雨季だけど、快晴のマチュピチュ散策
ウルバンバのホテルを6時50分、きれいに定刻出発したペルーレイルのAutowagon601号は、やはり定刻の9時24分にマチュピチュの麓の村、アグアス・カリエンテス(この名前は昔のもので、今はマチュピチュ村と呼ぶのね)に到着。ここからさらにバスに揺られること20分ちょっとで、ようやく遺跡入り口に到着するのです…。
バスのチケットは持っていなかったけど、駅のすぐそばにあるチケット売り場で当日購入が簡単にできました。バスも道路にずらりと並んでいて、満席になったら随時出発するという状態。割とすぐに満席になり、待つことなくバスは出発しました。ものすごいヘアピンカーブを、上からくるバスとこすれそうになりながらすれ違いつつ、ぐいぐい上っていきます…。ぐるぐる…。
で、例の高級ホテル前に到着!朝の曇り空はどこへやら。このころにはすっかり太陽ギラギラの快晴になっていたので、日焼け止めをここでしっかりと塗ります。高地はあまりに日差しが強いので、熱くても上着を着るのがオススメ、などとガイドブックには書いてあるけれど、子どもたちがそれを守れるわけありません(暑がり)。なので、特に子供たちにはしっかりと塗りたくります。
遺跡入り口でしっかりと入場券をチェックされ、私は何かの印刷が足りなかったらしく、一瞬待たされました。まぁ、大丈夫だったけれど。最近のマチュピチュ観光では、事前に入場券を購入しておかないと絶対入れてもらえないらしいので、要注意です。オンラインで買った場合は、券の印刷は必須です。
さて入り口付近では、英語で話しかけてくるペルー人ガイドが何人も客引きをしております。うちは子連れだしねえ、英語もスペイン語も全員がわかるわけではないので…とお断り。これが単身旅行or夫婦旅行だったら絶対お願いしてた。日本語ガイドなら子どもたちにもわかる!と思って検討したけど、見積もりをお願いしたら我が家にはありえないくらい高かったので、断念した次第…。(子どもが二人になると、お一人様いくらのガイド料が、かける4、の金額になるわけで…恐ろしや〜)
そんなわけで、完全フリーのマチュピチュ散策。遺跡についてのお勉強は、歩き方だけでなく、これらの本を熟読していたので、基本的には大丈夫♪本のお勧めルートにしたがって、どんどん進みます。最初は、遺跡なんてどこに??ってな感じの、普通のジャングル道が…。
そこを抜けると、パーッと視界が広がり、あの、写真で見たマチュピチュが!!!
いろんな見どころがあって、それぞれいわれのある岩だったり部屋だったりするんだけれど、何より素晴らしいのは、マチュピチュのこの全体像だと思うんです。やっぱり。
何度も写真で見たこの風景を、自分の目で見たとき、百聞は一見にしかず…だと心底思いましたよ。写真では「ふ〜ん、マチュピチュ、素敵だな」くらいにしか思えないけど、それは、写真ではこのスケールが伝わらないから、なんだよね。周りを囲む山々の大きいこと。ここまでの道のりが、いかに遠くて険しいか。ここにある遺跡を作り上げている石がどれだけ大きいか。どれだけ精巧か。すべて、この地に、自分でたどりついてみないと。自分の目で見てみないと。絶対、わかりっこない…と思いましたよ。これがマチュピチュなんだなぁ、と。
見れば見るほど不思議で、謎で。インカの人々の考えていることがもう全然わからなくなる。けど、私たちと同じつくりをしている「人間」がしたことには変わりないわけで、もう、見れば見るほど不思議なのですよ。だってものすごい山の中、ジャングルの中の一部にあるんだもの。
ところでマチュピチュ、結構歩きます。まぁ、遺跡というものはおおむね高いところにあったり、べらぼうに広かったりして、歩いたり上ったりすることは避けられないのですが、ここもよく歩いたなぁ…。雨が降ったら滑って大変だろうな、と思われる巨石の急な階段の連続。出発前に、子どもたち用も含めて、トレッキングシューズを買っておいて良かったと思えた遺跡歩きです。最年少のアレックスは、やはり途中で暑いだの疲れただの泣き言を言いだしたけど、ところどころ休憩を挟みつつゆっくり歩いたら大丈夫でしたよ。一度も抱っこされることなく、自力歩行で完遂!!!
子どもたちにとっては、遺跡よりリャマに会いたい方が強いらしく(苦笑)。見晴らし台から見えた、下の方にいるリャマのところに早く行きたい早く行きたいとうるさいこと。
念願のリャマ付近に付いたら、もう、リャマったら出血大サービス状態?!で、いきなりダイナミックな砂浴びを始めるし…。
それを見た子供たちは「ペルフーミ(香水)をつけたあとのコリンみたい〜」と大喜び。たまにね、犬の用の香水をコリンに吹きかけることがあるんだけど、そうするとコリンは背中をカーペットにこすりつけてジタバタするのよ。その様子がリャマと同じ…。確かに。
こんなふうに、子どもたちにとっては、インカ帝国のロマンあふれる石の王国も、リャマのいる場所…という認識の方が強かったり(涙)。一応、出発前に、天空の城ラピュタを家族で見て、マチュピチュってこういうところだよ〜と教えておいたのだが…。「空に浮かんでないじゃん、マチュピチュ」と一言。そりゃそうだよ〜アニメじゃないんだもの。
それでも、このかっこいい遺跡は、子どもたちの心もしっかりとらえたようで。あちこちで立ち止まっては「写真撮って!」とリクエストしてくる息子たちでありました…。
確かに、気が遠くなるくらい大きな岩をいくつも積み重ねた建造物の一つ一つは、どれも本当にかっこいい。きれいに並んだ段々畑も、横から見ると、ぞくぞくするほど美しい。スペインの攻防により、インカ帝国が滅びたのは今からたかだか500年ちょっと前のこと。ブラジルの発見とそう変わらない年代だ。その頃まで、この地で、インカの人々が暮らしていたなんて、到底信じられない。想像すればするほど、不思議がふくらむ。歴史などを詳しく知りたい人は、詳しいブログが世にたくさんあるので、検索でそちらをぜひ。オールアバウトのこの記事もすごく良かったですよ。
丸3時間くらいでひととおり遺跡を巡った。子連れで、炎天下、遺跡を歩き回るのはこのくらいが限界だろうな。遺跡内では飲食禁止(水はOK)なので、子どもたちもいい加減おなかペコペコだし。時はもう午後1時半を過ぎている…。
ランチは例の高級ホテルでとる人が多い。というのは、列車とランチのセット券を買う人が多いのと、他には軽食スタンドしかないのとで、しっかり食べたい人はホテルのレストランに入るしかないのだ。で、結構高いんだけど、美味しいという話だったので、私たちもここで食べようと思ったら…。大混雑!!!まるで土日のスキー場のレストラン並みの混雑。あっさりここはあきらめることにして、バスで麓の村まで下りることに。
そしてマチュピチュ村のレストラン、Indio Feliz(インディオ・フェリース)で遅めのランチ。フランス人がオーナーだというこのお店、ずいぶん評価が高いようなので期待して行ったら、確かにとても良かった!お店の雰囲気も明るくて可愛いし、バーカウンターの兄さんは黙ってても子供と遊んでくれるエンターテイナーだったし(笑)
お料理はこんなふうにおしゃれなフレンチテイスト。アンデスの食材をうまく使いつつ、大変洗練された味わいでした。
デザートのアップルタルトも美味しかった〜。
そしてここで私たち夫婦(大のビール好き)は、つ、ついに、禁断のビールへと手を伸ばしてしまったのであります…。高山病対策としてはアルコールは厳禁、ということで、旅行開始から3日も(笑)、好物のビールを我慢してきたんですぅ〜。でも、遺跡歩きで疲れたし、暑いし、もうだいぶ高山にも慣れたし、なんたってここは、滞在中(リマ除く)もっとも標高が低い1800メートルだし♪ええい、1本だけ、飲んじゃえ〜と、クスコの地ビールであり、ペルーを代表するビールである「クスケーニャ」を…
う、う、うまい…。
高山病が心配で、がぶがぶ飲めなかったのが残念っ!本当に美味しいビールでした…。
ちなみに、この時飲んだビールのせいか、はたまた遺跡歩きの疲れかわかりませんが、私だけ、この日の夜、すこーしだけ頭が痛い気がしました。気がした、というレベルです、あくまで。ホテルはここよりも1000メートル高いところにありますからねぇ。ビールに油断しちゃダメでしたかねぇ。あ、ダンナは全く問題なしで、ビール飲んでもケロっとしてましたが。うらまやし…。
ここ、マチュピチュ村は、温泉があることでも知られているけれど(水着を着てはいるタイプだそうですが)、そういえば駅前の雰囲気が、どことなく草津や箱根といった山の温泉街に似ているような…。標高も低めだし、ここに宿泊するのも良かったかも。もう1泊あれば、ここで泊まってみたかったなぁ。