信じられないバス事故
ところで、ポル語授業に私が持参したもう一つの記事候補だった「ありえない事故」とは…
日曜の真昼間にサルヴァドール市内で発生した、バス事故。
信じられないことに、バスに乗り込んで間もなく、男子大学生がバスから落ちて頭を強く打って即死したと言う事故でした。
バスから落ちて?
バスから…落ちるって???
普通、考えられない事故でしょ???
(事故と言うものはいつも、予測もできない中で突然に起こってしまうものだけれども)
サルバドールのバスは、後ろ乗り・前降りスタイル。で、乗ってすぐのところに料金徴収人がいて、料金を払って初めてバーを押して車内に乗り込めるのね。で、落ちてしまった被害者の学生は、バーの手前にいた、というか、乗り口におそらく足をかけたかどうかの状態だったんだと思われる。
そして恐ろしいことに、バスは後ろのドアを開けたまま発車。おそらくや、急発進と思われる。
乗り口ぎわに立っていた彼は、急発進の勢いで振り落とされてしまったと推測される…。
信じられないことに、彼が落ちてしまったことを、運転手も料金徴収人も知らなかったと言う。
その彼は、彼女と二人で乗り込んだんだけど、先に乗った彼女はバーを押して車内にすでに入っていた。で、バスは進んだけど後から来ているはずの彼がいない。料金徴収人に聞いたら「降りたんじゃない?」なんてぬかす。
彼の携帯に電話をしても応答はなく…しばらく走ったころ、彼の死を知らせる友人からの電話が逆に彼女の携帯に入ってきたと言う…
なんか、すべてにおいて、ありえない…。
あってはならない。
結局、一番の問題は「ドアを開けたまま発進した運転手」なのか。
「乗客全員の乗車を確認していない料金徴収人」なのか。
もしかして、ドアからはみ出るほどの混雑状態だったとしたら、そのバスに乗りこまないという選択もするべきだったのか。
自分で自分の身を守る。最大限に守る。それでも、いくら守っても限界はある。
なんか、そんなことを改めて考えさせられた事故で。
前途ある、罪なき学生の若い死を無駄にしないためにも、この事故をバス業界全体で真剣にとらえて、業務改善に当たって欲しいものだけど…
サルヴァドールのバス業界じゃ、どうかなぁ…。残念ながら、あまり期待できそうにない状況と言わざるを得ないかも。