~私の好きなもの、好きなこと、興味のあることをあれこれと綴るブログです~

マセイオーの海


少し前の話ですが。
サルバドールから長距離バスで9時間、飛行機だと1時間で行けてしまう、同じく大西洋に面した街Maceió(マセイオー)に行ってきました。
行きは夜行バスで。はい、夜10時に出発して朝7時過ぎに着きましたから、まるまる9時間かかりましたけどね、この長距離バスってのがなかなかバカに出来ないんですよ。
座席なんて、エコノミークラスの飛行機よりよっぽど広いし、ほとんどフルフラットに近く背もたれが倒れるの。
長距離バスにもランクがあって、今回利用したのは高級なほうだったのね。だから快適だったというのもあるけど。
この程度の移動時間だったら、夜行バスも悪くないな…と。
出発時間が遅いので、子どもたちは着席直後に熟睡(朝までグッスリ。トイレのためにわざわざ起こす感じで。)…これもラクチン。



さて、マセイオと言うと、アラゴアス州の州都であり、それなりに大きな都市ではあるのですが、サルバドールとは全然雰囲気が違うのね〜。
これまで、ノルデスチの海なんて、サルバドールもマセイオレシフェもナタウもフォルタレーザもそんなに大差ないだろう、と思い込んでいた節がある。なんとなくね。
ところが、すすすいませんマセイオ様、これまで見くびっててごめんなさいっ!
と、朝の引き潮時の海の色を見て心からごめんなさいしました。
この海の色ったら!
エメラルドグリーンの美しさったら!!!


正直、驚きました。
たまたま時間帯が良かったのかもしれないけど、ビーチから沖に向かってえんえんと続く遠浅のクリアな海は、本当に本当に美しくて。
これはカンクンなみにきれいかも!と思ってしまった。本気で。


砂の色は真っ白というわけでもないんだけど、なんだろう、きれいなんだよなぁ。
ひざ下程度の浅い海ということで、子どもたちもどこまでも走っていける。水しぶきを豪快に飛ばしながら。
ときどき、はいはいしつつ。ほふく前進しつつ。
とにかく楽しい海だ。ただ水と戯れているだけにすぎないんだけど、それがとにかく、楽しいんだ〜


そしてマセイオは、飲食の面でもかなり充実している。
ちょうど、私がいつも愛読しているVeja誌のレストラン特集「マセイオ版」が最近出たようで、バンカ(街かどのキオスク)で発見するなり即買い!
事前にネット上で評判を見ていたレストランに加え、その本による評価ももとに、短い滞在期間でどのようにレストラン巡りをするか検討した。このあたり、いつも真剣な私。
旅は食なり、の私ですからっ。


なぜかおしゃれな創作ペルー料理店があったり。(セビッチェ美味しかった)


海沿いのピザ屋はなぜかピザは夜のみ提供、だけどロブスター料理がなかなかイケてたり。

散歩に疲れた時にぴったりの、なかなか本格的な美味しさがうれしいイタリアンジェラート屋があったり。

どうしてマセイオなのにミナス料理?だけど街一番美味しいとされている店の料理はは本当に絶品だったり。


今回はどの店も当たりで、その点においても私の中ではマセイオのポイントアップ♪なのでした。


そして欠かせないのが、ジャンガーダ(帆掛け舟)で移動する、沖合の天然プール。picina natural(ピッシーナ・ナトゥラウ)であります。
干潮時の前後1時間程度がジャンガーダの運航時間、ということで、その日の引き潮時間をチェックしたうえでお楽しみいただきたいんだけれども、これはマセイオに来るなら絶対行くべし!
マル必ですよ〜〜〜。


帆掛け舟っていうのがまず情緒あるでしょ。モーターを持たない、非常にシンプルな船なのよ。
巨大な帆を張って、帆に水をばしゃばしゃかけて濡らしてスピードアップさせて進む船。よくこんなんで進むよな…と思うけど、結構速いのよ。心地よい速さ。
かれこれ15分ほどで天然プールスポットに到着するから、あっという間。


引き潮時のそこは、もう何て言うか、別世界。海なんだけど海じゃないような。
地に足をつけて、ならぬ、海に足をつけて陸地を眺める気分。何とも言えず爽快であります。
もちろん、海の生き物も間近に見られて楽しい。小さいネオンブルーの魚とか、大量のウニとか!
黄色と黒のシマシマの魚(こういう天然プールの定番魚ね)もたくさんいて。シュノーケル道具はかさばるし借りるのももったいなから、と、我が家はいつも普通の競泳用水中メガネで潜るんだけど、それで十分。
アレックスもしっかり海の中を覗き込んで魚を見つけたよ。


ちゃっかりとビールやシーフードを売りに来るおじさんがいたり。
ガスボンベを積んでフライパンでエビを炒めている舟があったり。至れり尽くせりのサービスには頭が下がります…
そんなこんなで、1時間半ほどの滞在はあっという間に終わっちゃうのであります。


こことは別に、タクシーを1日約4500円でチャーターし、美しいと評判の南部のビーチ「グンガ」とか「フランセス」にも行ったけどね、そこまで行かなくとも、マセイオのこの天然プールに行けばかなり楽しめます。
グンガの天然プールも楽しかったしキレイだったけど、そこだけを目的にするにはちょっと遠くて交通費かかるし。
(でも海の生物が満載でおもしろかったよ)



フランセス海岸もキレイだったけど(確かに水質はマセイオ市内よりずっと良くて、安心して海水浴できるらしい→ってことは、マセイオ市内の海はやっぱり汚れてるってことね〜そりゃ都会だものね〜)。
でも、土日だったせいか、地元の人とか観光客とかでとにかく混雑してたんだよね。市内のビーチと同じくらいに。
バナナボートなどのアトラクションがあったのはおもしろそうだったけど、これも交通費かけてまで行くほどのものかなぁ、と個人的には思う次第で。
(でもやっぱり海の色は素晴らしかったよ)


逆に言うと、遠くまで行かなくても、マセイオのビーチは十分美しくて楽しくて、もうそれだけで満足できるわ!と言うことであります。ホント、あまり期待してなかっただけに、この感想は自分でもビックリなんだけれどもね。
海辺の散歩道が整備されていて、夜のそぞろ歩きが楽しい点も好き。そこがサルバドールと決定的に違うなぁ、と思う。
サルバドールの夜のビーチ沿いのそぞろ歩きはちょっとね… バッハのあたりなら案外大丈夫なのかなぁ。(実は未体験)



結論。
純粋にビーチを楽しんだり海を遊びつくしたいなら、サルバドールよりレシフェよりマセイオ
ビーチだけじゃなく旧市街見学とか音楽などを楽しみたいなら、サルバドール、ですね。
両市とも、空港から中心街までが遠いのがネックと言えばネック。いずれも40分は軽くかかりますからねぇ。
タクシー料金も50〜70レアルと高いです。


あ、あと。
サルバドールもそうだけど、マセイオも時期によって海の輝きに差が出るらしい、です。
出張で過去何度もマセイオに行っているダンナの談ですがね。やはり、冬と言われる6〜8月あたりは、海の色もそこまで感動的ではないとか…。
ノルデスチの海は、まさにこれからが旬ですね。
9月23日、日本の秋分の日から、ブラジルの冬は終り、primavera(プリマヴェーラ、春)になります。