~私の好きなもの、好きなこと、興味のあることをあれこれと綴るブログです~

雨がひどすぎてお話になりません


毎日アメアメアメばかりですみません。
でも、雨なの。とにかく雨なんです。今のサルヴァドール。ネタはもう雨しかありません…。


昨夜はダンナが出張から戻って来る日だった。夜の9時頃空港に着くと言うことだった。
その頃、もう、もんのすごい雨で。明らかに「ヤバイ」感じの雨だった。3時過ぎからずっと断続的に降り続く「豪雨」であった。
こんなこと今まで経験したことないくらいの雨。
飛行機、ちゃんと着陸できるかな…。


と、心配してたら、とりあえずサルヴァドールに着陸出来たとの電話が入った。機内では「もしかしたら隣の州の州都・アラカジュに着陸することになるかも」ってアナウンスが入ったそうだ。
でもとりあえず着いて良かったね…。道路もすごいことになっているだろうから気を付けてね…と言ったら。


空港にはタクシーが一台もない。(いつもは過剰なほどにたくさん待機している)
タクシーカウンターにも長蛇の列。
こんな光景みたことない、と、出張回数数知れずのダンナも驚いている。
ま、とにかく車で帰るよ、と長蛇の列を横目に出発したらしい。


そして程なくしてまたダンナから電話。
自宅方面(サルヴァドール中心部)に向かう車線が通行止めになっていて、家と反対方向にしか車が進めないんだと。
おそらく、パラレラ(中心部に向かう幹線道路)がどこかで冠水しているのだろう。
こりゃ、家に着くのは夜中になるかもね…と言って、心配しつつ帰宅を待った。
結局、それほど大周りをすることなく、普段よりプラス1時間くらいで無事に帰ってきてよかったけれど。


豪雨は一晩中続いていて。


朝のニュースを付けたら、もう、それはそれはものすごい被害の様子が映し出されていた。
貧しい地域の小さな道路がまるで川になり、胸までつかるほどの水位になっていた。まっ茶色の泥入り雨水が、胸までつかっている状態。
家の中にももちろん水が入り、夜中に家から脱出せざるを得ない人たちの姿がいくつも映されていた。
インタビューに答えていたおばさんは、
「48回払いで冷蔵庫を買ったのに。まだ支払が残っているのに。冷蔵庫もベッドも何もかもだめになった…」と泣いていた。


大きなバス通りも道路陥没で巨大な水たまりができ、通行不能になっていた。
夜、仕事を終えて帰る人たちは、仕方なくバスを降りて徒歩で帰途についていた。


うちのお手伝いさんは、普段1時間半で帰れるところを、4時間かかったと言っていた。


朝刊の一面は、
「大雨による土砂崩れで家屋が倒壊し、幼い子供二人が土砂の下敷きになって死亡」というものだった。


朝、アレックスの運転手から電話が来た。
「別の子を迎えに行っている最中だが、途中で冠水のため進めなくなり、そっちにいつ迎えるかわからない」というものだった。


雨が一瞬上がったので、じゃあ自力でタクシーでアレックスを幼稚園に連れて行こうと思って、念のため幼稚園に電話して今日は通常営業かどうか聞いたら、
「アレックスの担任の先生の家が雨の被害にあい、引っ越ししなければならなくなった。今日は学校に来れる状況ではないから、アウラ(授業)は今日はありません」との返事。


多くの身近な人が、とんでもない被害に遭っている。
今回の雨は、まさに、記録的な大雨と言えると思う。


去年は5月の半ばに、こんな感じの大雨が来た。被害が最も大きかったのは、去年はここサルヴァドールではなく、もっと北のセアラーとかピアウイーだったけれども。


Defesa Civil(日本で言う消防隊のような?災害救助隊のような公的組織)は一日中、救援申し込みの電話を受け付け、対応に追われているそうだ。土砂崩れが起こったところに駆けつけ、生き埋めになった人を救助したり、精いっぱいの活動をしている。


でも、全然、足りてないんだろうな…。
被災者の数が多すぎる。避難民の数が多すぎる。あまりにも。
それだけ、地盤の悪い貧しい地域に住んでいる人の数が多すぎるということなんだけれども…。
その人たちは、他のどこに住む場所があると言うのだろう。そこしかないから、そこに住むしかないから、住んでいるわけで。


何を、どこから変えて行けば、こういう事態が、しかも毎年この時期に繰り返される事態が、防げるようになるのだろう。
みんなが同じことを毎回考えるんだろうけど(政治家も、一般市民も、他国のひとびとも、貧しい人たち自身も)、結局、劇的な改善など実現していない。
本当に、どうしたらいいんだろうね。


恐ろしいことに、天気予報は、この雨がなおも続くと言っている。いつ青空が戻るか、今は予想が立てられないと言っている。
さらに、今日は昨日よりひどくなると…。
実際、昨日よりひどいかも。午前中の時点で、もうすでに、昨日の午前中よりはるかにひどい感じがするよ。


今も街のどこかで、茶色い川を泳いで、高い土地に避難している人がいるんだろうな…悲しみにくれながら。途方にくれながら。
本当に、どうなっちゃうんだろう。


雨の被害がないところに住める私たちは幸せだわ…とか、そういう問題じゃない。貧しい人たちも頑張って仕事してお金貯めていい家に住めばいいじゃないの、とか、そういう簡単な話じゃない。
頑張りたくても頑張れない環境、仕事したくてもできない環境、貧困の循環。悪循環は、どこでどうやって止めたらいいんだろう…。