ハロッズベアの旅立ち

コイのクラスで、クリスマスプレゼントの交換会があると言う。この時期、学校や会社で盛んに行われる「Amigo Secreto」（アミーゴ・セクレット）というやつだ。
事前にくじ引きでプレゼントを渡す相手を決める。自分がだれに渡すかはこれでわかるけど、自分が誰からもらうのかはわからない…。というわけで、セクレット（内緒）というわけね。

コイがたまたまひいたくじには、なななんと、コイが密かに思いを寄せる（初恋の？）女の子の名前があったそうだ。
ほのかに嬉しそうなコイ…。むむむ、可愛い奴よのぅ。
それはプレゼント選びにも気合が入ると言うもの。
去年などは、ママにまかせるから買っておいて！という態度だったんだけどねぇ。好きな子宛てとなるとヤル気が違いますなぁ。

で、ＣＤにすると言う。
Black Eyed Peas（ブラック・アイド・ピース）というバンドの、モンキーなんちゃらというタイトルのＣＤ、というところまで指定している。なんで？
どうやら、そのバンドが、コイと彼女の間でブームらしい。
そういえば時々口ずさんでいたり、Youtubeで画像を探して見たりしているな、最近。
それにしてもわたしゃ全然聞いたこともないバンドなんですけど。ってことでググってみると、アメリカのバンドなんですね。

Monkey Business (Dig)

しょうがないから、リクエストにこたえるべく、サライバのＣＤ売り場で探し求めましたよ。そしたらラッキーにも一枚だけありました。良かった〜。ミッション完了！

…と思って張り切って用意していたら、コイががっくり肩を落として帰宅したではないか。
「ママー、そのＣＤ、もう持ってるんだって…」と来た。
がーーーん。
もう持ってるＣＤを贈るなんてマヌケなこと、さすがのコイもしちゃいかんでしょう。
がーーーん。

プレゼント交換は明日。
もう別のものを買いに行く時間はない…。
さて、どうしよう。

プレゼント交換品は、そういえば、「２０レアル以下のもの、もしくは家にあるもの」という但し書きがあったんだった。
家にあるもの…。
家にあるもので、女の子が喜びそうなもの…。

とっさに目に着いたのが、先日買って来たサンタのぬいぐるみ。ツリーの下に座らせて飾っていた。あれなら可愛いし、喜ぶんじゃない？それほど高いものじゃなかったし（笑）
ということで勧めてみる。
が、コイの目に留まったのは、サンタぬいぐるみの隣にいたテディベアであった。
「ママ、これあげよう！たくさんいるから、いいよね？きっと気に入るし！」と目を輝かせている。

そのテディベアって…
私の大切なコレクションなんですけど。
三越で毎年、年末になると発売される、足に年号が入った「ハロッズ　イヤーベア」なんですけど〜。

確かに、我が家にはたくさんいる。
日本を出る時、多くのぬいぐるみはお留守番させてきたけど、ハロッズベアだけは全員、連れて来たのよ。だって可愛いから。どれもこれも可愛いんだもの。
ちなみにうちにいるのは、１９９７（赤いリボン）、１９９８（緑のセーター）、１９９９（えんじのマフラー）、２０００（紫の服）、２００２（白いセーター）の５体。それぞれに名前が付いてるんだけど忘れちゃった。
全部顔が違って、毛色や毛並みも違って、それぞれに可愛いの…。
手放すなんて…。

と、思ったけど。
コイが珍しくヤル気を見せているし。コイの初恋の子のところに旅立ったと思えば、それも悪くないか…と思うようになり。
５人のうちから一人を選ぶ決意をした。
ずらりと並べて。
どの子も可愛い…　うう〜、つらいねぇ。一人だけ選ぶのか〜。

結局、２０００年の、紫の服の子に決めた。迷ったけど、一番思い入れの少ない年号だったから。
ほかのは、初めての子だったり、結婚した年のだったり、出産した年のだったり…いろいろと思い出が詰まっているからねぇ。
コイは、クマならどれでもいいよ、ってな感じでいたってクールなんだけどさ。

そして、大きな袋に入れられて、翌日、彼女のもとに旅立ちました…。

で、どうどう？彼女の反応はどうだったのよ？？？
と、帰宅するなり思わずコイに問い詰める嫌な母（笑）
そしたら、プレゼントは家に帰ってから開けること！というお達しのため、本人が開けた様子はまだ知らないよ、ということ…。そ、そっか。そうだよね。
きっと、喜んでくれているよね…
と、送りだした側としては、そう思わずにいられません。はい。

でも実際はどうなんだろうね〜
２０００年、なんて刻まれたベアを見て、「こんな古いクマ、やだ〜」とか言われてたりして？？？