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(3)まるで台風のパイネ国立公園に到着

カラファテには1泊しただけで、翌朝7時半には次の目的地・チリのパイネ国立公園内にあるホテル「オステリア・ラス・トーレス」からバンが迎えにきた。
このホテル、もぅびっくりするくらいお値段が高くて、それこそ清水の舞台から飛び降りるくらいなんだけれども、カラファテからホテルまでの送迎から滞在中のすべての飲食、オプショナルツアー代などすべて込み込みのオール・インクルーシブプランなのだ。
これにするかかなり迷ったけど、まぁ一生に一度行くかどうか…って場所だし、ってことで腹をくくりました。


で、カラファテまでは、我が家専用のバンで迎えに来てくれたのでした。もしかしたら他にカラファテ発の宿泊客がいたら相乗りだったのかも知れないけどね、我が家専用ってのは本当に助かる。
いつ子どもたちが騒いでも、誰かに迷惑をかけるわけではないし。広い車内(3列シート)をゆうゆうと使って眠れるし。


なんたってパタゴニアは広い。
カラファテからチリのパイネまで車で約5時間。もっとも、途中で国境越えの手続きをしたり、お金の両替をしたり…と、あれこれ含めて5時間なのであって、とにかくぶっ飛ばせばたぶん4時間で行けると思う。
まぁ、でも、やっぱり広いよね。



国境越えは、簡単なゲートがあって、その向こうにチリ側の入国審査の簡単な建物があるだけ。
車をいったん降りて、パスポートチェックを受ける。
ここで、日本からの団体客の皆さま、約20名ほどとバッタリ遭遇。熟年旅行者の皆様、関西の方々が多かったかな。
こんな地球の果てで、こんなに多くの日本人の皆様にお会いできるとは〜。なんだかほのぼのしましたわ。皆さんお元気に、私たちとは逆にチリを出てカラファテに向かいました。


途中の風景は、とにかくだだっぴろいパタゴニアの平原であります。
空は曇り。時折、大きな大きな虹が空に広がって、きれいだったなぁ。色がね、クッキリなのよ。セキトウオウリョクセイランシ♪って、聖子ちゃんの曲を思わず口ずさんで色の並び順を確認する私。(この曲がわかる人はかなりの聖子マニア?!)


アルゼンチン側はずっときれいな快適アスファルト
…だったんだけど、チリ側に入ってまもなく、未舗装のガタガタ道になっちゃった。結構なスピードで走るからガタガタと車は揺れて。酔いやすい人は要注意かも。
そして今日はなんだか天気が良くないねぇ…青空が見えないねぇ…
まぁ、移動日なんだから、天気は別にいいか〜。


チリ側のパタゴニアは、動物がいっぱいいた。
湖にきれいなピンクのフラミンゴ。


草原にかわいいグアナコ。
ラクダ科の動物で、ちょっとシカっぽくて可愛いの。
道路を横断しちゃうあたりも、知床のエゾシカっぽい(笑)


これらの姿は、今日通ったアルゼンチン側の道路沿いにはいなかったね。植生が違ってくるのね、車で5時間も走ると。
チリ側は、もっと草が茂っていて、動物が過ごしやすそうな環境のようだ。アルゼンチン側はとにかく風が強くてだだっぴろい。その広さがまた素晴らしいんだけど。(実はちょっと飽きるけど・苦笑)


銀色ギツネや、大きなウサギ(ピーターラビットみたいな色の)もときどき現われて、私たちの目を楽しませてくれる。動物探しは楽しいね。
動物好きなアレックスも「なんかのがいた!!!」(正しくは「何かがいた!」となるんだろうけど、彼的日本語だとこうなる。)と、張り切って発見した動物を教えてくれる。


そうこうしているうちに、小さな川にかかる狭い狭い木橋を渡る段になった。
この橋、ほんとに狭くて。バンの車幅ギリギリ。文字通りギリギリすぎて、運転手さんは橋の直前でサイドミラーを車からはずしたよ…
そして車は神業のようにスルスルと橋を通過する…。すすすごい…。
車体と欄干の距離、1.5センチって感じ。冗談じゃなくて。


パイネ国立公園内の、ホステリア・ラス・トーレスに来る人は必ずこの橋を通らなければならない。
大型バスなどは通れない。なので、小さいバンに乗り換えてみんなここを渡るのである。なんか、秘境チックで良いわ〜〜〜。


そして到着したホテルは…
風が強かった。


ひたすら、風が強かった。


さらに雨が降り始めた。


強風+雨=台風、である。これはまさに台風…。


なのになのに、屋外のキャンプエリアにはテントが立っている。いや、まもなく吹っ飛びそうな雰囲気…。
ホテルのロビーには、大きなバックパックを背負った山歩き系のひとたちが身を寄せ合っている。


パイネって…。
風が強いとか、山の天気は変わりやすいとか聞いてたけど、ま、まじでこんなに台風状態なのぉぉぉぉ????
台風中継レポートよりすごいくらいの状態だよ、本気で。


正直、びびりまくった私たち。
部屋の窓ガラスもビシビシ音を立ててる。いまにも割れそうな…と思ったら、非常口付近のガラスはホントに割れてた。
こ、これがパイネの姿なのか。
厳しい自然って、こういうことなのかーーー。


念のため、ホテルのバーの兄ちゃんに尋ねてみた。ここは、いつもこんなに風が強いのか。
「まぁだいたいそうだよ」。


念のため、ホテルのアクティビティ担当の兄ちゃんにも聞いてみた。明日からの天気予報はどうなってるの?
「ここの地域には天気予報はないんだよ。だから明日のことはわからないよ」。


なななんて無責任な〜〜〜。


…ウノとかトランプを忘れたことを激しく後悔した。
これからの3泊4日、毎日こんなんだったらどうしよう。
テレビもない部屋で、3泊4日、何をして過ごそう…。毎日台風だったら…。


ともあれ。
一応、夜7時から行われた「アクティビティ説明会」に参加し、明日何をしたいか、予約は入れておいた。
とりあえず馬でパタゴニアを散策するツアーにした。3歳でも本人さえ怖がらなければ参加OKとのことだったのでね。
あとは天気が良くなるのを祈るのみ…。