~私の好きなもの、好きなこと、興味のあることをあれこれと綴るブログです~

カルリーニョス・ブラウン、チンバラーダ、イヴェッチ・サンガーロ


11月ごろから、つまり夏に入ると、サルヴァドールではぐっとショーが増えてくるようだ。2月のカルナヴァル本番に向けて、どのバンドも「エンサイオ」というイベントをやり始める。
それに加え、バイーアの有名アーティストたちも、いよいよ本格始動とばかりにショーを繰り広げる。


こういったショーの情報は、インターネットや新聞や雑誌から得ることも多いけれど、一番わかりやすいのが道路にでかでかと立っている巨大看板。幹線道路には必ず「近日開催」のショー情報が現れるのだ。


で、今回行ってきたのは、バイーア音楽を語る上で欠かせないお三方、カルリーニョス・ブラウンとイヴェッチ・サンガーロとチンバラーダが一堂に会すると言うショー。(3人について知らない方は、ネットでちょっと検索してみてね。超有名人だから。)


実は私、サルヴァドールに来てから本格的な夜のショーと言うのはまだこれが2つ目。(ひとつ目は先月行ったイレ・アエのエンサイオ…って、まだレポートを書いてなかったね。)
夜のショーは、子どもたちの預け先が問題になるからね…。
今回は、いつもお願いしているお手伝いさんに泊まってもらうよう頼んでみたら快諾してくれたので、お言葉に甘えて夫婦で行ってきた。



っていうか、子どもはまず無理なショーですから。


会場は、歴史地区の下町部分(コメルシオ地区)にある、ムゼウ・ド・ヒッチモ(リズム博物館)というところ。元はメルカド・ド・オウロと呼ばれていた場所が、カルリーニョス・ブラウンの手で音楽の一大スポットとして生まれ変わったそうだ。


四方を建物に囲まれたオープンエアのスペースになっていて、その中心に小さなステージがある。客席とステージの距離は皆無。いいのか、こんなに舞台にかぶりつき状態で見て…というくらいすごい状態。
一応、ガードマン役の屈強なお兄さんたちがいることはいるけど、あまり効力なし。みんなガンガン、ステージ前に張り付く。ええ、私も。


チンバラーダの太鼓は本当に気持ち良くてカッコ良くて、生で聞くと本当にしびれるね。
カルリーニョス・ブラウンのボーカルが最初に始まり、続いてそこにイヴェッチ・サンガーロが登場。彼女の持ち歌はほとんど歌わず、あくまで友情出演という位置づけだったけど、あの太く伸びる歌声には変わりなく。
素晴らしいエンターテイナーですよ、イヴェッチは。大好き。


そしてそこにチンバラーダのボーカル、ダニが加わって、代表曲を次々と。彼の声もとても好きだ。これぞバイーア、って感じの音と雰囲気に包まれて、なんか観光客気分…。


さて、客はただ黙って聞いているのではありません。ご存じのとおり、サルヴァドールカーニヴァルは踊ってナンボの大騒ぎ。まさに、ショーもその状態。全員オールスタンディングで踊りまくり。汗の肌がぶつかり合い、足は踏まれまくり、踏みまくり。ぎゅうぎゅう押されて時々危険。そしてスリも横行している。私のジーンズの脇ポケットにも誰かの手が入り、携帯を取ろうとした…(すぐ気付いて、ノン!!と叫んで事なきを得たけれど。)
もうどさくさにまぎれて、何があってもおかしくない…まさにカーニバルのブロッコ状態でありました。(あぁちょっと油断してたわ、お金は靴下の中、携帯には紐付けて首からぶらさげてTシャツの中に入れとくんだったわ。)


踊りながら聴くのは楽しいし、ストレス解消になるのはもちろんなんだけど、あれはね〜。どんな人にもお勧めできるものではないね…。
私たち夫婦はちょっと?いやかなり?バイーア化が進んでいるから、ああいう雰囲気も平気なんだけど、普通に日本で生活している日本人の皆さま方には、かなり刺激が強いかと…。


でも、バイーアの姿、民衆のパワーを体感するなら、あの場に行ってみなきゃ。もう、すごいから。
半分以上、体に「バカの血」を流して、バカになりきらないと楽しめないっす(笑)


それにしてもすごかったな…。
一番すごかったのが、えーと、たとえるなら…盆踊りのやぐらの周りを何百人もの人が同じ方向にドドドーっと走りまくる様子。
何百人ですよ。
よくあれで将棋倒しになってけが人が出ないと思いますよ。
危なすぎ。


私はスニーカーを履いていなかったこともあって、もちろんその輪には加わらず、やぐらにしがみついて退避していたんだけどね。あまりにすごくて、いい大人が本気で走って楽しんでる様子が、なんだかものすごーーくバイーア的で。苦笑いしていた。


あの様子、サンパウロではありえないな…。
もちろん日本でも絶対ありえない…。
やっぱりサルヴァドールってちょっと違うよね、特殊だよね、と話しながら喧騒を抜けて帰途に就いた私たち。
ちょっと違うけど、かなり特殊だけど、でも私は結構好きよ、サルヴァドール