エリス・レジーナの娘、マリア・ヒッタのライブinサルヴァドール
エリス・レジーナ(Elis Regina、エリス・ヘジーナと発音する)と言えば、ブラジルを代表する女性人気歌手だったそうな。私はよく存じ上げないのですが、そういえばうちにもCDがあったな…Tom Jobimと彼女のデュエット版。
- アーティスト: Antonio Carlos Jobim,Elis Regina
- 出版社/メーカー: Verve
- 発売日: 2008/06/03
- メディア: CD
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ライブのタイトルは、Jardim do Eden、エデンの園と言う…。
会場は、初めて行くタイプ。どんな状態のライブになるのか、ちょっと想像がつかなかった。
と言うのは、だいたい、ブラジルにおけるライブというものは、以下のように分類できる(私の経験上ですが)。
タイプ1:テーブルとイス席がある屋内ホールで、おしゃれしたお金持ちが飲食を楽しみながらまったりと楽しむ。サンパウロのシティバンキホールなどで行われた大物系アーティスト(シコ・ブアルキ、カエターノ・ヴェローゾ、イヴァン・リンス)などのショウがこれに当たる。
タイプ2:テアトロ(劇場)のステージで行われる、普通に着席してまったりと楽しむ。サンパウロのセスキ、フェカッピ、サルヴァドールのTCAホールなどで行われるアーティスト(大物から若手まで)のショウがこれに当たる。
タイプ3:どでかい特設野外ステージがあり、オールスタンディング状態で飛んだり跳ねたりしてパワフルに楽しむ。お揃いのTシャツが入場券代わり。サルバドールのコンベンションセンターとかウェットン・ワイルドなどで行われる、アシェやパゴーヂなどのフェスタがこれに当たる。
言うまでもなく、私はタイプ1が好き。日本で言うとブルーノート東京を巨大にした感じか?なんせ、飲食しながら好きなアーティストの生歌を聞くなんて最高でしょ。
で、今回は、上記のどれにも当てはまらなさそう…。
サルバドールから車で約40分ほどの、カツサバリゾートという大きなリゾートホテルの敷地内で行われると言うのだ。
お揃いTシャツは今回はないと言う。
うーん、野外ステージであることには変わりないだろうけど、お揃いTシャツなし。ということはタイプ3でもない。って言うか、音楽的にタイプ3はありえない。
ホテルの雰囲気的にも、そんなにイケイケなショウになるとは思えない。
でもイスをたっぷり配置できるような広さでもない…
むーーーーん。何着て行こう。カメラ持ってっても平気かなぁ。悶々…
とりあえず、ちょっとおしゃれめなぺたんこサンダルに、ちょっとフリフリつきのトップス、ショートパンツといういでたちに。
ダンナも一応、Tシャツじゃなくてポロシャツ(襟付きってことで。)そしてやはりショートパンツで。
で、会場に着いてみなさまの様子を見たら…
なんだなんだ?ちょっとみんなワンピース率が高いじゃないの!
しかも男性陣、オール長ズボンなんですけど〜〜〜。(ダンナ冷や汗)
そして、案外年齢層が高いことにも気付いた。そ、そうなのか、マリア・ヒッタは熟年にも人気があるのか?!
だったら私もワンピース着てくれば良かった〜。そしてカメラは全く問題なさそうだ〜。(今日は持参したぞ)
さて、9時開演予定のショウ。しかし実際に始まったのは10時近く。さすがブラジル。
最初に登場したのは、この日のもう一人の出演者であるEmerson Nogueira(エメルソン・ノゲイラ)。彼のこともよく存じ上げないが、ショウの前にいくつかCDを買って予習しておいた。どうやら、外国曲のカバーを得意とするギター弾きシンガーらしい。
うん、確かに、どこかで耳にしたことがある懐かしいアメリカのヒット曲が次々に…
ホテル・カリフォルニアとか…こりゃもうほとんど懐メロの世界ですな。
集ったお客さま方、もう大喜びで。熟年層ウケ最高のラインナップであります。うっとりと芝生席で抱き合いながら聞いているアラカン風のカップルなど、いいですなぁ、いくつになってもラブラブって…♪
そうかと思えばアラカンなカップルが目の前でディープキスを繰り広げたりして…
い、い、いいですなぁいくつになってもラブラブで…(汗
予想外に楽しめたエメルソン・ノゲイラのショウ。約1時間半ほどで終わり、いよいよお待ちかねのマリア・ヒッタの登場である!
司会者によると、ステージセット入れ替えのため、20分ほど幕間を取ると言う。みなさんその間、バーでお飲みになってお待ち下さい、などと言う。
しかし我々、せっかくにじり寄ってステージから10列目ほどのあたりに陣取った。ここを動くわけにゃいかん。
20分、最大でも30分で次のステージが始まる、という言葉を信じて、そこに居座る。足疲れたから地べたに座り込んで、居座る(あぁやっぱりワンピースじゃなくて良かったと思う瞬間)。
ところが。
20分過ぎ、30分過ぎても、マリア・ヒッタは現れず。
30分過ぎ、50分過ぎても、現れず。
そして1時間経過しても…現れず。
さすがのブラジル人たちもお怒りモードである。そりゃそうよ、何の説明もなしにこれだけ待たせて!
地べたに1時間居座る身にもなってよ!!!
待ち疲れたブラジル人、何を思ったか、突然「イーベッチ!イーベッチ!」と、イベッチコールを始める始末。
いくらここがイベッチの街だからって…そそそれはちょっと失礼では…(だって、聖子ちゃんコンサートに来て、明菜コールをするようなもん。って例えが古いよっ!)
でも、気持ちはわかる。
イベッチなら、いくらなんでもこんなにファンを待たせないでしょう。
1時間過ぎたあたりで、これはもう、今夜はドタキャンされるのかもーと本気で思った。
だって、おかしいでしょう。単独コンサートで開始時間が1時間遅れるのはアリだけど、二人が登場するコンサートの2組目で、なんでこんなに時間がかかるの???
ちなみに、ステージセットは確かに30分以内で移動完了している。
マリア・ヒッタに何があったのか。
ダンナいわく「よっぽど傲慢なのか、よっぽど臆病なのか」。ん???
いやいや、大物アーティストだって、ステージ前はものすごく緊張して逃げ出したくなるんだそうだ。そ、そうだよなぁ…。
に、してもだ。待たせるのもいい加減にしろ!
…結局、マリア・ヒッタがステージに現れたのは、1時間半後であった…
そんな具合で、ネガティブなイメージから入ってしまった彼女のショウ。いや、あれは損だよ、マリアよ。会場のみんなの士気が完全に下がっていた中での登場だよ。
そりゃ、アンコールで大きな拍手も起こらないはずだよ…
(とは言え、ステージ中はみんなノリノリだったけどね。)
ステージ自体はまぁ良かったと言うか何と言うか。
なんとなく、CDの声よりかすれ気味だった気はするけど。ってことはやっぱり体調悪かったのか?!
でもうまくソツなく歌いこなし、アルバムSamba Meuの曲を次々に披露して観客を沸かせていた。サンバの曲はいいよね。気持ちよく乗れる。
細かいサンバステップも可愛くて、ときどき、ミニワンピースのすそをちらっとまくって見せて女っぷりを表現したり…
(周囲のブラジル人男性から、かわい〜キレイ〜最高〜〜〜♪の声多数。)
- アーティスト: Maria Rita
- 出版社/メーカー: Warner Music Latina
- 発売日: 2007/10/22
- メディア: CD
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歌の良しあしもさることながら、今回は、バックバンドの演奏がとても良かった。パーカッションの二人は実に楽しそうに太鼓を叩くし、コントラバスもよく響いていたし、ピアノもいい味出していた。
って、間接的に彼女の歌をあまり評価してない私?!(ごごごめんなさい)
でも彼女の歌は、ライブよりCDで聞く方が私は好きだな〜。声量でガンガン押すタイプじゃないから、部屋でしっとりCDで聞くのがいい…。
いやきっと1時間半も待たされなければ、私の中での評価はもっと上がったかも知れない…。ほんと残念…。人間、第一印象は大事ですな。
ということで、今回のライブをタイプ別に分けると、1でも2でも3でもなく、タイプ4なのでありました。
スタンディングフロアあり、イスもあり。ライトアップされたヤシの木がとっても雰囲気が良く、バーのドリンクも高級で(だってビールがスコールじゃなくてボヘミアだったよ!ライブのビールでボヘミアなんて見たことないよ!)。
そしてスタンディングでも客層の品がいいから満員電車状態にはならず、ほどほどに周囲との距離感があるの。
これはいいね、うん。泥棒の心配も少なくて済む雰囲気。
サンパウロでは経験したことのないタイプのライブでありました。
ところで彼女の母、エリス・ヘジーナは、若干36歳で急死している。
死因をググってみたら、急性薬物中毒だとか…。
薬物は怖いです、本当に。
(そういえばのりぴーはどうなったのかしら)
※ライブつながりで。
臨月イベッチのパワフルライブ をアップしました。9カ月で歌うイベッチの姿、すごいよ!