オウロプレットの旅(後編)必見の金鉱跡と、街散策の続き
オウロプレット2日目は、やや曇り空の朝でした。でも、ま、雨が落ちないだけいいわね。
そこそこ早起きして(と言っても7時くらいだったかな)、昨日は生ビールバーとなったレストランで朝食をとり(やっぱりミナスのポンジケージョは美味♪)、早速外へ出ました。
目指すは、石の市場!
昨日、さらっと通ったんだけど、あまり時間がなかったので買い物はしなかったのね。
日曜も朝7時から開けるというので、張り切って出かけた次第。幸い、泊まった宿は、旧市街の中心部であるチラデンテス広場から歩いてすぐの好ロケーション。
そして石の市場は、チラデンテス広場からすぐ。
まだお客さんも少なく、静かでした。
サポナイト(石鹸石)と言う、薄いグレーの柔らかい石を加工したさまざまなグッズを売るのが石の市場。
動物や鳥をかたどった小さい置物や、大小各種の小物入れ、フォトフレーム、コップなどなど、いろんな商品がところ狭しと並んでいます。
私が気に入ったのは、丸くて小さなアクセサリー入れ。ま、何を入れてもいいんだろうけど、これにお気に入りのピアスとか入れたら可愛いなぁ、と。
テナントがいくつも入っていて、売り子さんもさまざま、置いてある商品のセンスもさまざまなんだけど、やはりつい足を止めてしまうのは「実演販売」しているブース。
実際、このおじさんは、とても手際よくセンスよく名入れをしてくれて、商品のクオリティも他より高いような気がしました。なので、そこでまとめ買いしちゃった。
さらっと買い物をするつもりだったけど、見ているだけで結構おもしろくて、軽く1時間くらい経ってしまいました。あわてて宿に戻り、チェックアウトをして、本日の次の目的地へ向かいます。宿の前で再びとらさん一家と待ち合わせをし、今日も一緒に観光地めぐりをしてもらいます♪ほんと助かる♪
きょうのわんこ、第一弾。宿のとなりの窓でたたずんでたプードルちゃん。このおじさんのワンちゃんだそうです。可愛い。
で、本日の目的地はMariana(マリアーナ)という隣の町。
オウロプレットから列車に乗って向かいます。列車は今は観光列車として運行されているけれど、かつては鉱山との輸送手段として活躍したみたい。
9時半オウロプレット出発。パノラマカーというきれいなガラス張りの車両が最後尾についていて、おお!豪華!と感動したんだけど、お値段もかなり豪華で(笑)。私たちはおとなしく普通車両にしました。まぁそれでも大人一人22レアル(片道)なんだけれども。(子供半額)
さてジオラマに続き、男子たちは本物の列車におおはしゃぎ!
男子たちじゃなくても、ブラジルで列車の旅!大人の私もワクワクします。
座席もしっかりしているし、窓も大きいし、快適です。
風光明媚な緑の山間をぐんぐん進み、途中、滝や集落を見下ろしながら、ゆっくりと列車の旅を満喫します。昔は稼動していたらしい小さい駅が途中にあったりと、風情があります。
車なら20分の距離を、1時間かけて進むのんびり列車…
と言うか、かなり切り立った崖沿いに頑張って敷設したレールという感じなので、そりゃスピードは出せないよね、と言う状況であります。
でも山の緑がきれいで、バイーアにはない風景に心奪われ、写真を撮ったりしていると終点のマリアーナも割りとあっという間でしたよ。
着いたMariana(マリアーナ)という駅は、ピンク色のコロニアルな建物でとっても可愛い!
ここも、オウロプレット同様、ブラジルの金の時代に繁栄した都市だそうです。
今は、駅前が子ども向けの楽しい公園になっていて、日曜日と言うこともあり、ずいぶん多くの子供たちで賑わっていましたよ。
ブランコ、シーソーといった一般遊具に加え、音の鳴る大きな遊具(巨大シロフォンみたいなのとか)がいくつもあって、うん、これはかなり楽しい♪
思いがけず、ここで子供たちをしばし遊ばせることに相成りました。
マリアーナの駅からは車で移動し、かつての金鉱跡にトロッコで入って見学しよう!という「Mina de Passagem(ミナ・デ・パッサージェン)」へ。
今回の旅でぜひ行きたいスポットの一つだったのです。地球の歩き方では「ミナス・ダ・パッサージェン」として紹介されていますが、ミナ、が正解でした。
入場券(大人24レアル、子供20レアル)を買ってトロッコ乗り場に進みます。
ここも緑に包まれて気持ちがいい。生えている植物が全然バイーアと違うのよ。まるで北海道から本州に旅行したような気分。
トロッコは大変シンプルなもので、ええ、これに乗って暗い穴の中に入っていくのか!と、ちょっとドキドキしてしまうようなたたずまい…
一本のワイヤーだけで地上と結ばれているのよ…。だ、だ、だいじょうぶか…。
いざ乗り込み、スルスルと金鉱跡の中に入って行きます。ジェットコースター並みを想定していたけど、そんなに急速ではなく、ちょっと拍子抜け?
どうやら子連れなので、スピードをちょっと手加減してくれていたみたい。
乗ること約1分半、結構深いところまで入りますよ〜
トロッコを降りたところから、右方向へ、そして左方向へと、蜂の巣の中のように掘り進められている金鉱跡を歩いて進みます。男性ガイドさんが一人、解説しながら先導してくれます。
暗い中に裸電球が吊るされ、中はひんやりとして意外と涼しいの。
それにしてもこの地下に掘られた穴… 最初はアフリカからの奴隷による手作業だったというから、どれだけ大変な、長い年月がかかった金鉱なんだろう…と、当時をしのばずにいられなくなります。
その後、機械掘りに代わり、最終的には30キロもある地下通路が出来上がったとのことです。
ここから掘り出した石の中に、ほんのわずかの金が含まれているんだそうです。気の遠くなるような作業を経て、美しく貴重な金がもたらされていたんだなぁ。現場を目の当たりにすると、金を見る目が変わりますわ。
この地下の中に、美しく青い泉があり、なんとその中でダイビングをすることが出来るんだそう。珍しいですねぇ。
帰りは同じトロッコに乗って地上へ。
暗い穴に向かって下りていくのとは反対に、明るい地上を目指す帰りの便は、なんとなく安心する…
地上では、昔ながらの砂金採りの手法をおじさんが実演してくれました。泥の中から、ほんの少しの金しか採れないのよね。とても地道な作業。
こんなふうに、大人も子供も予想以上に楽しめたミナ・ダ・パッサージェン。オウロプレットにいらっしゃるなら、ぜひお勧めしたいスポットですね。
そうこうしているうちに、もうランチタイム。
オウロプレットの街まで戻って、宿の近くのポルキロレストランで軽く済ませました。いや、軽くないか(笑)しっかりと焼いた肉とかフェイジョアーダとかをお皿もりもりにいただきましたから!
旧市街にあるとは思えない、広々とした地下のレストランでしたよ。名前は忘れてしまったのだけれど。
午後はふたたび教会巡り。昨日は入れなかった2つの教会の中を見学しました。
ひとつは、サン・フランシスコ・ジ・アシス教会。
外装の細かな彫刻が素敵!
もうひとつは、コンセイサォン教会。
2箇所とも写真はNGだったけれど、内装がどちらも素晴らしかった。
細密な教会建築で知られる、地元ミナス出身のアレイジャジーニョの作品を集めた小さな博物館がコンセイサォン教会に併設されていて、そちらも見学できました。
教会へと続く道は、まるでサルヴァドールのペロウリーニョのよう!
カルナヴァルに向けて、町中にパステルカラーのひらひらを取り付けていたんだけど…
に、しても…
この急な坂道にはしごを設置して上るなんて!気を付けてよ〜
最後に、鉱物学博物館(Museu de Mineralogia da Escola de Minas)へ。
ここは前評判がすごく良くて。
と言っても私が直接聞いたのは、今朝の石細工のおじさんから。なんでも、オランダにある同種の博物館に次いで、世界第2の規模なんだそうです。さまざまな宝石がたくさん展示されていて素晴らしんですと。へぇー。目の前に世界第2の規模があると聞いたら、たとえ時間が少なくても、行ってみるしかないでしょう!
入ってみると、なんとまぁ、化石の部屋、力学の部屋、人類の歴史の部屋…と、宝石以外の分野の展示がたくさんあってびっくり。結構、本格的な博物館なのだわ。
あまり時間もなかったので、それぞれをさらっと見回ったんだけど、さすがに素晴らしかったのは宝石の部屋。
地元ミナス州をはじめ、南部や北部、わがバイーア州産まで、ブラジルで採れた各種の宝石の原石や加工済みの宝石が、ガラスごしにズラリと並ぶ。
もちろん、アフリカやアメリカ大陸、ヨーロッパ、さらには日本で採れた石もあった。きらきらして、カラフルで、天然のものがこんなに色づているなんて…と、ため息ものだ。
写真撮影は厳禁。
というか、入り口でロッカーにバッグごと預けなければ入館できないことになっている。厳しい。
実は宝石エリアは1階と2階があったみたい。でも私たちは時間の関係上、1階しか見られなかったの。
1階だけでも相当すごかったのに、さらに2階とは〜
確かに、世界有数の規模なのかも知れないね。オウロ・プレットに行かれる方はぜひ!
そこから眺める正面のチラデンチス広場も素敵です。記念撮影にぴったり。
閉館時間の17時まで博物館にいて、外に出たらすっかり日が暮れていた。少しお土産屋さんを見たのだけれど(土曜の夕方は閉店していたお店たち、日曜の夕方は軒並み開いておりました)、これがベスト!という商品に巡り合えず、我が家には珍しく(笑)何も買わずに帰ることとなりました。っていうか、朝しっかり石の小物入れを買ってるじゃん(笑)
さてここで、きょうのわんこ、第二弾。
広場前の塔にたたずむ、りりしいわんちゃん。かっこよかったので思わず一枚。
飛行機は夜10時の便だったので、9時までに空港につけばいいね、いま6時だから余裕だね…と言いながら、とらさんご一家とお別れ。一路、山道をくねくね抜けて、ベロ・オリゾンチの街へとドライブ〜
っと、途中からものすごい大雨が降りだした。かなりの大雨。ブラジル生活5年になるけど、こんな大雨めったにないよ!くらいの大雨。
もしかしたら飛行機飛ばないかも?
その前に、こんな大雨の中、ちゃんと空港まで辿り着けるのか???
幸い、ミナスの方々の運転は、大雨の中でも大変落ち着いていて、無理にクラクション鳴らしたり、スピードを落とさず走り抜けたり、という車が一台もなかったの。
だから、みんなでゆっくり、山道を下りていったのでした…
空港に近づくころには雨もだいぶおさまり、飛行機もオンタイムで飛びたってくれた。ホッ。
帰りの飛行機の中では全員爆睡。気が付くともうサルバドールだった。
飛行機に乗る前は、ああ、もう一山だわ〜と思ったけど、乗ってみたらすぐだった。ミナス、近い近い。
またぜひ行きたいなぁ。今度は近郊の町なんかもゆっくり巡ってみたいし、今回買えなかった可愛い木製の絵もじっくり探してみたいな。
とらさん、次回があれば、またぜひよろしくお願いしまーす!
このたびは本当にありがとうね♪