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はじめての二人旅、ベレンへ(超長文)

1泊2日で、コイとはじめての母子二人旅に出た。行き先はベレンアマゾン川の入り口の町、パラー州の州都、ベレンである。
地図で言うと上の方の真ん中あたり。わかります?
(地図はhttp://www.lextours.com/map/brazil.htmlより拝借)

なぜにベレンか。
勘のいい方ならすぐにお気づきでしょうか。
ベレンを含むアマゾン地方は、今年、日系移民80周年記念の年を迎えたのです。去年は「ブラジル移民100周年」で、今年は、「アマゾン地方に最初の日本人が入植してから80年」ということ。
そう、アマゾン移民の方々の中には、我が北海道出身で、コショウ栽培で入植した方も結構いらっしゃると聞く。だから、なんとなく身近に感じてしまう、80周年のお話。(写真は、イベント会場で展示されていた入植当時のもの。巨木に注目。)


で、どうやらそのイベント会場で、宮沢さんが歌うらしい。
宮沢さんとは、島唄The Boomの宮沢さん。去年もサンパウロなどで100周年を祝ってコンサートをした宮沢和史さんである。
ご存知のとおり、我が家は揃って宮沢さんファンである。まぁ私などはブラジルに来てから、彼のブラジルに対する熱い思いを知り、いろいろな場面で彼を目にするにつれ、だんだん好きになっていったという…ファンとしては新参者なのですがね。
(それでも2年前は高知のガンガズンバライブ、今年の8月には戸田のブーム20周年ライブにしっかり行きましたけど♪)


ベレンで宮沢さんが歌う日を知ったのは、まさにその日の前日でありました。アマゾニアニッパク協会に電話してスケジュールを確認し、飛行機が取れるかどうか、ホテルが空いているかどうかなどなどをダダダーっと確認し…
なんとか行けそうだ、よし、ならばコイと二人で行くか。
コンサート当日は金曜日。たまたまその日は、月に一度の職員会議の日で、コイは11時半で帰宅する日。
半日ならエイっ、休ませちゃえ。
ダンナは仕事を休めないし、そもそも去年のサンパウロ公演に一人で行ったので今回は我慢すると言ってるし。
アレックスは幼稚園があるし、お手伝いさんの時間変更でお迎え対応も大丈夫そうだ。


そんなわけで、本当に突然に、ベレンへ飛び立ったのが金曜日の朝7時。
ベレンの空港に降り立ったのが午後2時半。
軽く「ベレンに一泊」と言うけれど、サルバドール−ベレン間って、実はかなり遠い。もちろん直行便などはなく、サルバドールからブラジリアへ(約2時間)。ブラジリアからベレンへ(約3時間)。
合計5時間も空を飛ばねばならないのだ。
むーん、これなら、サンパウロから直行便でひとっとびのほうがずっと楽だわねぇ。日本から軽くベトナムあたりまで行けそうだよねぇ。
緯度的には、サルバドールのほうがベレンに近いんだけどねぇ… ぶぅぶぅ…
しかも行きの飛行機は、ブラジリアからベレンに行く途中に、Marabaという町で客の入れ替えがあった。マラバーなんて聞いたことないよっ!どんな田舎だよっ!どれだけの人が降りるんだよっ!と思ったら…ブラジリアから乗ったほぼ全員がその町で降り、降りた分だけの人数がその町から乗ったのであった…。
後で聞くと、マラバーは鉱石が取れる、お金持ちの町らしい。なーるーほーど。


ところでベレンは、私たち実は2度目の訪問である。
このブログに書いていない唯一の旅行記「2007年ベレンマナウス・パリンチンスを巡るアマゾン旅行」の初日に来たのが、ここベレンであった。あの旅は、今までの旅行のベストスリーに入るであろうナイスな旅だったんだけどねぇ、直後に一時帰国したために旅行記を書けないまま今に至るのであるよ。(いつか書きたいな、とは思いつつ。)


降り立ったときのむわっとした熱気。じっとりと肌にすいつく湿った空気。そして暑さ。
この感覚はベレンならでは。
すごく暑いけど、町のメインストリートを覆う天然の緑のアーチ、巨大なマンゴーの並木が太陽をさえぎると、とても爽やかで快適になる。これがベレンなんだよねぇ。


前にも歩いた通りを歩き、前にも来たウォーターフロントのおしゃれな施設「エスタサォン・ダス・ドッカス」に入り、あぁあの頃はアレックスはまだベビーカーだったよねぇ…いやおんぶっこバギーだったっけ…などと前回の旅に思いをはせる。
コイだって2回目なんだけど、残念ながら前回の記憶はあまりないようで。ま、4歳児そこそこの記憶なんてそんなもん?!


そしてタクシーで本日のイベント会場、アンガー(HANGAR)へ。要するに大規模な見本市会場なんだけど、今まで見たどこのコンベンションセンターよりおしゃれで新しくて綺麗なところだったのでビックリ。
入口の池に浮かぶ灯篭の文字が何とも言えません。



入場料5レアルを払って中に入ると、サンパウロの日本祭りのような状態であった。FUJINKAI(婦人会)のお母さんたちによる屋台はここベレンでも大人気だったし、漢字で名前を書くサービスがあったり、生け花の作品展があったり。
こういう機会、サンパウロではよくあったけれど、サルバドールではほぼ皆無(実際は8月に日本祭りがあるそうだけど、私は毎年日本にいるので未体験〜)。だから、なんだか懐かしい気持ちになった。

でもサンパウロの日本祭りと違うのは、圧倒的に非日系ブラジル人が多いこと!
もちろん、日系のみなさんも結構いるんだけどね、その比率たるや2〜3割程度?!
そして、会場全体にすごくエネルギーがみなぎっている感じがして。なんだろう、活気があるのよね。地域柄なのか、アマゾン日系移民とサンパウロ日系移民のカラーが微妙に違うのか、そのへんは研究
足でわからないんだけど、なんかとにかく、ここは楽しいぞ!って感じ。

会場の一番奥にメインステージがあって、そこで次々に出し物がある。
私たちが着いた頃、いきなり、若者によるコスプレショーが始まった。出演者も見物人も、見事に非日系人というところが笑えた…
特に人気はスーパーマリオに扮した小柄な女の子。動きがよく似てて、確かに良かった。
でも、審査の結果、見事リオ行きの切符を手にしたのは、金髪のブルーの服の男の子だった。っていうかリオで全国大会でも開かれるのか?おそるべしコスプレ…。


続いて合気道やら太鼓やらの実演があり、さぁいよいよ宮沢さんソロコンサートの始まりかっ!と思ったら、舞台に巨大な幕が張られた。そこにはMANJUSHAKAの文字。



曼珠釈迦…
なんだかわからないが、踊りの団体だそうだ。会場のテンションも高まってきたので、どんなすごいのが登場するかと思ったら、ほんとにすごかった!


歌舞伎のような、日舞のような、でも衣装の背中にネオンがともり小林幸子のような…
ど派手なおばさまが笑顔で登場。
そうかと思えば、刀を振り回してにぎやかに立ち回る男性役者が出てきたり。


見ようによってはかの国の喜び組のような、笑顔うるわしいお姉さま複数による和装の踊りがあったり。

そしてまさかの「ツッパリハイスクールロックンロール」踊り…
原曲を知っているだけに、空いた口がふさがらない私であったが、会場の盛り上がりはもう大変なもので。大ウケ!


男役のメイン役者さんはどうやら「ゆめや」という名前のようで、彼が登場するたびにブラジル人から「ユメヤ!ユメヤ!」のコールがかかっていた。実は人気グループなのか、マンジュシャカ!?


…と思って帰宅してからネットで調べたら、茨城県を本拠地とする日本の舞踊団体なんですね。国際交流を積極的に展開しているらしく、去年も100周年でブラジル公演に来たらしい。
座長のお姉さまは、ファッションデザイナーとしても活躍していたらしく、なるほどそれであの衣装なのね〜と納得。目で見てキレイな、しかも外国人がいかにも喜びそうな和装は、さすがの一言です、はい。
どのシーンも飽きさせず、ビシビシと視覚に訴えてくるステージ。これはちょっと真似できません。これは文化だ。


それにしても、このステージ。一言で言うなら「体育館レベル」のサイズ。
客席の様子も、まさしく「日本祭り」状態で、まったりとテーブル・イスが並んでいる感じ。
こんなところで本当に宮沢さんが歌うのだろうか?こんなアットホームな会場で???
しかも、このド派手なステージの後で、一人で歌うなんて…いったいどうなるの???


頭の中がハテナでいっぱいになりつつ、やっとその時を迎えた。