより上手で素敵だったんだもの。もし暑い街に住んでなかったら、きっともっとたくさん買ってた…。
ここでの自由時間は1時間もなくて、ニットをじっくり品定めしてたらあっという間。すぐに集合時間になり、ランチの店へと移動しました。この島は観光地としての歴史がアマンタニ島より古いのか、レストランやお店も割といくつもありましたよ。どれも非常に素朴なお店だったけれども。アマンタニにはレストランはなかったからなぁ。
私たちが入った店は、My Houseという英語の名がついたお店。2階のテラス席から湖が見えていい感じ。メニューはトルーチャ(マス)のグリルか、オムレツのみ。大半がトルーチャをオーダーし、これがなかなか美味しかったのであります。味付けが日本人好みだと思う。
ここで、リマからの大家族グループのお母さんが誕生日ということで、全員にビールが振舞われ…にぎやかに乾杯でお祝いしました。みんな良く飲むけど、なんで高山病にならないんだろう…。ホントに不思議。私は1杯だけで我慢我慢。悔しいぜ。
相変わらずカンカン照りの青空の下、また歩いて船着場まで戻ります。来た道とは違う道。今度は下りなのでラクラク♪腹ごなしに丁度いいお散歩という感じ。頭の痛さは、ご飯を食べると緩和されるのであります。
途中、そこここにいる民芸品売りの娘さんたち。みんな同じようなものを、同じような価格で売っているから、誰から買うべきかと悩んじゃう。結局私は最後の最後に我慢できずに、1本1ソル(30円)のミサンガ(手首に巻くひも)を10本、大人買いしてしまった。だってやっぱりこの島の織物、本当に美しいんだもん。後になって振り返ってみても、他のどこよりクオリティが高くて安かったのは、ここタキーレのものでした。クスコでは、もっと太い糸で編んだデザインもイマイチのが、倍の値段で売られてた…。
帰りの船では多くの人が寝てました。また軽く1〜2時間かかるからね。
酔わないうちに寝ちゃえ…という感じか。
同じ船に乗り込んだ、タキーレ島出身で観光ガイドをしているという青年は英語がとても上手でびっくり。父親の農業を手伝いつつ、ときどきガイドをするんだそう。これだけ英語がきれいに話せるんだもん、生かさない手はないよね。で、そんな彼が船の上でしていたことは、やはり編み物。空き時間を利用しては帽子を編んでいるんだって。編み図も見ないで、すごいなぁと心底思う。しゃべりながらも手は黙々と動き続けているの。うっとり…。
午後3時半過ぎ、予定通りにプーノの港へ戻った後は、2日間を過ごしたメンバーとお世話になったガイドさんにお別れ。このツアー、丸々2日間、これだけ盛りだくさんの内容で、一人たったの30ドル(90ソレス)ですよ。激安すぎる。島でもてなしてくれた方々に、ちゃんとお金は渡っているのかしら…とか、心底思う。素晴らしい経験をさせてくれて本当にありがとうございました!と心から言いたい…。
さて船から下りてタクシーでいったんホテルへ。預けていた荷物を引き取り、すぐに長距離バスターミナルへ向かいます。今日は次の街、アレキパへ移動するから、少しでも早いバスに乗りたいから…。バスの予約はしてなかったけど、本数は多いと聞いていたので、まぁなんとかなるかと。
で、なんとかなりました。ターミナルでアレキパ行きのバス会社を探していると、「アレキパ、アレキパ!」と呼び込みをするオジサンに遭遇。わけがわからないけど、ま、話を聞いてみたら、ちょうどあと5分で出発するバスがあるというのでそれを利用することに。値段は歩き方に書かれているものよりずっと安くて、一人30ソルですって。へ〜、相場が下がることもあるのね…と喜んでいたら、実はそうではなく。
そのバスはいやに時間がかかり…どうやらフリアカ経由で、一番近いルートでアレキパに行くものではなかったみたい。途中で大きな風呂敷を背負った現地の人たちが通路に乗り込んできたりするし。なんだかすごいバスだったなぁ。そしてチケットを良く見たら、価格は20ソルになってた。あのおじさんに10ソル余計に払わされたってことね。ぶぅぶぅ。
まぁ、とりあえずその日のうちにアレキパに到着して一安心。
ターミナルに着いたのがもう11時近かった。6時間以上もかかったとは…。
タクシーはすぐにつかまった。というか、この街、やけにタクシー天国でね。道路を走る車の8割がタクシー?ってくらい、タクシーだらけ。
しかも変わった派手なあんどんをつけている車ばかり…。個人タクシー天国、ってところでしょうかね。ここももちろん、メーターなしの言い値で勝負系ですが。
プーノのホテルでネット予約した宿、San Agustin Posada del Monasterioにチェックインし、おなかがぺこぺこだったので食事をしに外へ。このあたりは旧市街だけど、フロントの兄さんによると、すぐ隣の通りが深夜までにぎわうディスコやら飲食店やらがひしめくサンフランシスコ通りなんだそうだ。早速そこへ向かうと、確かに若者がいっぱいたむろしているよ。でも怪しげな雰囲気ではなく、普通に夜遊びを楽しむ健全な若者って感じ。要するにサルヴァドールの旧市街あたりとはわけが違うということ。
私たちが入った店は、石造りが素敵なレストラン。全然知らない店だったけど、Tripadvisorでの評価が高い、いいお店だったみたい。中もおしゃれで広々としていて、雰囲気満点。こんな遅い時間なのにちゃんとした食事を出すという点もすごい!さすが、ペルーきってのグルメの街だけありますな。
ガラス越しにオープンキッチンの中が見えるようになっていて、子供たちも興味津々。オーダーしたアルパカステーキが意外にも美味しくてびっくり。他の料理もどれも洗練された美味しさがあり、大満足のアレキパディナーとなりました。一つ残念だったのは、アレキパの地ビール、アレキペーニャを置いていなかったこと。クスコのクスケーニャはあったのになぁ。
このあたりの名物料理だという川えびのスープ(Chupe de Camarones・チュペデカマロネス)も食べたんだけど、これはあまり好きになれなかった一品。3回くらい食べたけど、どの店のもあまり…だったということは、この料理自体が私の口には合わなかったのねぇ。残念。