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バイーアの日系社会、ジョタカ村にてクリスマスミサ


ブラジル最大の日系社会があるサンパウロとは大違いで、ここバイーア州、いや、サルヴァドール市内で日系人に出会うことはほとんどない。日本食レストランでたまに見かける程度で、なんだかもう、心細くなるくらい日系が少ない。


でも、実は、ちゃんと存在しているんですねぇ、バイーアの日系社会が。
サルヴァドール市の我が家から車で約1時間半のところにあるMata de São João(マッタ・ジ・サン・ジョアン)という街に「ジョタカ村」と呼ばれる地域があり、そこには今でも多くの日系家族が住んでいるのです。


その日系コミュニティの中心的な存在である「教会」で、クリスマス前の日曜日にミサ兼クリスマスパーティをやるというので、初めてその村にお邪魔することにしました。


途中、巨大な工場が立ち並ぶカマサリ市を通り、


工場地帯を抜けたらとっても庶民的なカマサリの街が現れ、
(フェイラ:青空市場をやってましたが…スイカがごろごろと地面にディスプレイされてた…)


マッタ・ジ・サン・ジョアンに入ってからはもう本当にかなりの田舎で…。
ジョタカ村に入るためには、なんと未舗装の、赤土むきだしのワイルドな道路が5キロくらい?うねうねと続いていたのでありました。
21世紀に入った今でも、ブラジルにはこんな未舗装道路が、大都市からわずか1時間余りのところにいくらでも存在しているんですよ〜。

(雨が降ったらかなり危なそう。急な坂道。)


こうしていきついた先には、とても立派で、シンプルだけど美しいその教会がありました。1950年ごろ、この地に入植したキリスト教徒の方が、この場所で家族的なミサを始めたのがここの基礎になっているそうです。

神父様は日本人。完全日本語の環境で、集まる人たちの日本語率はかなり高いです。なんだか不思議な感じ…バイーアのこんな奥に、こんなに日本人がいるなんて!!!
戦後の入植地なので、1世の皆さんもまだまだお元気です。最高齢が90歳超のおばあちゃん、車いすでの参加でしたが、とてもお元気そうでした。


もちろん、村に住む非日系のブラジル人や、日本語を話せない2世、3世の少年少女もいますが、とにかくこの場所にこういうコミュニティがあるってスゴイ!


日本語+ポル語翻訳のミサが静かに行われ、キリスト教徒ではない私にとっても、とても興味深く心にしみるお話が伺えました。なぜキリスト生誕の第一報が羊飼いに対してもたらされたのか…というお話。なるほど…とうならされました。キリスト教のお話も奥が深い。

ミサの終盤には、子どもたちお待ちかねのサンタクロースが登場。お菓子のプレゼントで喜ばせてくれました。


そしてお楽しみのランチタイム。一品持ち寄りのパーティなのですが、料理のラインナップがまた素晴らしい。お重に入った和食。ちらし寿司、お赤飯、巻き寿司…こんなに日本的な料理を一度に味わえるなんて!
しかも、どの料理も美味しいの。正直言って、サルヴァドールのどの日本食レストランで食べるより美味しい料理ばかりでした。ほんとに。

ちなみに私は「味泉特製コロッケ」と「クレソンの和酢和え」を持参。ちゃんと売れ残らずに食べてもらえていたようで一安心♪

刺身マンも登場して、マグロのヅケをその場で作ってくれたり。
揚げたてパステウのコーナーがあったり。
ブラジルのパーティには欠かせないシュラスコ(焼肉)コーナーがあったり。
もう、盛りだくさんで、幸せいっぱいの賑やかランチ…。


感動的だった、甘い甘いスイートコーン。
なんと、日本から種を持って来て植えたそうです。これよ、この味よ!トウキビはこうじゃなくちゃ!!!
奥のジュースはグラビオーラとクプアスという果実のもの。なんとも言えない美味しさ。この地方独特のフルーツです。

デザートも完全に和風。あん入りロールケーキ、ミニ大福もち…。素晴らしい…。これらを食べに来るだけでも価値がある、ジョタカのクリスマスミサ♪(なんて言ったら怒られちゃいますね〜)

知り合った1世のおじいさんに、ユーモア交じりの苦労話を聞かせてもらったりして、これまた実りの多いひとときでありました。いま、ブラジルの地で成功している日系人の皆さんは、何て言うか、すごくタフでアイデアマンで前向きな人が多いんです。そうじゃなきゃ、成功できないんだろうけれど。
勉強になります。


子どもたちが遊べる広い芝生もあるし、ゲートボールに興じる人もいるし、もうここは一大エンターテイメント場のよう。田舎の教会っていいなぁ。


ここは宿泊できる棟もあるので、いつかぜひ1泊して、この空…夕日と星空と朝やけを見てみたいと本気で思いました。
北海道の風連育ちの私には、こういう環境が、一番心落ち着くんだよねぇ…と改めて実感。ふるさとは今、雪景色だけれどね。